フオリサローネ2024 その4

ミラノ大学会場、続きです。



Wu Bin-W.Design
Travelogue on Mountain. Pan Yuan: Momentality Unfold with Yardcom
「迷路のような通路は、感覚的なまた観想的な経験をもたらし、そこから東洋の建築の意味を探るものとなる。」

会場のメイン回廊のど真ん中という、どうしても目立つ場所に置かれたインスタレーションです。名前から中国人の方なんでしょうね。
遠目にも、なんででしょうね、オリエンタル感あるんですよねぇ。とは言いつつ、派手に干されたシーツ感もあり、一見面白さは想像できないんですけど、実際にこのシーツのただ中に分け入ると、ちょっとした驚きを感じました。



このシーツのようなのは、相当固い素材ですが、特殊加工した紙みたいです。
固いから、触れ合うと、金属的な音が鳴るんです。それでいて、重さはなくて、風に流されたりするし、何とも不思議な。



素材として、用途に幅広い可能性がありそうだと思いました。いや、バイヤーじゃないけど、笑。
建築やインテリア素材として、木や紙に関しては、中国より日本の方が展開していると思うのですが、今回、中国人が紙を出し、隈さんが石を出し。面白いですね。

そのお隣に、巨大な風船みたいのがありました。



Planetarium
design by Ludovica Diligu and Plastique Fatastique with Labo.Art
「防水加工の布による膨張可能な球が、回廊の庭にある樹を包み込んで、プラネタリウムを形作り、その中では、童謡を聴きながら、枝や葉っぱや星の絡み合った様子を見ることが出来る。」



童謡?
なんかお話が語られていたような気がします。物の数分で出てしまったので、内容はうろ覚えですが…。

星に見えなくもない黄色は、よく見るとシャツ…。



黄色いし、なんか戦争のことを語っていたような記憶も…。勝手に作ってしまったかな、頭の中で。

素材を売るための展示だったりすると同時に、やはり何か意図があるわけで、でもそれが分かりやすかったりそうでなかったり。いずれにしても、作品によっては、インダストリアルからはみ出た思想を内在したりすることもあり得るのが、今の時代のプロモーション活動の、ある意味、面白さですよね。
エコだったりサステナビリティだったり、そういうのを押し出していかないと、マスに受けなかったりさ。デザイナーさんたちも大変だよね。思想まで内包することを求められたりするなら、自分自身も、ちゃんとしたものを持ってないと、難しいよね。



MCA - Mario Cucinella Architects
Sparking Change with ROCA
「3Dプリンターで製作された1200のセラミックのブロックが、新しい生産工程を視覚化している。」

今回、3Dプリンター関連は、いくつかの展示会場で目にしました。モノづくりの一つのやり方としては、もうすでに一般化しているのでしょうけれど、これまで、フオリサローネで、それを前面に展示しているメーカーさん、少数だったのでは。

これ、面白くもなんともないけど、セラミックだから、すっごく固い。見た目はプラスティックとか割と柔らかいイメージなので、かっちかちでびっくりしたし、具体的に置かれると、金型とかなしで、寸分狂わずにできちゃうって、もしかしてマジすごいことなんじゃないか?と、門外漢として認識できた気もします。
だって、モノづくりに欠かせないのが金型で、それを作る職人さんって、まさにプロジェクトX的な、ミリよりもずっとミクロな単位のずれを、勘で調整するとかそういう世界だよね。それが不要になるんだから。

でも、そうやって、人はどんどん五感を失っていくんだね~。気付いたら、自分の手では何もできないことになって行くんだよ。考えたら恐ろしいことだわ。



Arik Levy Studio
Path of Visions with Sans Souci
「光や反射のあるマテリアルで、周囲の風景を切り取る体験。」

今回、メインの回廊を見下ろす二階部分、通常使用される向かい側にも登れるようになっていました。高いところには登りたがる馬鹿者なので、もちろん登りましたが、なんというか、展示はつまらなかったです、笑。



Kutnia Design Hub
Weaving inside out with Kutnia
「トルコ南東部で生産されるKutnuという布を、現代風にアレンジした素材で、円柱にまとわせる。」

とても美しくて、しっかりした布でした。こういったインテリア向けのファブリック、イタリアは充実しているので、結構引き合いもあるかもねぇ。
そういえば、日本の織物メーカーさんが来ていたこともありましたね。日本にも、伝統的なファブリックって考えたら結構ありますよね。座布団だったり着物だったり。サローネ本会場には、もっと出てきたりしているのかもね。

まだまだ色々とありましたが、大学はこの辺で、他に行きたいと思います。

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