今回は、『スティーブ・ジョブズ』です。マイケル・ファスベンダー主演、ダニー・ボイル監督。
スティーブ・ジョブズとは一体どんな人間だったのか。Appleの代名詞となるほどの功績を残す一方で、必ずしも順風満帆ではなかった人生を舞台の裏側から描く。
面白い。僕はこの作品好きです。言いたいことが、一つずつ片付けていきます。
まず、俳優陣。マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、マイケル・スタールバーグ、この4人は全員素晴らしかった。ファスベンダーは、言葉には表れない繊細さが演技でよく醸し出されていてよかった。ケイトの「仕事妻」っぷりがすごくよく出てた、上手い。セスはコメディアンのイメージしかなかったのが、今回の演技で見方が変わった。柔和で人情思いな人柄がよく出てた。スタールバーグのオタクっぽいエンジニア感がいいなぁ。
そして、脚本。『ソーシャルネットワーク』のアーロン・ソーキン。冒頭からジョブズの周りの人間の名前がいっぱいでてきて、正直予備知識がなかった僕には少し辛かった。しかも、それを前提にベラベラと人が話しまくる。でも、それが心地よかった。言葉のリズム感。『ソーシャル』でもそうだったけど、本当に気持ちいい。映画の最後まで貫かれていて、エンドロールが流れる頃には1曲のラップを聞いたような気分になった。
そして、音楽。パンフレットの中川五郎氏のレビューに、アイザックソンの伝記の中のジョブズの言葉が紹介されています。「前に進もうとし続けなければイノベーションは生まれない。ディランはプロテスト・ソングを歌い続けてもよかったし、おそらくはそれで十分に儲かったはずだ。でも、彼はそうしなかった。前に進まなければ気がおさまらない」と引用されています。ジョブズはディランが好きだったそうで、本作でも何曲かディランの曲が流れるし、台詞にも歌詞の引用があらわれます。僕もディランが大好きで、曲が流れるたびに興奮しました。ジョブズがディランと同じように生きようとしたのは、とても面白いです。
そして、演出。「一緒に住みたい」という場面で、ホロっとしてしまいました。
どんな人にもオススメできる傑作です。是非どうぞ。
