フオリサローネ2024 その9

アルマーニの後、癒しを求めて、目と鼻の先にあるギャラリーに立ち寄ったのですが、それは番外編で、後日記事にすることにします。

どうせ通るなら立ち寄ってみようか、と思っていた展示会方向に向かっていると、日本のメーカーさんの展示が目に付いたので、ちょっとのぞいて見ることに。



杉山製作所 - The Beauty of Lines
Minimalist Solid Iron Furniture
c/o Galleria Antonio Battaglia

「日本のクラフトマンシップを受け継ぐミニマルな鉄家具ブランドのメーカーが、チェアシリーズと鉄のアートワークを展示します。」

「刀鍛冶の伝統で有名な岐阜県関市にあるメーカーで、創業1962年。自動車や鉄道車両部品を生産していたが、2000年から、その熟練の技術と設備を生かし、企画からデザイン、製作までも自社で一貫して行う鉄家具ブランドのメーカに生まれ変わった」という会社のようです。

会社の方がいらしていて、見学者も少なかったので、しばらくお話を伺い、楽しい時間を過ごしました。
アイアン系は好みで、自宅のダイニングの椅子も、木とアイアンを使ったデザインを選びましたし、アパートの内階段の手すりがレトロなアイアンだったのが、この家を気に入った原因の一つだったりする私の琴線に、かなり触れるタイプの椅子が、ずらりと並んでいました。



まだ欧州には進出していないということ、ネット検索で、家具作りに転向してやっと20年ということですから、納得です。そして、おそらく相当職人技の世界で、お値段も張りそうですから、なかなか難しいラインの商品なのかもしれません。日本で製造して持ってくるとなると、輸送代から何からだ、さらにお値段高くなりますもんねぇ。

ちょっと驚いたのが、その低さです。
上の写真で、左の方にある椅子は、ダイニングなどに想定されているということだったんですが、見た目はかなり低い。または、幅とか奥行きとの比率の関係で低く見えるのかもしれないんだけど、イタリア生活の長い私の感覚では、ゆったりとリラックス系の椅子にしか見えなかったんですよねぇ。
後ろに向かって斜めっていたりするリラックスデザインだからかな。
こっちって、ダイニング、要は食べるための椅子って、基本、座面、まっすぐです。
でもさ、かわいいよね。アイアンって、ちょっとレトロ・テイストがあるから、ミニマリストとマッチするのか分からないけど、こういうのが好きな層って確実にいるよ。がっちりしてて、いかにも一生ものって感じもするから、お金に余裕があったらほしいものの一つだなぁ。

並びに、当初から立ち寄ってもいいかなと思っていた展示。



宮崎椅子製作所 Miyazaki Chair Factory
The Miyazaki Collection, a story of Japanese craftmanship
c/o Inoda+ Sveje Showroon

行って分かったけど、ここは何回か、少なくとも前回も同じ場所に出展してるメーカーさん。奇しくも、杉山製作所とかぶって椅子、笑。
素敵なんだけど、ガチ展示だし、新味はなく、前回もそうだったけど、コンパニオンさん置いている割に、営業努力ゼロ。
メーカーさんのヒトらしい日本人のおっちゃんが、頑張って営業トークしてたけど、コンパニオンさんたちは、うろうろしているだけで、勿体ないなぁ、のデジャヴュでした。



コレクションだから、触るな系なのか、台の上にあるから、気軽に試せないのも、残念。イスなどは座ってなんぼ、だと思うんだけどな。
この、すべすべしているであろう木の感触、試してみたかったなぁ。変かもしれないけど、やすりですべすべにした木の触感、相当好きなんですよねぇ、笑。

それにしても、日本からの大手企業の出展が激減している中、こうやって頑張って海外に挑戦してくださる企業、すごいと思っています。結構社員さんも来て、様々な訪問者相手に頑張って営業していたりすると、心の中では応援しています。応援しかできないけどもね。

さて、この辺りで、そろそろ、午前中の時間は終了。
午後一で、家の方で用事があるため、一旦帰宅しないと行けず、帰路に着きます。行きに、ちらと見かけて、気にはなったものの時間的制約からスルーした場所に立ち寄ることに。
事前に決めた以外はいかない、とマイ・ルールを決めているけれど、結局欲張ってしまうんですよねぇ。



House of Switzerland
Swiss Design at the House of Switzerland
c/o Casa degli Artisti

以前の通勤路からちょっと入ったところにある建物ですが、ギャラリー的なイベント会場なのかな。結構広いスペースで、びっくりしました。
入り口には、巨大な玉ころがし、笑、こういうの、なんていうのかな。実際に稼働していて、やりたい人は、バレーボール大の球をもって、屋上から転がすことが出来るようになっていましたけど、屋上へのエレベーターに行列ができていたので、やらんでよかった、と思いました。


(ブランコ?試してみたけど、滑るし安定しないし、デザイン優先物体。タオル掛けとかそういう実用品に転用した方がよさげ、笑。)

前回の記事のオーストリア同様に、スイスの、雑多なデザイナーによる様々なデザインものが、ごたごたと並べられている展示なんですが、なんというか、まとまりなく、全体のコンセプトもあるのかないのか的なごった煮感満載。
そもそも論として、スイスって、ダサいイメージしかなかったりしますし、実際のところ、うーん。


(衝立的なものなのか?シャラシャラした再生マテリアル的なカーテンに、色付き電飾とか、ダサさ全開…。)

一応エコとか再生とか、そういう様子はあったけど、訴えるものは薄かったなぁ。疲れている状態で立ち寄る場所じゃなかったわ。

とか言いつつ、どうせ通り道だから、最後に、と、再び立ち寄り。



Corso Como 10

ここには、時折訪問させてもらうギャラリーがあり、確かこの期間、何かやっているはず、と思ったので、寄ってみたんです。
そのギャラリーCarla Sozzaniでは、こんな出展がありました。



IITTALA - Orchestra of Glass by Spacon & X
created by Damsel Elysium with Janni Vepsalainen (Iittala's creative director)

イッタラは、フィンランドのガラス・メーカーですよね。そこによるガラス製品によるオーケストラ。発想が斬新だし、見た目が素敵。
実際に、なんか音が鳴っていましたよ。

もう一つのスペースは、レトロ感満載のショールームみたいになっていました。



Verner Panton Design AG - Panton Lounge
in collaboration with Vitra, Amini, & Tradition, Verpan, Offecct, Kvadrat, Montana, and Syng

イスとか新しいデザインなんだろうけど、なんだろう?照明とか?色とか?全体にレトロが感じられませんか。

今更のように、現場に置かれていた説明を斜め読みしたら、Pantonという方は、デンマークの建築家兼デザイナーさんで、20世紀におけるもっとも重要なデザイナーの一人とされている方、ということで、その方のデザインを再現したものが元になっているとかそういうことでした。



レトロっぽいテイストって、なんだか好みです。そして、不思議と現代のテイストと反発しないように思うんですけれども。
といって、これはあくまでラウンジ的な空間で、自宅がこんなだったら疲れる~、笑。

驚くことに、普段ショップとなっている大きなスペースが、ワークショップとなっていて、多くの人が、おそらく自然の色や香りを使って、何か作っている様子でした。



さらにへとへとになって帰宅。
でも、まだ一日が終わったわけではありませんから、身体にムチ打って…。
なんで、楽しみを修行にしたがるんだか、この性癖、困ったもんです、笑。

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