嬉しくて楽しくて幸せな体験をいたしました!



ピアニスト、辻井伸行さんが、先週末ミラノに来てくださいました。

2021年にもツアーがあったのですが、今ほど熱心に聞いていなかったのか全然気付いていなかったという不覚モノのわたくし、今回は有難いことにすぐに気が付いて、よいチケットをゲットすることが出来ました。金曜日の夜と日曜日のマチネ、何のためらいもなく、両日です。

Serate Romane
Orchestra Sinfonica di Milano
c/o Auditorium Milano

Edvard Grieg - Concerto per pianoforte e orchestra in La minore op.16
Filippo Del Corno - Maggese per orchestra (Prima esecuzione assoluta)
Ottorino Respighi - Pini di Roma

という演目で、辻井さんの登場は、初っ端のグリーグのピアノ協奏曲でした。

金曜日は、もっともらしく、笑、前から六列目、舞台に向かってちょっと左側でピアニストの指が見えやすそうな席を取り、辻井さんのピアノは勿論、辻井さんの演奏後のオケも楽しみました。
辻井さん、本当に素晴らしくて、なんでか涙が出そうになるんですよねぇ。本来の音がどうのなんてことは分からないクラシック門外漢ですけれど、やはりライブは格別。皆さん、きっと同じ思いなんでしょう。協奏曲終了後のアンコール、本当にすごかったです。まさに拍手鳴りやまず、ブラーヴォの声も飛びまくり、私ももちろん叫びましたとも!
挨拶に二度ほど出られた後、お約束のアンコールは、カプースチン。これまためっちゃかっこいい曲で、辻井さんもノリノリ。
で、その後の拍手はさらにすごいことになり…。
次もカプースチンだったのかな。
さらに拍手…。
挨拶に出てきた辻井さん、サポートする指揮者が引っ込もうとするのに、手を放して、ピアノの脇で、どうしようかなぁ、と困ったようなジェスチャーをされた後、なんと三曲目が始まりました…。神…、ありえないサービス精神。
ただ、本当に拍手声援がすごくて、あの熱気、二曲では収まらない感があったのも確かで…。
客席には、思ったよりも日本人は少なくて、ほとんどイタリア人でしたから、関係ないけれど、同じ日本人として有難いような誇らしいような気持ちになりました。だって、目が見えない辻井さんには、拍手や声援でしか反応が分からないわけですから、できる限りお届けしたいわけで、イタリア人の観客の熱、嬉しかったです。

実は、初っ端に辻井さん演奏という想定はしていなくて、出待ちをするつもりだったのですが、その後に約1時間のオケ演奏があったことから、辻井さんは帰ってしまうよね、ということで、出待ちはあきらめ。いずれにしても、本邦初演という現代音楽(作曲者挨拶付き)、そして、ローマの松のオーケストラも堪能し、素直に帰宅しました。

そして、日曜日のマチネは、この際ミーハー全開でいくぞ!ということで、最前列のちょっと左よりという、まさにかぶりつき、辻井さんから1メートルくらい?というくらいの至近席。始まる前から、ニヤニヤしちゃうような、あまりにミーハーで恥ずかしいような気持ちにもなる席でしたが、これはこれで大いにありでした。
見上げる感じではありますが、すぐそこに指が見られるなんて、こんな体験、なかなかできないと思います。
美しい指、そして超微弱音を引く時の指先の震え、したたる汗、彼の集中力までが伝わってくるような、すごい興奮がありました。ピアノの音だけ聴いていたような気がします。
そして、この日もまた、アンコール。カプースチンと、なんとなんとのラ・カンパネラ~!イエーイ!

でもね、日曜日は、マチネということもあったと思いますが、日本人の方多かったんですよね。で、会場の盛り上がりがいまいちで、ブラーヴォの声援もほとんど飛ばず、ちょっと寂しかったんですよ。日本人は、あまり声援しないのかな?
金曜の熱がすごかっただけに、ちょっと尻つぼみ感がありました。辻井さんの対応も、ちょっとだけクールだったかな。

日曜日は、出待ちを決めていて、コンサート前に出口を確認したりしてました。たまたま日本人の団員の方の入りに出会ったので、ちょっとお話を聞いたら、「辻井さんは、自分の演奏後に、オケを聴かれたりしますよ」という、予想外の情報をいただきました。え~、じゃぁ、今日もそうかなぁ、とは思ったのですが、でも、帰られちゃったら寂しいよねぇ、と、初志貫徹で、協奏曲後から、出口周辺で張り込み。
でも、結局彼は、オケの演奏を客席で聞いていたんでした、笑。そういう行動も、すごく辻井さんらしいと思います。

終演後、団員の方が次々出てこられて、その最後の方に、めっちゃくちゃラフな服で出てこられました。そのあたり、結構な人が溜まっていたんですが、辻井さん出待ちは誰もいなかったみたいで(ほとんど、オケ団員のお友達とか関係者だったらしい、これも驚きっていうかイタリアっぽい、笑)、マネージャーの方とすたすたと歩きだします。慌てて呼び止めて、握手をお願いして、アセアセしながら、如何に演奏が素晴らしくて感動したかをお伝えし、アワアワしながらお礼を言って…。辻井さんは、「ありがとうございます」を二度三度と言ってくださったような、それだけだったような、笑、でも緊張しているから言いたいことを言ったった!みたいな、あほっぽいおばちゃんぶり全開でした。

タクシーにでも乗るのかと思いきや、彼らはそのまますたすたを歩いていくので、なんとなく後ろの方を歩いてしまって、我々ストーカー行為してるよね?ということに気付いて苦笑い。途中道端で、日本人のご家族が、たまたまなのか待ち受けていたのか、写真まで取られている様子も見ましたが、そんな真似、私にはとてもできませんでしたから、心臓の強い方ってすごいなって感心したり、しばらく離れた場所からストーカーしました、笑。

結局、会場から歩いて10分程度の、結構しょぼいホテルに向かったようだというところまでストーカーして、帰ってきました。そうやって歩いて移動するのも、辻井さんが望むのかもしれないし、マネージャーの人たち、大変かもしれなくて、でも、辻井さんは結構のびのびとやれているのかなぁ、と思ったり。

それにしても、アンコール三曲とか、神…。演奏後に30分くらいアンコール時間でしたから。オケには日本人が二名いて、出待ちの時にちょっとお話したんだけど、前回もそうだったんですよ、ということでした。

日本は勿論、ロンドンやニューヨークでは、チケットも高額だし、そもそも取りにくいと聞いていますが、ミラノは、人口も少ないし、まだまだなんですかねぇ。これも、ミラノ交響楽団の定期公演に組み込まれたコンサートなので、びっくりするくらいお安いし、満席でもなかったのですよ。
有難いような、ちょっと寂しいような。でも今後、スカラ座で公演する日も来るかもしれないし、ビッグになったら出待ちも大変だろうし、今回は楽しい体験ができてよかったです。

ああ、ミーハーって、いいよね。色々楽しみがあります。
あれから、毎日一曲は動画で辻井さん、笑。
ミラノで、もう一回くらい、ライブのチャンスがあることを祈ります。

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