リグリアのクリスマス その3

リグリアということで、久しぶりに訪ねてみたい町がありました。どちらも、以前訪ねてから、ずいぶんと年月が経っているし、電車を使えば、宿泊地から結構近いのが分かったので。

その一つは、サンレモSanremo。



本当にいつ訪ねたのか思い出せないくらいの昔に、一度訪ねたっきり。

サンレモっていうと、音楽祭、お花、海辺、みたいな、華やいだ美しいリゾート地、というイメージがあったんだけど、その時旧市街を歩いて、その「終わっちゃてる」感にびっくりしたんだよね。
「終わっちゃてる」って、なんていうか、すすけて崩れて、今にもガラガラと崩壊しそうな街並みが、細い急坂に並んでいる、みたいな、そういう状態。
でも、怖いとかではなく、そういう状態での美しさみたいのがあったし、当時の私には実に新鮮で、面白かったんだけども。

その旧市街が、今回はどこにあるのか分からなくて、うろうろしちゃった。もしかすると、全体に町のコンテクストが変わってしまったんじゃないかとも考えられます。
だってさ、駅から町に出るのに、こんな。



延々と続くトンネル。動く歩道もあったけど、止まっている部分も多くて、結構歩く。山の下をくぐる感じになるのか、それにしても、昔からこんな仕様になっていたんだろうか。いや、昔訪ねた時もこうだったら、さすがに記憶に残っているだろう、と思い、ちょっとね、調べてみた。
というのも、宿泊している町及びその周辺でも、何年か前に、鉄道駅の場所が大幅に変わって、以前は町の中心地、つまり海辺にも近い便利な場所にあったのが、相当内陸部に引っ込んで、町との距離が徒歩20分以上という、大変不便なことになっていたのです。

そしたらさ、やっぱり!



自動車免許を取りたての頃は、まだナビなんてない時代だから、紙の地図を愛用してたんだけど、その2002年版の地図を見たらね、やっぱり当時の駅は、全然違う場所にあったよ。
上野地図で、右上の印が、現在の駅なんだけど、昔は、左下のオレンジの場所、カジノのすぐ傍にあったみたい。私が訪ねたときは、絶対底だったはずで、すぐ旧市街に入り込んだ感じだったのよ。
今回は、駅前は何もないし、なんとなく歩いていくと繁華街に入ったけれど、旧市街はどこから?みたいな感じで、とても不思議だったのは、そういうわけだった。

宿泊していた町でも、駅を内陸に動かしたことで、相当不便になっていたけど、サンレモも、要は内陸部に動かしたということらしい。それで、大掛かりなトンネル作ったり、一体なんでこんな改悪をしたんだから不明だけど、おそらく大きなお金が動いたり、裏金が絡んだり、政治が絡んだりの色々があったのではないかと想像します。結果云々ではなくて、やるためにやる、みたいな工事のにおい…。

そんなわけで、今回は新市街からアクセスとなりました。
で、早速これよ。



と言っても、なんのこっちゃなごちゃごちゃした風景だよね。
実は、ごちゃごちゃの中にあるAristonという看板、これが、サンレモの誇るアリストン劇場、有名なサンレモ音楽祭の会場なんですよ。
日本でも、それなりに有名だよね。イタリアの歌曲が有名な時代もあって、サンレモ音楽祭っていうのは、結構昔から知っていたように思います。多分私の世代は、そういう感じじゃないのかな。
そして、イタリアに来たら、毎年テレビで大騒ぎしている人気番組で、コンクールだから、紅白以上に盛り上がるコンテンツということを知るわけです。そして、音楽祭と、このアリストン劇場は、切っても切れない関係にあるのです。
それが、商店街の中で、こんな様子であるっていうのは、初めて見たときは衝撃でした。

カンヌ映画祭の会場なんて、海辺にあって、レッドカーペットの階段も映えるスポットで、もういかにもセレブ御用達、みたいなのに、ここって、見た目、まるで青果市場みたいな様子じゃない~?!笑
いや、実際は、それなりに高級なお店も並ぶショッピングストリートではあるけど、お隣りも手前も普通に住宅って様子だしねぇ。



劇場にも書いてあるように、つい先日、今年のサンレモ音楽祭、やってました。中は立派なんだよね~。ほとんど見なかったけど、この前にレッドカーペットが敷かれて、VIPが練り歩いてたりしましたよ。

そして、劇場に手を振るように、イタリア人で知らない人はいない方の銅像が。



マイク・ボンジョルノという超有名司会者。数年前にお亡くなりになったと思いますけれど、テレビ創世記から活躍されたテレビ人で、失言しまくりで物議満載みたいな、でも愛された方。
ミラノに本拠地を置くテレビ局で長く働かれたので、亡くなった後、市内の道に名前が付けられましたから、ミラノ市に貢献した人ということにはなっているのでしょう。
実は、インフラ工事で生まれた作られた小さな道なんですが、サムソン・イタリア社の本社があるんですよね。本社住所が、ある日突然マイク・ボンジョルノ通りVia Mike Bongiorno(Buongiornoではない)になってしまって、なんか~、ふざけてるみたいな住所で、ちょっと恥ずかしい~って感じです、笑。



カジノがあったり、ギリシャ正教の美しい教会があったり。



旧市街は、丘の斜面に張り付いているようにあったはずだから、と斜面を登るように行くと、素敵なリバティーの建物があったり。


(Villa Angerer)

でも、かつての旧市街はどこ?という感じでさまよいました。そしたら、ちょっと方向が違うのが分かって、仕切り直し。
上の地図で、緑で囲んだあたりが、どうやら旧市街。
一旦、海の方に降りて、再び坂道を行くと、どうやら、この辺りか、という感じになりました。



でもさ、昔に比べると、かなりきれいになっていて、崩壊しそうな退廃的な様子はなくて、小ぎれいな坂の町っていう様子になっていた。
いずれにしても、坂道とか、クルマの入れなさそうな小路が多い土地だから、住むのは難しいと思うけれど、きれいになれば好んで住む人もいるんだろうと思います。雰囲気はあるしね、アーティストなんかには良いのでは。



最後は、港のヨットハーバーみたいな一角のベンチで、持参のおにぎりランチをいただいて、お散歩終了しました。



イギリス在住の友人が、ある夏休みにサンレモに滞在して、すごくよかった、また行きたいと言ってたけど、何がよかったんだろう?って思いました、笑。
こういうひなびた感じかな。夏だと、また違うのかな。
季節外れに行くなら、私はやっぱりコートダジュールまで足を延ばしたいと思ったなぁ。観光地としての整備レベルが違うし…。あ、でも食事は、イタリアの方がいいかもしれないな。

いずれにしても、サンレモは、もう行くことはなさそうです。


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