(英題:Lu over The wall)
感想と「心」の考察その2。
・キャッチコピー「#君の好きは僕を変える。」
その「君」とは一体…
そして裏向き解釈の「ルー」の存在とは一体…
もうお気付きかもしれませんが、キャッチコピーにもその1で語らせてもらった
カイ、ルー、御蔭岩 の関係性から、
この「君」というのもダブルミーニング的な意味合いがあります。
ここで注目すべきは、
「ルーの好きは…」ではなく
「君の好きは…」と示す相手を抽象化しているのがポイントです。
もちろん表向きは「ルー」の事です。説明は不要ですね。
しかし裏向きは、「君」と抽象化してる点から、カイ自身を変えたもう一つの存在…それを考えた結果…
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ルーはルーでも、
「カイの純粋な心自身」です。
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そうです。
ルーは、僕達人間が持つ「純粋な心、真っ直ぐな心」を具現化、神格化した存在というのが僕の解釈です。
言うなれば、作中でもダブルミーニングの意味があった「強情なカイ(貝🐚)」と
その殻が全くないのが「ルー(純粋さ全開のカイ)」の関係性にあるのが裏向き解釈の関係性です。
コンピュータ用語で言わせていただきますと、
社外用パソコン(社内の秘密は見れない、外に出ない。)がカイです。
そして、社内パソコン(秘密がいっぱい。社内情報が全てが詰まってる状態)がルー。
で、その二人の間にはLANケーブルみたいなものが繋がっており、
その二人の繋がりで社内情報が外部に出ないように遮断している(いわゆるファイヤーウォール的な)存在が御蔭岩。
と、行った感じです。
この映画は、まさに湯浅政明監督が述べている通り、
「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか?」というコンセプトを元に作られている。
しかし本作は、子供に見せれる作品というのを全力でベースにしているが故に、
そのコンセプトは「裏向き」側に偏ってしまったのが、イマイチ視聴者に伝わらなかった所だとも感じております。
それでも僕としては、
「純粋な心を好きになれるか。好きなことを周りに声を出して入れるか」という、
「自分と向き合う…心と向き合う映画」として汲み取ることが出来たので、十分成り立っていると思います。
(というか、考察要素が強過ぎて終始ニヤニヤですww)
だからこその「心の映画」というのがご理解いただけたでしょうか。
特にカイとルーのやりとりは、
かなり密接な心との会話(素直になれない心と素直しかない心)をしているので、
機会があれば、一度鑑賞してみてはどうでしょうか。
(…故にこの映画を「ラブストーリー」と一言でくくってるやつは、一体何を観に行ってたんだ!と隣で解説してやりたいぐらいですwww(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
(どうしてルーがあんなに小学年低学年っぽいのか、もっと考えて!って感じです。
ラブストーリーならもっと大人にするってww
ロリコンとのラブストーリーじゃないんだからww ロリコンは#宮崎駿 監督だけで十分ですww))
後は、感想を出来るだけ時系列でだらだらと書いていきます。(`・ω・´)
【出だし、リズミカルなテンポから始まるカイの心の葛藤】
個人的に面白かったのは、再生数とコメント数でした。
再生数2000でも中々なのに、コメント数が20もある。
ニコ動ならまだしもyoutubeでこの再生数に対して、このコメント数は中々の強者と感じました。
勿論、再生数も普通の一般人でなら凄い方なのでは?とも思わせてくれる。
で、その動画のコメントに遊歩と国夫のコメント…
コメントの内容は、いずれもカイがクラスメイトに対して、
『音楽好きで音楽をやってる。』
ということを初めて知った内容ばかり…
この事からカイは、周りに対して自分の好きなことを言えない閉鎖的な人間ということが見て取れます。
「素直になれない心」の持ち主であると。
それを裏付けるかのごとくカイは、ノートPCを叩き割ろうとする様な持ち上げ方をするが、すぐに…冷める。
「冷めている」というのも、この頃のカイの性格を表す上で重要なポイント。
こんなにも冷めている人間の様に見えるが、好きなものは好きであることを表すシーンが2カット目ぐらいに早速出てきます。それは…
【足元家の階段を降りるカイの降り方が一定のリズムを刻んでいる】
早速出てきましたニヤニヤシーンww
多分、大体の他の方は階段を降りることに、何の違和感もなく鑑賞していらっしゃったでしょうが、このシーンをよくよく考えてみると面白いです。
カイが階段を降りる足音が一定のリズムなんですよ。
『カイさん、足元から音楽好きというのが漏れてますぜww 苗字が足元だけにw』
周りにバレるのは嫌だけど、音楽が好きという気持ちは抑えられない青年を早速表しているのは、中々面白い主人公の紹介の仕方だと思います。
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更にこのシーンは、家の外側構図に新鮮さがあって面白さ倍増。
2階建てで二階から一階へ繋がる外階段。その高さが非常に目に付く。
そこを降りるカイ。ちゃんと最初から最後まで、階段を降りるのを描いており、尚且つ途中でカイの姿すら手前の背景で見えなくなる。
この事から、このシーンは監督からの「カイの足取りを観て欲しい、聞いて欲しい。」というアプローチだと僕は受け取りました。
で、その後は学校へ向かう道を歩いているのだが、ここでは絵で町の説明をしている。
港町、若干廃れてる感じ、名物のフカヒレ、町の名前の「日無町」……
ここで一番目につくのが、「白いウニ」。
一際変わったその飾り付けは、下手をすれば子供が怪我をしかねない飾り。
(だからこそ、敢えて高い所に飾られているのも特徴的。)
人魚にとっての弱点の象徴をここで既に見せびらかしている。主人公紹介と世界観のアイテムを順々に作画と音で奏でているのは、少しずつ解明したくなる展開です。
で、その後は遊歩と国夫に声をかけられる。
特にこの辺は普通の展開。
日無町帰ってきた方が可愛いし美人だと思った!(こればかりは、声を大にして言いたい!w)
いい感じに地に足がついてる感が1カットで表現されているのが見事です。
(ここの背景も一瞬なのに、良い放送室感出てます!)
「音楽は、ただの暇つぶしだよ。」と発するカイ。
この言葉が出るまでの『間』もまた絶妙。
素直さと恥ずかしさと夢見過ぎ感という心の気持ちのぶつかり合いがカイの中で激しく衝突しているのが、よく分かります。
もうニヤニヤが止まらないww さっきの階段のシーンを知っているからこそ、
『なんて素直じゃない青年なんだ!(ニヤニヤw)』って感じでしたw
【この世界のリアリティラインを象徴する存在…それは、御蔭岩 さん!】
「人魚島でバンドの練習をしている」
この言葉を聞いた時のカイの驚き方は、此処までの展開に無い、心が一変した様な感情が出ている。
で、振り返ったその先に存在する御蔭岩 !!
皆さんは、どう思ったのだろうか…
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僕は、『かなり高い…現実感あるけど、それでも高い…』
と思いました。
日無町を隠すには、余りにも大き過ぎる存在の様に思えた…
のと反面、
その高さに終わりがあるのが、少々安心しました。(^▽^;)
何故なら湯浅監督は、
天まで聳える壁を平気で描いてしまう様な監督だからですw
だからこの高さは、湯浅監督作品の世界観レベルを定義付けるのに、とても大きな役割を果たしています。
《現実的な高さから後三段くらい高いと感じさせてくれる。》
『リアリティ3割、後は非リアリティ(ぶっ飛び作画)7割で構成して行くんでヨロシク!!』
といったメッセージを受け取ることができました。
教室での進路希望…
「行きたい高校なんてない…」
常に冷めているカイであるが、家に帰ってからの展開もまた面白い。
「足元 海」宛に届けられた手紙。それを手に船屋の2階へと行きます。
(海(カイ)が、プロフィールとかでカタカナ「カイ」で紹介されていることの考察については、また後日ご説明します。)
この家の最大の特徴として、
船屋の2階が、また秘密基地感があって心踊らされます。
また手紙を読まずにとりあえず置いてはいる…
その壁には、父、母、そしてカイが映っている写真が貼られているのが、また心の中をのぞかせてくれている感じで、端にあるけど大切なもの。
と感じさせてくれます。
そして、誰にも邪魔されずに自分のだけの趣味を全開に出来る…そんな居場所。
カイはいつも通り、音楽を打ち込んでゆく……
その時、水面に波紋がいくつも出てくる…
待ちに待ったルーの登場(裏向きの考えでは、自分の素直な心と向き合う時間)かと思いきや…
ルーは人魚島の方へ帰ってしまう…
どうしても気になってしまったカイは、遊歩達とバンドの練習をする名目で、人魚島に行く……
【御蔭岩 の向こう側…それは自分の素直な心と向き合う場所】
ここは、超絶注目ポイントです!!
まず御蔭岩の隙間を通って、眩しい光を超えた時の、3人に注目です。
夕陽が3人を照らしていて、のんびりとした雰囲気が漂う中…
当然ながら夕陽に当たっているので、影が出てきます。
実はキャラクターの「影」は、ここが初だしです!
まだ他にも影が出るシーンがあるのですが、ここの影の演出はまた効果的。
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僕の解釈では、
《「素直な心」と「素直じゃない心」が一緒になった時に…「影」が描かれる。》
という演出が施されていると感じました。
その為、
御蔭岩の向こう側に行くこと自体が、
「自分の素直な心と向き合える場所」というのが、御蔭岩と人魚島の裏向き解釈です。
人魚ランドに到着。
閉園している表ゲートの人魚が、尻尾が2本もあります。
尻尾が2本というと、
映画を観た後だとルーのパパ(以後、ルーパパ)を彷彿させてくれます。
形はだいぶ違いますが、
もしかしたらルーパパは、大昔から伝説の人魚として伝承されてきたのかもしれませんね。地味に人魚って年齢とか考えたことないから、長寿命なのかも…地味に気になります。w
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閉園した中を三人が歩いて行く…
何故かぬるぬる作画w
ステージまでたどり着くと、早速バンドの練習。
ここでは遊歩の歌い方に注目!!
絶妙な下手上手さ!w
をワザと出せているのが、またまた堪らない!
まんま中学生の頃に出せる青春真っ只中の声で歌われるシーンには、聴いている方が若干恥ずかしくなってくるww
(良いぞ!それでこそ湯浅監督だッ!w)
一曲歌い終わった遊歩にすかさずカイは駄目出しwwってのも視聴者の冷めてる感情に対してのフォローとも取れる発言にグッド👍w
で、ここからですよ!
ルーの唄声が聞こえてくる!
スプラトゥーンのシオカラーズを彷彿させるような人語とは思えないその歌い方は、異質極まりないが、何処か身体が乗ってくる。
早速その唄に釣られるように、カイと国夫の体も乗ってくる。
まさに「素直な心」そのものの歌だからである。
カイはルーを発見し、歯車⚙がぶち壊れるwwそして踊り出すww
湯浅監督の視聴者そっちのけ展開キタコレ!!ですよww
しかし、これも解釈次第で納得出来ます。
何故ならルーは、
「素直な心」が具現化した存在であるから、更にカイにとっては、「素直な心」そのもの。
そんなものを人間が観てしまったら、そりゃ頭ぶっ飛びますよww
踊りたくなりますよww
ここで観える、ルーの尻尾から海面までの水で繋がれた糸みたいに観えるのが、またカイ(海)と繋がっているLANケーブルのように観えるのも素敵な演出。
で!ここで堂々のOP!!
子供が好きそうなハチャメチャOPは、流石にちょっと恥ずかしかったですが(^▽^;)、
絵のタッチも変えてきて楽しませてくれます!
<(`・ω・´)/
やっとOPまで来ましたww
まだまだ感想は続きます!