今日、痛ましい事件があった。

俺はそれを214事件と命名した。


話は遡り、1月下旬。

俺の元に1通のメールが届いた。

内容は、『バレンタイン当日、本命が俺に届く』というもの。

最初、まず疑った。

絶対ハメだろって思った。

が、まぁ、多分ホントだろうと。そういうことに。


そして、今日―


キタ。確かにキタ。


が。


世の中そんなチョコみたいに甘くないらしい。

相手は誰だか知られないようにしたのか知らないが、

まず、包んでる袋が※友人と同じであることに気付き、首を傾げる。


※友人

  妙なフェロモンが出てるのか、微妙な女子たちから人気のY合野君。

  今朝、既にチョコを貰っていた。勿論相手は微妙な女子。


そして、ブルブルガタガタ震えつつ、中身を確認する。

マフィンとトリュフ、そして、手紙を発掘。

それのイニシャルを確認した瞬間、俺の顔は絶望に塗りつぶされた。



嗚呼、神よ。

何故我に彼の様な試練を与えますか―



これが214事件の顛末である。

俺は一生この痛ましい事件を忘れないだろう。

そして、肝に銘じるだろう。

バレンタインは期待するべからず、と―