前回のザリガニ釣りの時に 人生で二度 死にかけたことがあると言ったが(ま~結果 傷1つ負ってないのだから大袈裟に言えば……運が悪かったら死んでいたかもしれない程度なのだが💧)
今回の話は その二度目の話だ
前回の池に溺れた時は、まだ物心ついてない幼稚園児だったので……本能的に死んじゃうかもしれない……と感じる程度に対して 今回は22歳の時に起きた出来事だったので…………その恐怖もひとしおだった
僕は大学を卒業後、一年ちょっと某製薬会社で営業をしていた。製薬会社の営業といっても病院周りをするMRと異なり、薬局に自社の商品を売り込むOTC MR(今はコンシュマーヘルスケアというのかな💧)をしており、僕は広島県の一部と山口県の一部を担当していた
ノルマを達成する為に毎月決まったルートを周り 薬局の社長相手に商売していく…………毎月毎月……ただその繰り返しの日々だった。
その日も山口県の周南市(2002年当時は徳山市)から北に車で一時間程 走らせた山奥の集落を周っていた。地名は大向だったか(違ってたらスイマセン💧m(__)m) 集落に1つしか小学校がなく 集落の人達全員が顔見知り……といったような……まるでドラマのトリックに出てきそうな集落だった。部外者の僕がその集落に入ると 結構チラチラ顔を見られる……そんな感じだ
ただ この集落で嫌な思いをしたことは一度もない。強いて言えば……何故か生協で売っている袋入りパンが……臭かった だけだ。「……何故袋越しなのに臭いのだろう💧そして、何故……こんなにも……パンが不味いのだろう💧」当時 その集落にコンビニなどあるはずもなく 車内で空腹を満たす為には そのパンは避けては通れない道だった。そして、この集落で嫌な思いをしたことはないと言ったが…………これから向かう周南市の店 では そうはいかなかった💧
「◯カショー」
その変わった店名の店主は 歴代のうちの営業マンをことごとく嫌っており(例外はスーパーエリート営業マンの一人だけ💧)僕も例外に漏れず嫌われていた💧orz
そこの店には 「午後5時から6時までの一時間の間だけ来ることを許す💢」と言われており、今 僕がいる大向(周南市から車で一時間の山奥)から ◯カショーさんの周南市まで車を飛ばせば一時間もあれば着く…………
ワイ「(…………時刻は4時半か~💧ちょっと時間押したけど……一時間後の5時半に◯カショーさんとこに着いとけば ルール違反に該当せんから逆鱗に触れることもないやろ…………よし行こっ)」
僕はアクセルを踏んで 周南市に向けてハンドルを切った。
これから向かう山道は ほぼ一本道であり(所どころ獣道があるが ほとんど使う人はいない)道路も舗装されてる所もあれば土がむき出しになってるだけの所もあり……当然センターラインなども引かれておらず 対向車が来たらお互い左右に寄ってぶつからないように走らないといけない悪路であった💧
そして左側には90度の山崖がきりたっており、反対側の右側には……ガードレールがなく その何十mか下を川が流れていた
ワイ「(何でこんな危険な所にガードレール設けへんねん💧センターラインもないし意味分からん💧地元の人にとっては普通かもしれへんけど……運転技術がそれほど達者じゃないワイにとっては ここ通る度にビクビクしてしまうわ💧)」
しかもこういう道が大体40分程続くのだ。運転に自信のない者にとっては結構神経が磨耗する道である
僕は元いた集落を出て 左にあるガソリンスタンドを横切っていざその道に入ると…………おかしな光景を目にした…………
この山奥の道には2ヶ月に一度来ているのだが、交通量はさほど多くない。にも関わらず
目の前で渋滞が起こっていたのである…………💧
ワイ「……………………へ?💧(´・ω・`) なんぞ?💧」
僕の前の車が トロトロ走っており…………よく見るとその車のさらに前の車もトロトロ走っていたのである…………前の車のフロントガラス越しに見ると最低でも四台は並んでいた…………
ワイ「ウーーーーン💧今まで 何ヵ月も ここを通ってきたけど こんな悪路で渋滞なんか初めてやわ~💧急に工事をしていても……交通量多くないから 反対車線通ればスムーズにいけるし………………ウーーーーン謎やわ~💧」
僕は暫く そのトロトロ渋滞に付き添って走っていると、前方の道が蛇のように蛇行する箇所があり そこで初めて渋滞の先頭車両を目にすることができた
…………それはトロトロと走る 一台の軽トラ………………だった
しかも その軽トラの兄ちゃん達(明らかに土木か林業関係の人)は談笑して 渋滞してる後ろをチラチラ眺め……助手席の兄ちゃんはダッシュボードに足を乗っけている余裕ぶり…………💧
明らかに軽トラが故障して スピードを出せなくなったわけではなく 故意にスピードを緩め自分達で渋滞を作り出し楽しんでいる様子だった…………
ワイ「何しとんじゃーーーーーーこの兄ちゃん達は💢💧こんなスピードで40分も走ってたら ◯カショーさんの店に着く時は6時を大幅にまわってしまうやろがー💢💧そしたらワイ ◯カショーさんにキレられるやろがー あんたらのその訳分からん遊びのせいでハァ ハァ💧 」
蛇行した道で先頭車両が見えた時に 他の車たちも見えたのだが
先頭車両が軽トラでその後ろに六台程 車が並んでいて…………僕の車……というような構成だった
「合計7台……💧ハァハァ💧合計7台もワイの前を塞いどる…………◯カショーさんへの道を塞いどる💧ど……どうしよう?💧」
2ヶ月に一度しか通ってないが それでも分かる。ここを通る車は ほとんど 周南市に通じる出口(ワイと同じ)しか走らず 時折ある獣道に入る車など見たことがなかった。この軽トラもこのスピードのまま そこまで走るのだろう。通常のスピードで走れば40分ですむところを…………クソッ……ニヤニヤしてるところを見ればスピードを上げる気なんかさらさらないんやろな~💧
ハァーどーしようかな~💧ハッ……………………
…………
……
そういえば この先に500mぐらい直線が続く道があったはずだ💧…………いくら悪路とはいえ…………こっちは日産サニー
「(笑)対向車が来てなかったら 反対車線に出て7台まるごと抜いて 軽トラの前に出たらいいやん~(笑)そしたら ◯カショーさんにも怒られへんし 全てが丸く収まる」
高校の日誌の件でも そうだが…………僕はいつも 他の人が気にしない小さなどうでもいい所で慎重に慎重を期して 神経が磨耗して…………逆に他の人が慎重を期す肝心な時に「ええーーーい いったれーーーーーーーー( ̄∇ ̄)ノ」精神が出てしまう悪癖があるようだ💧orz
そして…………そういう時に下した決断は決まって誤ったものである
500mの直線にさしかかって 暫く前の車たちを伺っていると 誰も反対車線に出て追い越す気配がなかった為……僕は恐る恐る反対車線に出ると
ラッキーなことに対向車は来ていなかった。500m先まで道路しか見えず 左側には7台のトロトロ車の渋滞(80m近くの長蛇)と右側にはガードレール無しの川が流れていた。
僕はおもいっーーーーきりアクセルを吹かして渋滞を追い越しにかかった。
左のサイドミラーを見てると 一台…………また一台……と後方に流れていく。順調そのものだ。そりゃトロトロ走ってる車と この日産サニーの馬力では比べものにならないだろう。一台……また一台とサイドミラーに映り……ついに軽トラの後ろにいた2台目の車までサイドミラーの後方へと流れていった……
ワイ「………………あとは軽トラだけか~(笑)我ながらさえとる(笑)そーなんや500mもあるんやから……ちょっと80mの長蛇とはいえ トロトロ集団なんやから余裕で追い越せ…………………………ん?」
………………オカシイ………………
前から2台目の車が左のサイドミラーに映ってから
大分たつのだが……………………肝心の軽トラが一向にサイドミラーに映ってこない…………何で映らない?と
ふいに左を直視すると
軽トラが僕の車と同じ速度で並走していた…………
ワイ「……やっぱり速く走れるやんけ~ 走れるんやったら 最初から走っといてくれよな~」
悪路にも関わらず 猛スピードで並走する2台の車のエンジン音により分からなかったが…………明らかに軽トラの運転手の兄ちゃんはキレていた。
こっちの方を見て 何を言ってるのか全く聞き取れないが怒鳴りちらしているのだけは分かった
ワイ「……この兄ちゃん キレとるがな。ま~こんな道で追い越しかける僕も僕やけど トロトロ走るあんたもあんたやで」
と顔を左の軽トラから前に戻すと………………前方に一台の対向車が見えた…………
とはいってもまだ400m先ぐらいで この時の僕はまだ焦ってもいなかった
ワイ「ウワー ダリィー💧前から対向車来るし…………左には(左の方をちらっと見て)この軽トラがずっとひっついてるし……ハァーヤレヤレ┐(-。-;)┌ 」
で顔を前に戻すと………………対向車が僕が想像していた以上に何倍も近づいていて 体中の毛穴から汗が吹き出し鼓動が早鐘を打ち出した ドッドッドッドッドッ
ワイ「(なっ…………なんで…………なんでもうそんなとこまで?💧ちょっと顔を左にしてた間に80mぐらい進んだんちゃん?💧なんで?💧なんでや💧なんかあの対向車普通に走ってるっていうより 氷の上をなめらかに滑りながら走ってこっちに近づいてきてるような💧なんでや💧)」
僕は自分のダッシュボードを見たら………………僕の車もそっち方向に猛スピードで走っていた…………💧
ワイ「ワイの車もそっちに走ってたからかーーーーーー💧(T_T) 普段の道路やと対向車を見ても斜めに見るぐらいやからな~こうやって同じ車線で、真正面から見ると…………違う💧全然違うやんけめちゃ怖い💧……てかヤバい💧この感じは…………池に落ちた あの時と同じで 選択を誤ったら死ぬ……それぐらい危険な状況にいる(泣)」
左は軽トラがマンツーマンで僕にぴったりつき、前には対向車が(まだ数100mあるけど)猛スピードで近づいてきてて 左の軽トラの後ろには6台が通常のスピードで走っていて それぞれ車間距離をあけていて100m以上の長蛇になっており、右側にはガードレールもなく崖下に川が流れている…………
……………………万事休す……………………
逃げれる所が無い!💧そう気づいた時…………漫画のように世界が白黒反転して まるでスローモーションの世界のようになった…………
「はい今から15秒か16秒後かに前方の車と正面衝突します。それが嫌でしたら それを回避する為の行動を1つ選択して それに自分の命を賭けて下さい」
神様か死神か分からないが恐ろしい程 事務的な口調でそう言われてるような気がした。世界が白黒反転してスローモーションの世界で…………
ただ声など何もしていない。自分の心の中で聞こえている…………いや作り出しただけだろう
前の車とぶつかるまでには多分それぐらいの時間的猶予しかないだろう……だから 取れる行動は1つだけだ。池に落ちた幼稚園児の時と違い…………誰かに助けてもらうのをまってる猶予も選択肢もない。
自分から能動的に行動を選び それに全てを……命を賭けるしかないのだ。だから……それを一瞬でも早く自分自身に分からせる為に……そういう声となったのだろう……
「泣いても喚いても無駄です。貴方が助かる選択肢は たった1つだけ。それに自分の命を賭けて行動して下さい。自分の命を賭けるのが怖くてびびっていたら正面衝突して死ぬだけ。間違った選択肢を貴方がチョイスしても貴方は ただ死ぬだけ。生き残る方法は たった1つだけです…………正しい1つだけの選択肢を選んで それに自分の命を賭けて行動して下さい(笑)」
他人事のように流れるその音声を白黒の世界で聞きつつ理解しつつも…………どうしても1つの行動に自分の命を賭けるということができなかった。というより純粋に怖かった。
理屈では分かっている。このまま何もしなかったら正面衝突して終わりだろう。しかし……自分の命を賭けるというのは…………カイジとか漫画ではよくあるが…………実際にその場面に直面したら 全力で全細胞が拒否してしまうのだ。まるで 同じ極同士の磁石が反発するかのように………………「それだけは…………それだけは嫌です💧他のことならなんでもしますから……命を賭けることだけは…………💧」
それぐらい怖かった。例え99%この選択肢が正しいと思えても それに自分の命を、賭けるというのは…………恐怖でしかない 全力で抗い……そして逃げたかった💧しかし僕は車を運転していた為 この車を放って逃げることなどできないし 僕の車が止まる前に正面衝突する可能性が高いだろう
その時、僕の目の前(瞼の裏)に カードが二枚現れた。まるでトランプみたいなそのカードには それぞれ
「ブレーキを踏む」
「アクセルを踏む」
となんとなーく透明みたいな文字で書かれていた。おそらく この危機的状況の中 パニックになり 頭を働かせられない僕に変わって 脳が代わりに 選択肢を絞って提示してくれたのだろう💧
車に乗ってるのだから そりゃ冷静に考えたら選択肢はこの二つだ
しかし……提示された僕から すると
「…………へ?💧(´・ω・`)」
て感じで意味が分からなかった。そりゃ カードの字は読める…………でもシュミレーションしてみないと それが意図することが分からなかった(ワイの頭では💧)
ワイはまず「ブレーキを踏む」というカードを選びシュミレーションしてみた(こういう所で保守的で守りの性格が出ている💧)
「…………ハァ ハァ…………ブレーキを踏んだら どーなる?💧車は減速する…………減速して後ろに行く…………後ろに行ったら? 軽トラと2台目の間のスペースがある!そこかっ?そこに滑り込むのか?‼️」
…………いや待て。確かに軽トラは僕と並走していて 2台目とは大分(20mか15mぐらい)車間距離空いてるが…………そんなにうまくいくだろうか?💧そんなカースタントマンみたいなことが💧僕はブレーキを踏んで左に車線変更した後 アクセルを踏んでも 実際車が前進するまでにタイムラグが発生するはずだ💧しかし2台目はずっとアクセルを踏んだままだと 2台目にオカマを掘られ 僕たち2台は右の川に落ちてしまう可能性が高い💧
こんな狭い悪路での事故は即 死(右の川)に直結するし そーなると僕は殺人者になってしまう💧(T_T) それだけはダメだ。自分の命も守り、そして相手を死なせない選択肢を選らばねば💧
「じゃーどうする?💧もっとブレーキを踏んで減速するのか?💧2台目よりもっと後ろ…………最後尾まで💧…………いやもうトロトロ走ってた時と違い今は皆通常に近いスピードで走行してる上に車間距離も各自それぞれとっている💧最後尾までいくとなると100m近くあるし それまでに前の対向車と正面衝突するんじゃ?💧
…………それに………………それにだ💧僕が追い越しかけた時に横の軽トラはスピードをあげた。もし僕がブレーキを踏んで その後に軽トラがブレーキを踏んだら…………後ろの六台もそれぞれブレーキを踏み最後尾はさらに遠退く!その時に次の行動を選択しようとしても もう目の前に対向車が来て終わりだっ!いやだっ……他人(軽トラ)の行動1つで自分の命が左右させられるのはっ…………それだけは我慢ならんっ」
その瞬間 僕はおもいっーーーーきりアクセルを踏んでいた。(多分 白黒反転して死の実感を感じてから ここまで6秒もかかってないと思う💧スローモーションの世界💧)
この時には もう1つのカード「アクセルを踏む」の方は大体分かってたので。こちらの方は簡単だ。僕がアクセルを踏む…………すると横の軽トラも恐らくアクセルをふんでついてくるだろう。しかし最初に踏んだ僕の分だけ分があり 前の対向車とぶつかる直前に左に車線変更して…………一件落着……というわけだ。
僕は悪路で日産サニーのアクセルを底に着くまで踏み倒した。次の瞬間 案の定 横の軽トラもアクセルを踏んで僕に並走しようとしていた。
ワイ「ッザケヤガッテーーーーーこの軽トラ野郎!!💢ウオーーーー頑張れ日産!サニーの底力見せてやれー💢」
悪路の為かどれだけアクセルを踏んでも83kmを越えられなかった。ただ軽トラも僕が最初にアクセルを踏んでワンテンポ遅れてからアクセル全快にした為 お互いの距離は一定のまま ずっと続いていた。
左のミラーで見ると 明らかに軽トラの前部が映りこんでいて 後ろを振り向き直視しても…………うーんサニーの後部と軽トラの間に30cm隙間あるかどうか💧いや……対角線上に見てるから もしかしたら その隙間自体もないのかも💧
僕はそれでもアクセルを踏み続けたが、もう底に着いてる為 それ以上のスピードアップは望めそうになかった。バックミラーで軽トラを見ると
軽トラの運転手が何か叫んでキレてるのが分かった
ワイ「…………いやキレたいのはワイの方やがなーーーー💢💧状況分かってんのかーこの軽トラ野郎!お前がアクセル2~3秒緩めるだけで助かる命があんねんぞ!」
前方を見ると対向車がかなり近づいていた。
ワイ「ウオーーーーーーーーー💧くそ 死んでたまるかーーーーーー💧こんな…………こんなバカなことでーーーーーー 」
人間 限界が近づくとリミッターが外れると良くTVで言っていたが あれは本当だった💧何も両腕に力を入れていないのに……勝手に力が溢れてくるで……筋肉が隆起するというよりも腕の下にアドレナリンや他のホルモンや血流が異常に流れこんできて力が生み出されているような感覚だった💧でも運転でハンドル握るだけなので 力など不要なので 溢れてくる力を抑えるのに力を使うという妙な構図だった💧
そうこうしているうちに前方の車との距離は およそ100mをきった。僕は左のサイドミラーを見て 次に後ろを直視して 隙間があるか……そして顔を前に戻し前方の車との距離を確かめた。これを何度も何度も繰り返したが……軽トラとの距離はひろがらなかった。30cm……明らかに教習所では車線変更してはいけない距離だろう💧しかし……こちらも命がかかってるのだ…………
前方の車が氷上を滑るように近づいてきた
ワイ「💧今まばたきをするっ。もう一回。💧…………まだできるもう一回!……もう一度💧」
普段からまばたきが多かったので いざ左にハンドルきる時 まばたきしたくなって そのせいでワンテンポ遅れて衝突してはいけないので事前にできらことやリスクは減らした。
80m
60m
50m
「ハンドルは左に少しだけきってすぐもどすっ。スピード出てるからほんの少しだけでいいねんでっ💧」
40m
「もう一回まばたきっ。もう一回……………」
30m
「最後にもう一回……」
僕はハンドルを左に少しきりすぐ戻した。
バックミラーで見ると僕の車の真後ろに軽トラがいた。
「ぶつかって………………ないよな?💧ハァハァ💧ぶつかってたら音も衝撃もするしな」
対向車を避ける為に僕が左にハンドルをきった時…………おそらく対向車と僕の車の距離は……学校のプール25m程はあっただろう。それでハンドルをきるのはビビりと思われるかもしれないが こちらは時速83kmで向こうも 通常の走行スピードが出ていた。
それが限界だった…………あと0,何秒……いや1秒遅れていたら正面衝突していただろう💧
僕は 「アクセルを踏む」という選択肢に自分の命を賭けて………………無事 生き抜いたのだ。
自業自得だが…………orz
助かったーーーーーー💧と余韻に浸っていたら
真後ろの軽トラ野郎が「ブーーーーーーーーーーーーッ」と永遠とクラクションを鳴らし続けてきた
バックミラーで確認すると 相も変わらず運転手の兄ちゃんが何か叫んでキレていた
ワイ「ハァ💧折角 命助かったんやから ちょっと……そっとしといてよ~もう💧」
僕はクラクションを無視して一分程走ったが それでもクラクションの雨はやまなかった。
ワイ「……ていうか さっきの回避劇で まだ心臓バクバクしてんのに……その上こんなクラクション鳴らされまくって…………いや冷静に運転しにくいわ💧こんなんで事故ったら さっきの助かったのが意味ないやんけよ~💧もう軽トラ兄ちゃんまだキレてはるし~ハァー この先に獣道あるから そっちに曲がるか~💧多分着いてくると思うけど……最悪シバかれても正面衝突で死なんかったんやから よしとしよう」
僕はウインカーを右に出し、数十メートル先の獣道 にはいっていき奥の方で止まった。
それからバックミラー越しに見ていると軽トラも ゆっくりと同じ獣道に入ってきて、僕の車から10m離れた所で停車した。そして軽トラから二人降りてきて自分たちの車の所で立ち止まっていた
ハァー
僕は運転席を降り その場で頭を下げて「…………どうもすいませんでした💧…………」と言うと
軽トラの運転手の兄ちゃんが大声で「お前 頭おかしいんかーーーーーーー💢こんな道で追い越しかけるなんてーーーーーーー💢」
って言ってる後ろを…………一台…………また一台…………と僕が追い越した車たちが通常のスピードで駆け抜けていった
ワイ「意味ないやんけーーーーーーーーーーーーーー💧( ̄∇ ̄)ノ 死ぬ思いまでして7台追い越したのに…………先頭の軽トラと最後尾の馬鹿がこの獣道に入ってくれて……彼らからしたら何のリスクも負わず漁夫の利を得た感じで 普通に走れる道路になったわけだ💧ハハッ💧」
僕が気持ちよく走ってる車たちを眺めてる間も 軽トラの運転手はキレていた。だが大声と早口で何を言ってるのか分からなかった💧この後シバかれるんかなーと思ったが……助手席の兄ちゃんが「もういいやん、こんな奴ほっとこう」的な感じで運転手の兄ちゃんをなだめながら抑えてくれてた……
助手席の兄ちゃん…………グッジョブよ~(T_T)
これは多分 僕の推測やけど、僕の車 社用車で後部座席に社名と薬が入った段ボール箱が数箱あって 僕もスーツ姿やったから
(こいつシバくのは簡単やけど……その後……なんか ややこしい感じになりそうやな💧もうそれやったら こんなアホほっといたほうが、いいわ)的な感じで宥めてくれたのではなかろうか
ま~真相は知らないが助手席の兄ちゃんが宥めてくれたおかげで運転手の兄ちゃんも落ち着いて 何やら暴言吐きながら例の軽トラで元の道に戻っていった。僕も◯カショーさんの時間に遅れたらあかんから急いで車に乗ろうとしたけど…………
「………………今 車乗って もし仮にさっきの軽トラの後ろに追いついちゃったら…………なんか煽ってると勘違いされて 今度こそシバかれそうやな~💧うーんちょっとまったくか💧 」
僕は 何もすることなくただ車の横でたちすくし2分程時間が過ぎるのを待った。時計を見ようと左手を上げると手が震えていた。……これはさっきの衝突劇の恐怖なのか それとも 軽トラの運転手による恐怖なのか…………僕には分からなかったし どうでも良かった。
2分後…………僕は車に乗り 渋滞も軽トラもクラクションもない道を周南市へ向けて走った。
あれだけのことがあったにも関わらず◯カショーさんへは6時前までには到着した
ワイ「………………フッ」
◯カショーさんは 相変わらず……不機嫌だった…………………………┐(-。-;)┌
今回の話は その二度目の話だ
前回の池に溺れた時は、まだ物心ついてない幼稚園児だったので……本能的に死んじゃうかもしれない……と感じる程度に対して 今回は22歳の時に起きた出来事だったので…………その恐怖もひとしおだった
僕は大学を卒業後、一年ちょっと某製薬会社で営業をしていた。製薬会社の営業といっても病院周りをするMRと異なり、薬局に自社の商品を売り込むOTC MR(今はコンシュマーヘルスケアというのかな💧)をしており、僕は広島県の一部と山口県の一部を担当していた
ノルマを達成する為に毎月決まったルートを周り 薬局の社長相手に商売していく…………毎月毎月……ただその繰り返しの日々だった。
その日も山口県の周南市(2002年当時は徳山市)から北に車で一時間程 走らせた山奥の集落を周っていた。地名は大向だったか(違ってたらスイマセン💧m(__)m) 集落に1つしか小学校がなく 集落の人達全員が顔見知り……といったような……まるでドラマのトリックに出てきそうな集落だった。部外者の僕がその集落に入ると 結構チラチラ顔を見られる……そんな感じだ
ただ この集落で嫌な思いをしたことは一度もない。強いて言えば……何故か生協で売っている袋入りパンが……臭かった だけだ。「……何故袋越しなのに臭いのだろう💧そして、何故……こんなにも……パンが不味いのだろう💧」当時 その集落にコンビニなどあるはずもなく 車内で空腹を満たす為には そのパンは避けては通れない道だった。そして、この集落で嫌な思いをしたことはないと言ったが…………これから向かう周南市の店 では そうはいかなかった💧
「◯カショー」
その変わった店名の店主は 歴代のうちの営業マンをことごとく嫌っており(例外はスーパーエリート営業マンの一人だけ💧)僕も例外に漏れず嫌われていた💧orz
そこの店には 「午後5時から6時までの一時間の間だけ来ることを許す💢」と言われており、今 僕がいる大向(周南市から車で一時間の山奥)から ◯カショーさんの周南市まで車を飛ばせば一時間もあれば着く…………
ワイ「(…………時刻は4時半か~💧ちょっと時間押したけど……一時間後の5時半に◯カショーさんとこに着いとけば ルール違反に該当せんから逆鱗に触れることもないやろ…………よし行こっ)」
僕はアクセルを踏んで 周南市に向けてハンドルを切った。
これから向かう山道は ほぼ一本道であり(所どころ獣道があるが ほとんど使う人はいない)道路も舗装されてる所もあれば土がむき出しになってるだけの所もあり……当然センターラインなども引かれておらず 対向車が来たらお互い左右に寄ってぶつからないように走らないといけない悪路であった💧
そして左側には90度の山崖がきりたっており、反対側の右側には……ガードレールがなく その何十mか下を川が流れていた
ワイ「(何でこんな危険な所にガードレール設けへんねん💧センターラインもないし意味分からん💧地元の人にとっては普通かもしれへんけど……運転技術がそれほど達者じゃないワイにとっては ここ通る度にビクビクしてしまうわ💧)」
しかもこういう道が大体40分程続くのだ。運転に自信のない者にとっては結構神経が磨耗する道である
僕は元いた集落を出て 左にあるガソリンスタンドを横切っていざその道に入ると…………おかしな光景を目にした…………
この山奥の道には2ヶ月に一度来ているのだが、交通量はさほど多くない。にも関わらず
目の前で渋滞が起こっていたのである…………💧
ワイ「……………………へ?💧(´・ω・`) なんぞ?💧」
僕の前の車が トロトロ走っており…………よく見るとその車のさらに前の車もトロトロ走っていたのである…………前の車のフロントガラス越しに見ると最低でも四台は並んでいた…………
ワイ「ウーーーーン💧今まで 何ヵ月も ここを通ってきたけど こんな悪路で渋滞なんか初めてやわ~💧急に工事をしていても……交通量多くないから 反対車線通ればスムーズにいけるし………………ウーーーーン謎やわ~💧」
僕は暫く そのトロトロ渋滞に付き添って走っていると、前方の道が蛇のように蛇行する箇所があり そこで初めて渋滞の先頭車両を目にすることができた
…………それはトロトロと走る 一台の軽トラ………………だった
しかも その軽トラの兄ちゃん達(明らかに土木か林業関係の人)は談笑して 渋滞してる後ろをチラチラ眺め……助手席の兄ちゃんはダッシュボードに足を乗っけている余裕ぶり…………💧
明らかに軽トラが故障して スピードを出せなくなったわけではなく 故意にスピードを緩め自分達で渋滞を作り出し楽しんでいる様子だった…………
ワイ「何しとんじゃーーーーーーこの兄ちゃん達は💢💧こんなスピードで40分も走ってたら ◯カショーさんの店に着く時は6時を大幅にまわってしまうやろがー💢💧そしたらワイ ◯カショーさんにキレられるやろがー あんたらのその訳分からん遊びのせいでハァ ハァ💧 」
蛇行した道で先頭車両が見えた時に 他の車たちも見えたのだが
先頭車両が軽トラでその後ろに六台程 車が並んでいて…………僕の車……というような構成だった
「合計7台……💧ハァハァ💧合計7台もワイの前を塞いどる…………◯カショーさんへの道を塞いどる💧ど……どうしよう?💧」
2ヶ月に一度しか通ってないが それでも分かる。ここを通る車は ほとんど 周南市に通じる出口(ワイと同じ)しか走らず 時折ある獣道に入る車など見たことがなかった。この軽トラもこのスピードのまま そこまで走るのだろう。通常のスピードで走れば40分ですむところを…………クソッ……ニヤニヤしてるところを見ればスピードを上げる気なんかさらさらないんやろな~💧
ハァーどーしようかな~💧ハッ……………………
…………
……
そういえば この先に500mぐらい直線が続く道があったはずだ💧…………いくら悪路とはいえ…………こっちは日産サニー
「(笑)対向車が来てなかったら 反対車線に出て7台まるごと抜いて 軽トラの前に出たらいいやん~(笑)そしたら ◯カショーさんにも怒られへんし 全てが丸く収まる」
高校の日誌の件でも そうだが…………僕はいつも 他の人が気にしない小さなどうでもいい所で慎重に慎重を期して 神経が磨耗して…………逆に他の人が慎重を期す肝心な時に「ええーーーい いったれーーーーーーーー( ̄∇ ̄)ノ」精神が出てしまう悪癖があるようだ💧orz
そして…………そういう時に下した決断は決まって誤ったものである
500mの直線にさしかかって 暫く前の車たちを伺っていると 誰も反対車線に出て追い越す気配がなかった為……僕は恐る恐る反対車線に出ると
ラッキーなことに対向車は来ていなかった。500m先まで道路しか見えず 左側には7台のトロトロ車の渋滞(80m近くの長蛇)と右側にはガードレール無しの川が流れていた。
僕はおもいっーーーーきりアクセルを吹かして渋滞を追い越しにかかった。
左のサイドミラーを見てると 一台…………また一台……と後方に流れていく。順調そのものだ。そりゃトロトロ走ってる車と この日産サニーの馬力では比べものにならないだろう。一台……また一台とサイドミラーに映り……ついに軽トラの後ろにいた2台目の車までサイドミラーの後方へと流れていった……
ワイ「………………あとは軽トラだけか~(笑)我ながらさえとる(笑)そーなんや500mもあるんやから……ちょっと80mの長蛇とはいえ トロトロ集団なんやから余裕で追い越せ…………………………ん?」
………………オカシイ………………
前から2台目の車が左のサイドミラーに映ってから
大分たつのだが……………………肝心の軽トラが一向にサイドミラーに映ってこない…………何で映らない?と
ふいに左を直視すると
軽トラが僕の車と同じ速度で並走していた…………
ワイ「……やっぱり速く走れるやんけ~ 走れるんやったら 最初から走っといてくれよな~」
悪路にも関わらず 猛スピードで並走する2台の車のエンジン音により分からなかったが…………明らかに軽トラの運転手の兄ちゃんはキレていた。
こっちの方を見て 何を言ってるのか全く聞き取れないが怒鳴りちらしているのだけは分かった
ワイ「……この兄ちゃん キレとるがな。ま~こんな道で追い越しかける僕も僕やけど トロトロ走るあんたもあんたやで」
と顔を左の軽トラから前に戻すと………………前方に一台の対向車が見えた…………
とはいってもまだ400m先ぐらいで この時の僕はまだ焦ってもいなかった
ワイ「ウワー ダリィー💧前から対向車来るし…………左には(左の方をちらっと見て)この軽トラがずっとひっついてるし……ハァーヤレヤレ┐(-。-;)┌ 」
で顔を前に戻すと………………対向車が僕が想像していた以上に何倍も近づいていて 体中の毛穴から汗が吹き出し鼓動が早鐘を打ち出した ドッドッドッドッドッ
ワイ「(なっ…………なんで…………なんでもうそんなとこまで?💧ちょっと顔を左にしてた間に80mぐらい進んだんちゃん?💧なんで?💧なんでや💧なんかあの対向車普通に走ってるっていうより 氷の上をなめらかに滑りながら走ってこっちに近づいてきてるような💧なんでや💧)」
僕は自分のダッシュボードを見たら………………僕の車もそっち方向に猛スピードで走っていた…………💧
ワイ「ワイの車もそっちに走ってたからかーーーーーー💧(T_T) 普段の道路やと対向車を見ても斜めに見るぐらいやからな~こうやって同じ車線で、真正面から見ると…………違う💧全然違うやんけめちゃ怖い💧……てかヤバい💧この感じは…………池に落ちた あの時と同じで 選択を誤ったら死ぬ……それぐらい危険な状況にいる(泣)」
左は軽トラがマンツーマンで僕にぴったりつき、前には対向車が(まだ数100mあるけど)猛スピードで近づいてきてて 左の軽トラの後ろには6台が通常のスピードで走っていて それぞれ車間距離をあけていて100m以上の長蛇になっており、右側にはガードレールもなく崖下に川が流れている…………
……………………万事休す……………………
逃げれる所が無い!💧そう気づいた時…………漫画のように世界が白黒反転して まるでスローモーションの世界のようになった…………
「はい今から15秒か16秒後かに前方の車と正面衝突します。それが嫌でしたら それを回避する為の行動を1つ選択して それに自分の命を賭けて下さい」
神様か死神か分からないが恐ろしい程 事務的な口調でそう言われてるような気がした。世界が白黒反転してスローモーションの世界で…………
ただ声など何もしていない。自分の心の中で聞こえている…………いや作り出しただけだろう
前の車とぶつかるまでには多分それぐらいの時間的猶予しかないだろう……だから 取れる行動は1つだけだ。池に落ちた幼稚園児の時と違い…………誰かに助けてもらうのをまってる猶予も選択肢もない。
自分から能動的に行動を選び それに全てを……命を賭けるしかないのだ。だから……それを一瞬でも早く自分自身に分からせる為に……そういう声となったのだろう……
「泣いても喚いても無駄です。貴方が助かる選択肢は たった1つだけ。それに自分の命を賭けて行動して下さい。自分の命を賭けるのが怖くてびびっていたら正面衝突して死ぬだけ。間違った選択肢を貴方がチョイスしても貴方は ただ死ぬだけ。生き残る方法は たった1つだけです…………正しい1つだけの選択肢を選んで それに自分の命を賭けて行動して下さい(笑)」
他人事のように流れるその音声を白黒の世界で聞きつつ理解しつつも…………どうしても1つの行動に自分の命を賭けるということができなかった。というより純粋に怖かった。
理屈では分かっている。このまま何もしなかったら正面衝突して終わりだろう。しかし……自分の命を賭けるというのは…………カイジとか漫画ではよくあるが…………実際にその場面に直面したら 全力で全細胞が拒否してしまうのだ。まるで 同じ極同士の磁石が反発するかのように………………「それだけは…………それだけは嫌です💧他のことならなんでもしますから……命を賭けることだけは…………💧」
それぐらい怖かった。例え99%この選択肢が正しいと思えても それに自分の命を、賭けるというのは…………恐怖でしかない 全力で抗い……そして逃げたかった💧しかし僕は車を運転していた為 この車を放って逃げることなどできないし 僕の車が止まる前に正面衝突する可能性が高いだろう
その時、僕の目の前(瞼の裏)に カードが二枚現れた。まるでトランプみたいなそのカードには それぞれ
「ブレーキを踏む」
「アクセルを踏む」
となんとなーく透明みたいな文字で書かれていた。おそらく この危機的状況の中 パニックになり 頭を働かせられない僕に変わって 脳が代わりに 選択肢を絞って提示してくれたのだろう💧
車に乗ってるのだから そりゃ冷静に考えたら選択肢はこの二つだ
しかし……提示された僕から すると
「…………へ?💧(´・ω・`)」
て感じで意味が分からなかった。そりゃ カードの字は読める…………でもシュミレーションしてみないと それが意図することが分からなかった(ワイの頭では💧)
ワイはまず「ブレーキを踏む」というカードを選びシュミレーションしてみた(こういう所で保守的で守りの性格が出ている💧)
「…………ハァ ハァ…………ブレーキを踏んだら どーなる?💧車は減速する…………減速して後ろに行く…………後ろに行ったら? 軽トラと2台目の間のスペースがある!そこかっ?そこに滑り込むのか?‼️」
…………いや待て。確かに軽トラは僕と並走していて 2台目とは大分(20mか15mぐらい)車間距離空いてるが…………そんなにうまくいくだろうか?💧そんなカースタントマンみたいなことが💧僕はブレーキを踏んで左に車線変更した後 アクセルを踏んでも 実際車が前進するまでにタイムラグが発生するはずだ💧しかし2台目はずっとアクセルを踏んだままだと 2台目にオカマを掘られ 僕たち2台は右の川に落ちてしまう可能性が高い💧
こんな狭い悪路での事故は即 死(右の川)に直結するし そーなると僕は殺人者になってしまう💧(T_T) それだけはダメだ。自分の命も守り、そして相手を死なせない選択肢を選らばねば💧
「じゃーどうする?💧もっとブレーキを踏んで減速するのか?💧2台目よりもっと後ろ…………最後尾まで💧…………いやもうトロトロ走ってた時と違い今は皆通常に近いスピードで走行してる上に車間距離も各自それぞれとっている💧最後尾までいくとなると100m近くあるし それまでに前の対向車と正面衝突するんじゃ?💧
…………それに………………それにだ💧僕が追い越しかけた時に横の軽トラはスピードをあげた。もし僕がブレーキを踏んで その後に軽トラがブレーキを踏んだら…………後ろの六台もそれぞれブレーキを踏み最後尾はさらに遠退く!その時に次の行動を選択しようとしても もう目の前に対向車が来て終わりだっ!いやだっ……他人(軽トラ)の行動1つで自分の命が左右させられるのはっ…………それだけは我慢ならんっ」
その瞬間 僕はおもいっーーーーきりアクセルを踏んでいた。(多分 白黒反転して死の実感を感じてから ここまで6秒もかかってないと思う💧スローモーションの世界💧)
この時には もう1つのカード「アクセルを踏む」の方は大体分かってたので。こちらの方は簡単だ。僕がアクセルを踏む…………すると横の軽トラも恐らくアクセルをふんでついてくるだろう。しかし最初に踏んだ僕の分だけ分があり 前の対向車とぶつかる直前に左に車線変更して…………一件落着……というわけだ。
僕は悪路で日産サニーのアクセルを底に着くまで踏み倒した。次の瞬間 案の定 横の軽トラもアクセルを踏んで僕に並走しようとしていた。
ワイ「ッザケヤガッテーーーーーこの軽トラ野郎!!💢ウオーーーー頑張れ日産!サニーの底力見せてやれー💢」
悪路の為かどれだけアクセルを踏んでも83kmを越えられなかった。ただ軽トラも僕が最初にアクセルを踏んでワンテンポ遅れてからアクセル全快にした為 お互いの距離は一定のまま ずっと続いていた。
左のミラーで見ると 明らかに軽トラの前部が映りこんでいて 後ろを振り向き直視しても…………うーんサニーの後部と軽トラの間に30cm隙間あるかどうか💧いや……対角線上に見てるから もしかしたら その隙間自体もないのかも💧
僕はそれでもアクセルを踏み続けたが、もう底に着いてる為 それ以上のスピードアップは望めそうになかった。バックミラーで軽トラを見ると
軽トラの運転手が何か叫んでキレてるのが分かった
ワイ「…………いやキレたいのはワイの方やがなーーーー💢💧状況分かってんのかーこの軽トラ野郎!お前がアクセル2~3秒緩めるだけで助かる命があんねんぞ!」
前方を見ると対向車がかなり近づいていた。
ワイ「ウオーーーーーーーーー💧くそ 死んでたまるかーーーーーー💧こんな…………こんなバカなことでーーーーーー 」
人間 限界が近づくとリミッターが外れると良くTVで言っていたが あれは本当だった💧何も両腕に力を入れていないのに……勝手に力が溢れてくるで……筋肉が隆起するというよりも腕の下にアドレナリンや他のホルモンや血流が異常に流れこんできて力が生み出されているような感覚だった💧でも運転でハンドル握るだけなので 力など不要なので 溢れてくる力を抑えるのに力を使うという妙な構図だった💧
そうこうしているうちに前方の車との距離は およそ100mをきった。僕は左のサイドミラーを見て 次に後ろを直視して 隙間があるか……そして顔を前に戻し前方の車との距離を確かめた。これを何度も何度も繰り返したが……軽トラとの距離はひろがらなかった。30cm……明らかに教習所では車線変更してはいけない距離だろう💧しかし……こちらも命がかかってるのだ…………
前方の車が氷上を滑るように近づいてきた
ワイ「💧今まばたきをするっ。もう一回。💧…………まだできるもう一回!……もう一度💧」
普段からまばたきが多かったので いざ左にハンドルきる時 まばたきしたくなって そのせいでワンテンポ遅れて衝突してはいけないので事前にできらことやリスクは減らした。
80m
60m
50m
「ハンドルは左に少しだけきってすぐもどすっ。スピード出てるからほんの少しだけでいいねんでっ💧」
40m
「もう一回まばたきっ。もう一回……………」
30m
「最後にもう一回……」
僕はハンドルを左に少しきりすぐ戻した。
バックミラーで見ると僕の車の真後ろに軽トラがいた。
「ぶつかって………………ないよな?💧ハァハァ💧ぶつかってたら音も衝撃もするしな」
対向車を避ける為に僕が左にハンドルをきった時…………おそらく対向車と僕の車の距離は……学校のプール25m程はあっただろう。それでハンドルをきるのはビビりと思われるかもしれないが こちらは時速83kmで向こうも 通常の走行スピードが出ていた。
それが限界だった…………あと0,何秒……いや1秒遅れていたら正面衝突していただろう💧
僕は 「アクセルを踏む」という選択肢に自分の命を賭けて………………無事 生き抜いたのだ。
自業自得だが…………orz
助かったーーーーーー💧と余韻に浸っていたら
真後ろの軽トラ野郎が「ブーーーーーーーーーーーーッ」と永遠とクラクションを鳴らし続けてきた
バックミラーで確認すると 相も変わらず運転手の兄ちゃんが何か叫んでキレていた
ワイ「ハァ💧折角 命助かったんやから ちょっと……そっとしといてよ~もう💧」
僕はクラクションを無視して一分程走ったが それでもクラクションの雨はやまなかった。
ワイ「……ていうか さっきの回避劇で まだ心臓バクバクしてんのに……その上こんなクラクション鳴らされまくって…………いや冷静に運転しにくいわ💧こんなんで事故ったら さっきの助かったのが意味ないやんけよ~💧もう軽トラ兄ちゃんまだキレてはるし~ハァー この先に獣道あるから そっちに曲がるか~💧多分着いてくると思うけど……最悪シバかれても正面衝突で死なんかったんやから よしとしよう」
僕はウインカーを右に出し、数十メートル先の獣道 にはいっていき奥の方で止まった。
それからバックミラー越しに見ていると軽トラも ゆっくりと同じ獣道に入ってきて、僕の車から10m離れた所で停車した。そして軽トラから二人降りてきて自分たちの車の所で立ち止まっていた
ハァー
僕は運転席を降り その場で頭を下げて「…………どうもすいませんでした💧…………」と言うと
軽トラの運転手の兄ちゃんが大声で「お前 頭おかしいんかーーーーーーー💢こんな道で追い越しかけるなんてーーーーーーー💢」
って言ってる後ろを…………一台…………また一台…………と僕が追い越した車たちが通常のスピードで駆け抜けていった
ワイ「意味ないやんけーーーーーーーーーーーーーー💧( ̄∇ ̄)ノ 死ぬ思いまでして7台追い越したのに…………先頭の軽トラと最後尾の馬鹿がこの獣道に入ってくれて……彼らからしたら何のリスクも負わず漁夫の利を得た感じで 普通に走れる道路になったわけだ💧ハハッ💧」
僕が気持ちよく走ってる車たちを眺めてる間も 軽トラの運転手はキレていた。だが大声と早口で何を言ってるのか分からなかった💧この後シバかれるんかなーと思ったが……助手席の兄ちゃんが「もういいやん、こんな奴ほっとこう」的な感じで運転手の兄ちゃんをなだめながら抑えてくれてた……
助手席の兄ちゃん…………グッジョブよ~(T_T)
これは多分 僕の推測やけど、僕の車 社用車で後部座席に社名と薬が入った段ボール箱が数箱あって 僕もスーツ姿やったから
(こいつシバくのは簡単やけど……その後……なんか ややこしい感じになりそうやな💧もうそれやったら こんなアホほっといたほうが、いいわ)的な感じで宥めてくれたのではなかろうか
ま~真相は知らないが助手席の兄ちゃんが宥めてくれたおかげで運転手の兄ちゃんも落ち着いて 何やら暴言吐きながら例の軽トラで元の道に戻っていった。僕も◯カショーさんの時間に遅れたらあかんから急いで車に乗ろうとしたけど…………
「………………今 車乗って もし仮にさっきの軽トラの後ろに追いついちゃったら…………なんか煽ってると勘違いされて 今度こそシバかれそうやな~💧うーんちょっとまったくか💧 」
僕は 何もすることなくただ車の横でたちすくし2分程時間が過ぎるのを待った。時計を見ようと左手を上げると手が震えていた。……これはさっきの衝突劇の恐怖なのか それとも 軽トラの運転手による恐怖なのか…………僕には分からなかったし どうでも良かった。
2分後…………僕は車に乗り 渋滞も軽トラもクラクションもない道を周南市へ向けて走った。
あれだけのことがあったにも関わらず◯カショーさんへは6時前までには到着した
ワイ「………………フッ」
◯カショーさんは 相変わらず……不機嫌だった…………………………┐(-。-;)┌