アマデウス 鑑賞。
TSUTAYAにはディレクターズカットしかなかったので、それを鑑賞。
鑑賞する前に箱に書いてある上映時間を見ると、何と180分!!(3時間)
Oh my god…これは予想外だったorz ww
その時点で
『絶対グダるやんこんなん…』と思って気分を下げてましたが、アカデミー賞総ナメしていることを思い出し、何とか平穏(寧ろ期待気味)で視聴。
結果……普通のドラマやったwwっていう印象です。
『只のモーツァルトの一生(フィクション込みの)を丁寧に描いただけやん。』といった感じ。
最高に好きな人は最高に楽しめるだろし、
楽しめない人は全然楽しめない系の映画。
勿論面白さとは別に褒めれる所は沢山ありますので、後程『絶賛』しようと思います。
受賞されたアカデミー賞を例に、自身の印象を述べると、以下の様になります。
作品賞→無い。
美術賞→有り。
脚色賞→△
音響(録音)賞→有り。
衣装デザイン賞→納得。
メイク・ヘアスタイリング賞→納得。
監督賞→△
主演男優賞→有り。
以下、ネタバレ。
まずは『酷評』から。
①『分かりやすい。』故に、
『奥深さ』を殺してしまっている。
ありとあらゆる感情を説明し過ぎて、オペラや映画の見方が分からない人の為のユーザーマニュアルみたいな内容に変貌している。
最初、これドラマで良くね?って思いました。
何故その様な気分になったか、その時は理解出来ませんでしたが、
監督と脚本家による音声解説が紐解いてくれました。
それは、脚本家の方が舞台の台詞を映画に置き換える際に苦戦していた話があって、そこで監督が脚本家にこう唱えるのです。
『映画は一般向けに分かりやすい様に作る必要がある。』
つまり本作は、舞台で理解しがたい高尚な台詞が、一般向けに理解しやすい台詞に変換されてしまった作品だと思いました。
その案自体はとても良い方法だと思う。
しかし、全体的に平凡化をやり過ぎてしまっている印象。
故にイチイチ分かりやすい。
感情の起伏ですら説明してしまうくらい優しい作り、
『何でも説明してしまえ』作品になってしまっている。
映画だからこその深読み演出、沈黙演出、奥深い演出が皆無となり、それが3時間もある。
だから『ドラマ』と同じ臭いを感じてしまい、
『これ、ドラマでいいんじゃね?』と心底思いました。
また何でも説明してしまっていることにより、
語り部がサリエリであることの抑制を忘れてしまっている。
サリエリ視点で展開されるはずのストーリーが、
いつの間にか、サリエリ視点では分からないモーツァルト視点の描写まで描かれており、
最早、語り部サリエリを都合のいい時に使うといった形になっているのが、残念である。
劇中で行われるオペラも主演のサリエリ説明込み。
せめてオペラぐらいは、
『物語は語る物ならず、感じるものだ!!』感が欲しかった。
深読み出来る楽しみ方すらも殺してしまい、これでアカデミー賞作品賞受賞かぁ~…と思いました。
②サリエリが独身貴族の誓いを立てたにも関わらず、コンスタンツェに裸にさせたシーンは矛盾しているし、裸にされる女優さんに対して敬意を感じない。
単純にこういう権力で女性に淫ら行為をさせるシーンが嫌いなので酷評側に上げたが、
如何せんサリエリよ。お前自身が独身の誓いを立てときながら女性を裸にする行動は、ストーリー矛盾が生じている。
なにより上記の矛盾があるせいで監督らが、エリザベスベリッジを裸にしたかったとしか思えない様な下品なシーンにしか見えないからだ。
女優さんに敬意はあったのだろうか…
最悪でもコルセットとスカートが見えた時点でもう十分『脱いだ』様なものとし、切り上げるのが
亡きモーツァルト、亡きコンスタンツェに対する礼儀ではないだろうか…
コンスタンツェ役のエリザベスベリッジのコルセット衣装で寄せて上げてるおっぱいは、とてつもなくデカく、恐ろしいくらいエロスを感じざるを得ない。
しかし、やはりそういう脱いでしまうシーンをむざむざと見せるのは下品としか思えない。
③監督と脚本家、衝突し過ぎww
これを酷評としてあげるのは、どうかと思ったのですがあまりにも音声解説での、互いの主張の譲らなさw
楽しい音声解説というよりかは、
珍しく『不愉快』な音声解説といった感じ。
監督のウィーンに対する暴言やその時の撮影に感じた文句等、人を見下している感が強いのがいささか残念であった。
最後の終わり方には、お互いがお互い『僕ならこうする。』といったエンディング構想を披露。
じゃ~この本編のエンディングは何なんだよ‼︎wと突っ込みたくなるくらいだ。
以下『絶賛』。
①18世紀ヨーロッパ貴族衣装を大量作成。当時の世界観を徹底して再現している衣装や舞台には脱帽。
よくもここまでのありとあらゆる衣装を作成したものだ…と思うほど恐ろしいくらい沢山の18世紀貴族の衣装出てきます。カツラもそれ相当数ありw
それだけでも見応えがあります。
②モーツァルトとサリエリが一緒にレクイエムの楽譜を作るシーン。
唯一、少しだけ胸が高鳴った名シーンだが、これもフィクションという点でを知ってしまった今では、ポイントを下げざるを得ない。
③オペラ歌手の声とモーツァルトの音楽を聴きたい方には必見。
聞き応えあります。贅沢な音ばかりなので、サントラは必見だと思います。
最後に…
この語り部がサリエリではなく、実はただの痴呆症全開の妄想ジジイの戯言だったら、ジジイの方が実はモーツァルトを超える?『人生の作詞家』という面白い考察が出来たので、そうして欲しかったw
(映画の主旨が矛盾してしまいますがw)