姥捨て山の現実 ~世間に見捨てられた孤独~
十人が火災で死亡したことにより露呈、発覚した低所得高齢者 を狙う貧困ビジネス構図に於いて、現代の姥捨て山そのものであり、先進国であるものの日本には低所得者に人権など欠片もない。 事件は群馬県渋川市の老人施設 「たまゆら」という無認可の杜撰な管理の末、行政の受け皿的役割だったNPO法人で起き、裁判にもなったが、それまでそんな環境があったことすら知らなかった方が多い。
非正規雇用の拡大、年金未加入の影、2007年の政府統計で65歳以上の男性未婚者の貧困率40%、妻のいる高齢16%高齢者全体の平均貧困率が22%とOECD加盟国平均13%と比べ、これだけ低い現状をどれだけの人がご存知だろうか。
特別養護老人ホームには空きがなく、有料老人ホームには生活 保護では入れない。 介護保険制度が導入されて12 年、厚生労働省も有料老人ホームのうち、259施設 (11年10月現在)は無届け とは認知しているが、官民一体の支援は行なわれておらず 身寄りのない低所得高齢者を受 け入れる施設がない現状、 無届け施設が受け皿を果たさなければならない悲惨な現状は変わらない。 (たまゆらで亡くなった10人のうち、6人は墨田区の生活保 護を受け、斡旋により、 無届け施設に入っていたのだ)
介護事業者が住居を施設代わりに自宅として借り上げ、孤立した低所得の高齢者を 囲い込み、風鈴などをドアにつけ、外出を管理抑制。六畳間を二つに仕切った個室で暮らし、人との交流もなく、部 屋を出ることもできず、満足なリハビリも受けられず、 生きる意欲が奪われ、老いて、 要介護度があがるほど、事業者の介護報酬としてあがっていく、 そんな隙間産業にしか受け皿がなく容認する国。
都福祉保険局の幹部は言う。 「自分の親なら預けられない。 でも社会福祉として使わざるを得ない」事件はそんな隙間で起きたのだ。
行政において、彼らには姥捨て 山への憐憫もなければ、 老朽化した住宅の資源を生かし、生活支援をビジネス化しない支援の模索は望めそうもない。行政が貧困ビジネスに加 担する、この国の闇はどこまでも深い。
~行き場の無い低所得高齢者と 灰色ビジネス、老いてさまよう 鳥かごの家(毎日新聞)から 抜粋~