昨年暮れにひったくりにあいまして、その後各種証明書類再発行申請を余儀なくされたわけですが、その中で最後に残っていたのが、イタリアの無期限滞在許可証。
これは、郵便局で管理している申請書に必要事項を記入して、関連書類や収入印紙、写真などを添えて、郵便局の窓口に申請すると、その場で、警察署出頭のアポイントがもらえるシステムとなっています。
ひったくり直後に申請したところ、アポは3か月半後の先月後半でした。まぁ、大体そういう感じ。

それまでは滞在許可証がないのだけど、そのアポの受付書を所持していれば、イタリア内は問題なし。ただ、飛行機に乗って海外に出ると、時としてパスポートをじっくり見られて、ミラノで発行していると気付くと、滞在許可証の提示を求められることもあるため、実際に発行されるまでは、飛行機での海外渡航は避けたいところ。

で、待ちに待ったアポがやってきたので、パスポートやらひったくり事件関連の警察書類などオリジナルに加えて、求められるかもしれないコピーなどもそろえ、あらためて写真も撮影して、若干緊張しながら、近所の警察署へ出頭。

申請からアポまでが三か月半とか、その辺がすでにとてもイタリア的なんだけど、さらにあきれるのがさ、設定されたアポの時間。

  3月25日 10時58分

時間単位でも守られるかどうか、危ういタイプのアポなのに、58分って…、笑。

いずれにしても、30分弱ほど前倒しで訪ねた警察署は行列もなく、さらりと待合室にアクセスできて、窓口に二組に待っている人が3人と、思ったよりは少なくて、とりあえずホッとしましたとさ。怒号もないし、訳の分からない様子の外国人もいないし、これは意外とサクサクと終わるかもな、と思いましたが…。

その時窓口にいた二組が終了したのが、確か10時45分ごろ。
名前を呼ばれてから窓口に行くシステムなので、待っている人はおとなしく椅子に座っています。すると、窓口の警察官、部屋から出てきて、待っている我々に「あなたは何時?」と一通り聞きながら、出口に向かい、「えっと、僕たちカフェの時間だから、戻ってきたら再開します」とか、ごにょごにゅとつぶやくようにささやくように、ほとんど独り言状態発言をしながら、出て行ってしまったとさ…。

確かに、11時ごろはマッキネッタの時間だよ…。
マッキネッタってさカフェ・マシーン、要はカフェの時間。会社でも、有料無料の違いはあれど、カフェ・マシーンは必須。置いてないと、みんな外のバールに行っちゃうからね、多分、笑。でもって、午前中一回、午後一回のエスプレッソ休憩は、ランチ以外に、暗黙で許される休憩時間ってなってると思います。
大きな会社になれば、社内電話とか、今なら個人スマホのチャットとかで、そろそろ行くよ~とか、他部署の仲良しさんとやり取りして、マシーンのとこに集合するんだよね。
そういう仲間を複数持っていて、一日に何回もマッキネッタに張り付いている人なんかもいたっけね。エスプレッソ休憩は、普通の人で三回、多い人だと5回くらい。

実際、そういう現実があるから、警察でも例外ではないと納得はできるんだけど、それにしても、わざわざつぶやいていくところ、何だろうなって思う。なにも言わなくても、カフェだなって思うし、言ったからって正当化はされないのにねぇ。ま、私のアポまでは15分ほどあるし、と、相変わらずのイタリアぶり全開にも「ゆるぎないな」と苦笑いする程度だったけど、これまたゆるぎなく、30分以上戻ってこなかったさ、一般の会社以上のゆるさ、笑。

幸い、戻ってきたらすぐに呼ばれて、11時25分ごろだったかな?アポは10時58分だったから、お、思ったより早いなって素直に思う。
うん、こっちもイタリア化、だよね。
こういうタイム・スケジュールが日本で起こったら、日本人は怒るのかな?

で、窓口。

担当者は、私を呼んだ時点でスマホで電話し始めて、ずっと通話中。合間に、口パクで、「写真」とか、さらに身振りで「人差し指」(指紋押捺せよ、という指示)とか、器用に指示しながら、それでも延々、通話中。
仕事の話と思うよね、普通。
窓ガラスで仕切られているから、聞こえにくいけど、一所懸命耳をそばだてたら、「パパ~、だから、パパのクルマは置いてきたし、修理が済んだら、うんぬんかんぬん…」
え?思いっきり私用電話じゃん~。それもパパ~…。
いや、パパの車の修理を世話してるみたいだから、きっと良い息子なのだろうが。
とはいえ、相変わらず、外人をなめてるな。
いや、仕事してるから文句はないよ、私は。でも、あれ出せ、これ出せ、言った割には、何も見ずにインプットとか進めて、最後も口パクで、はい、終了です、だったから、本当にちゃんとやってくれたのか、一抹の不安は残るな。

それにしても、警察官にしてこういう仕事ぶり。ストレス・フリーだよな。
それで、申請外国人を怒鳴ったりする人だったら、文句の一つも言ってやるけど、結構穏やかに、イタリア語うまくない外人にはちゃんと英語対応もしていたし、やるべきことはやってる人だから、ま、いいじゃんと思うこっちも、ストレス・フリー、笑。

昔は、気負いもあっただろうし、あちこちで喧嘩したりしたけど、30年もいると、そういうイライラ無駄だってなるし、達観するんだよな、自然と。怒っても結果変わらないことも多いし。もちろん、あまりの理不尽なときは怒るし、泣いたりするけど。

別の話になっちゃうけど、イタリアは、女が泣くと状況が変わるよ。これも結構面白い。たとえババアであっても、泣くとね、おろおろしちゃって、それまで居丈高だった人が低姿勢になったりする、笑。
意外と、感情爆発しない人たちだから、っていうか、普段から大声出して、色々発散している人たちだから、常にテンション高めで、一気に沸点ていう状況があまりないから、泣くような人がいないからなのかな。
泣くまでの状況っていうのは、そうそうないけどね、過去に何度か、あ、今回のひったくり事件の再発行関連では久しぶりにありましたけど、やっぱりそうだったな。すでにババアなのに、思わず涙がぽろっと出たら、向こうが、あ、っていう感じで、空気が変わった、笑。

ま、そんなわけで、無事、申請が受領されて、約一か月後には再発行。無事海外旅行もできるようになるはずなので、スケジュール的には良かったな。
そして、滞在許可証絡みの手続きは、これで打ち止めというのも、かなり嬉しい。というのも、たとえ無期限の滞在許可証でも、10年に一度、カードを更新する必要があるので、警察との縁はなかなか切れないんだけど、これから10年内には、日本に永久帰国する予定なので、更新の必要もなし!よし!

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