GWに読書でリセット 心を静める×前向きになる 選りすぐりの11冊
《数量限定》ナント【980円】!!★小顔のヒミツ★肌の透明感アップ♪芸能人モデルも絶賛!!

せっかくの長期休暇! とはいえ、震災からの不安感で出かける余裕なんてない、自宅でゆっくりすごそうと決めている人が多いのでは。傷つきくたびれてしまったココロの復興には、ちょっと現実から離れてみるのがオススメ。「心を静める」「前向きになる」とい...
せっかくの長期休暇! とはいえ、震災からの不安感で出かける余裕なんてない、自宅でゆっくりすごそうと決めている人が多いのでは。傷つきくたびれてしまったココロの復興には、ちょっと現実から離れてみるのがオススメ。「心を静める」「前向きになる」という2つの観点から選んだ、とっておきの11冊を紹介します。
【詳細画像または表】
(文/土田みき 平山ゆりの)
▼心を静める編
東日本大震災から2カ月。自分が被災したわけでなくても心がざわざわしている、という声を聞きます。そんな落ち着かない気持ちを安らかにしてくれる、5冊を選んでみました。
心を静めるBOOK(1)
『谷川俊太郎詩選集 1』 谷川俊太郎
みんなになじみ深いあの詩も収録平易な言葉遣いが心しみる詩選集
現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎の作品を、年代を追って選りすぐった名詩選の第1弾。1952年の処女詩集『二十億光年の孤独』から1974年の『空に小鳥がいなくなった日』までの17冊から、100以上が収められている。出版当時の「あとがき」が転記されているものもあり、谷川俊太郎という一詩人の変遷も味わえる。
谷川俊太郎の持ち味である分かりやすい言葉づかいに加え、若さや勢いに満ちた詩も多い。「カムチャツカの若者が/きりんの夢を見ているとき/メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている」と世界各地の朝の情景をつなげて地球家族をうたった『朝のリレー』や「生きているということ/いま生きているということ/それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ」と当たり前に感じていることすべてが命の証で喜びであることを具体的に切り取った『生きる』など、有名な作品も多数ある。一単語ごとの意味をかみしめるような作品もあれば、言葉の重なりや音を楽しむ作品もある。言葉遊び的な「かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた」などは、谷川俊太郎の詩と知らずに口にしたり耳にしたりしている人もいるだろう。
鋭く深い内省の末に紡がれた言葉は、ときに怒りにとがり、喜びや悲しみにあふれ、憂いに満ちて響いてくる。詩人の思いは、実に多彩で多面的。あなたが言葉にしきれずにためてしまっている心のもやもやに、そっと寄り添う1編が見つかるかもしれない。
心を静めるBOOK(2)
『太陽のパスタ、豆のスープ』 宮下奈都
何をしたらいいのかわからない時、まずはやりたいことリストを作ろう
婚約していた相手から別れを切り出された明日羽は、日常をどうすごしていいのかわからないほどの落ち込みを見せる。そこに救いの手を差し伸べたのは、自由奔放な叔母。「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん。」と、リスト作りを明日羽に提案するのだ。
明日羽にとっては、この「やりたいこと」リストを作るのがまた一苦労。ずどーんと沈みきっている気持ちは、なかなかやりたかったことや昔からの夢を思い出せない。だが、どうにかこうにかリストを埋めて、叔母に振り回されながら毎日を送っているうちに、明日羽は次第に立ち直っていき…。
日常のいとおしさを描く名手として昨年『スコーレNO.4』の文庫がヒットした著者による、長編小説。若き女性の機微を、日常のきらめきも豊かに描き出している。どんなに気持ちが沈んでも、主人公は会社員としての生活を送り続けなければいけない。そして、家と会社の往復では見出せなかった活路を、リストを作り、見直し、周囲に目を向けることで切り開いていく。
失意のどん底にあることを自覚している時は、次の目標を簡単には定められないものだ。なにかと結論をあせりがちになる私たちに対し、「そんなに急に立ち直ろうとしなくていいよ」と、優しく包んでくれる本書。どこを向けばいいのかわからなくても、まずは自分の気持ちを確かめることからはじめればいいのだろう。
心を静めるBOOK(3)
『ふがいない僕は空を見た』 窪美澄
命を授かることの背景にあるのは尊さと世俗的な薄汚さと、それから
デビュー作ながらも2011年本屋大賞2位に浮上したことで、一気に注目を高めた連作小説。発売直後から、本好きや書店員の間ではかなり話題になっていた作品である。第1話『ミクマリ』は、助産院を営む母の元に育つ斉藤卓巳の物語。学校で告白されることもある男子高生・卓巳は、コスプレしながら卓巳を待つ団地妻・あんずのことばかり考えて日々を過ごす。卓巳の頭を占めるのは、あんずなのか、あんずとの情事なのか?
『ミクマリ』は、「女性が読んでもナチュラルに感じられる、エロティックな小説」を生み出す公募系新人賞「女による女のためのR-18文学賞」の第8回大賞受賞作。それだけに、カラっとしながらも艶っぽい筆致で描かれている。
第2話『世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸』は、一転、“あんず”夫妻が描かれる。第1話では情事の代名詞だったあんずが、リアルな存在として不妊治療という夫婦の問題を語るのだ。第3話『2035年のオーガズム』で卓巳に告白した同級生に視点が移り、第4話『セイタカアワダチソウの空』ではさらに卓巳の親友・良太が大学進学と同性愛について想いをめぐらす。
全編に共通するのは、性と生のテーマ。巧みな筆運びで性を描写して命の尊さと凡庸さを両立させるだけでなく、最終話「花粉・受粉」で卓巳の母が語り手として全体を締めくくる構成も見事。人生が思うようにいかないのは、生まれる前も生まれてからも変わらないのかもしれない。与えられたこの命を、どういった形でもいいからまっとうしたいと思わされる。
心を静めるBOOK(4)
『悼む人』 天童荒太
死する者に対して、どのような想いを持ち続ければいいのか
他人の死亡現場に足を運び、亡き人を悼む青年を描いた長編小説。その存在に触れた新聞記者、主人公の母で余命わずかの女性、夫を殺害した現場で主人公と出会って旅をともにする女性という3者を通して、青年の実態が浮き彫りにされていく。
坂築静人は新聞や雑誌の死亡記事などを参考に全国各地を訪れる、通称「悼む人」。誰かが亡くなった周辺で死者の生前を聞き込みし、死者が善人であれ悪人であれ、聞いたエピソードから「死者が愛され、感謝された」話だけを基に「○○さんのことを心に刻みます」と頭を垂れるのだ。
静人自身の視点からは何も語られず、その言動や関係者各人の思考を通じて、静人の行いや素性が明かされていく。物語が進むに連れ、静人の全国行脚には宗教的な理由などもなく、「誰かが死者のことを覚えていなくてはいけない」という個人的で強い思いが根底に潜むことがわかっていく。
執筆に7年間の歳月を費やし、著者に直木賞受賞をもたらした快作。「悼む人」という特殊な設定に加え、緻密なディテールには読み手の心に深く刺さる小さなトゲがいくつも含まれている。また他人の死と真摯に向き合う主人公や生をまっとうしようとする母の姿を通して、死を感じさせられ、生を考えさせられる。
主人公・坂築静人がどう死者と接し、自身と向き合っているかを日記形式で描いた『静人日記』も後日発売された。2冊あわせて読むと、「悼む人」をより深く理解できるだろう。
心を静めるBOOK(5)
『ともしびマーケット』 朝倉かすみ
老若男女が集まるスーパーには人の数だけ人生の物語が集まる
「ともしびマーケット鳥居前店」というスーパーを軸にした群像劇。いつもネスカフェの大瓶を抱きしめて店内をうろつく初老の女性を、新婚女性の視点を通じて描いた第1話「いい日」からはじまる全9話の連作短編集。あとがきによると、まだ新人賞を取っただけで本を出せていなかった著者に編集者がトレーニングのように書かせた連作短編がもとになった作品だそうだ。『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞した2009年に、受賞後第一作として発売されて注目を集めた。
第2話「冬至」は、精肉コーナーで働くパートの女性が主人公。44歳、アパートに一人暮らし。周囲の目につまらなく映るその人生は、本人としては満ち足りていて…。第3話「平河」は、第2話に脇役として登場した男性が買い物をしているところから話が始まる。第4話、第5話とその後も視点は移り、それぞれの人生や暮らしがあたたかな視点で描かれていく。やるせなさや厳しさもある日々を描く中で、場合によっては「ともしびマーケット」は少ししか登場しないことも。そして最終話で、数々の登場人物が「ともしびマーケット」で会することになるが…。
さまざまな生き方を彩りよく描き、それぞれの人生が少しずつ重なる構成は美しい。最終話で集束させる展開は是非が分かれるところだが、「どんな人生にもムダはないのかな」と読み手に思わせ、ほっとひと息入れさせてくれる物語であることに違いはない。
▼前向きになる編
「がんばって前を向いていこう!」と言うは易し。どんなにポジティブになろうとしても、気分が上がらないときは当然あります。背中を押してくれる小さなヒントになるような、6冊を紹介します。
前向きになれるBOOK(1)
『天地明察』 冲方丁
江戸時代、挫折を何度も繰り返し前代未聞のプロジェクトに挑んだ男
日本独自の暦「大和暦」を作った、実在する偉人・渋川春海の生涯を描いた『天地明察』。合戦もない時代小説なのに心を揺さぶるエンタテインメント小説として高く評価され、2010年の本屋大賞を受賞、同年吉川英治文学新人賞に輝き、2012年には滝田洋二郎監督による実写映画化も決まっている。
時は江戸時代初期。徳川将軍の御前で碁を打つ公務を務める、碁打ちの家系に生まれた安井算哲は、変わり映えのない毎日を持て余していた。一方で、算術の趣味を持つ彼は、公務以外では「渋川春海」と名乗るように。やがて、晴海の持つ数学者としての才能が評価され、老中の酒井雅楽頭(うたのかみ)忠清から、北極星の位置から日本各地の緯度を計測する「北極出地」の命を受ける。そして、その結果を基に、当時誤差を生んでいた「授時暦」に代わる、国産の暦「大和歴」を作る壮大なミッションに立ち向かうことになる。その成果が出るまで、実に22年――。
2010年の超話題作だったので、既読の方も多いだろう。だが、そんな人にも“今ぜひ!”と再読をお薦めしたい。主人公・渋川春海が魅力的なのは、失敗を何度も何度も繰り返していくところに尽きる。和算の偉人・関孝和に出題した算法の設問が欠陥問題だったことから、改暦事業に従事してからの大勝負で予報を外すまで、これほど失敗する主人公も珍しいのではないかと笑えてくるほど挫折だらけだ。だが、晴海はこの何度も重ねる失敗と、支えてくれる周りの人々によって人間を磨き成長していく。そして、晩年になって大きな成果を出す。
生きていれば、時には理不尽な問題に遭い、落ち込むこともある。というか、ほとんどの人が成功より失敗の方が多い。本気で挑んだ失敗は大きな価値があるのだ、と主人公の生きざまがすべてを肯定してくれるはずだ。
前向きになれるBOOK(2)
『三陸海岸大津波』 吉村昭
過去の経験から改めていま、私たちが学び取れるものとは
東日本大震災を機に注目を集めるようになった既刊本がある。中でも『三陸海岸大津波』は、4月15日~21日を対象とした日販の週間ベストセラー(文庫)で圏外から12位と急激に売り上げを伸ばした。
『三陸海岸大津波』は、1896年、1933年、1960年と三陸沿岸を襲った3回の大津波について記した記録小説。描き手は、史実に対する緻密な調査や主観を省いた描き方で「記録小説の名手」として知られる歴史小説家だ。
まえがきで「津波のすさまじさにふれることはできたと思っている」と記された本書が刊行されたのは、40年以上前の1970年。著者が三陸沿岸の津波に関心を抱いたのは、小説の舞台とした地であり、自身が旅するのを好んだ先であることから、耳にした津波話が心に残ったからだという。
各地のエピソードや報告記録、人々の実体験や小学生の作文などが豊富に引用されているだけでなく、当時の国や地域の経済状態なども明確に記されている。読み手も環境を踏まえながら、客観的に津波の被害を受け止めることができる。衝撃的なのは、1896年の津波で岩手県の一部に50メートル近くもはいあがった大津波がすでに観測されていたこと。
厳しい環境で生き延びる人々の姿が、しっかりと刻まれた本書。だが度重なる天災にも負けず、三陸の人々は何度も復興を果たしてきた。その事実から、私たちはただ前を向いて進むしかない現実を突きつけられるのだ。
前向きになれるBOOK(3)
『神の子どもたちはみな踊る』 村上春樹
阪神淡路大震災後の人々を描いた村上春樹初の連作短編集
「五日のあいだ彼女は、すべての時間をテレビの前で過ごした。銀行や病院のビルが崩れ、商店街が炎に焼かれ、鉄道や高速道路が切断された風景を、ただ黙ってにらんでいた。」と、はじまる第1編「UFOが釧路に降りる」。5日間とまで言わずとも、今回の東日本大震災でも、多くの日本人が似たような経験をした。
『神の子どもたちはみな踊る』は表題作を含めた7編からなる連作短編集で、阪神淡路大震災の影響で人生に歪みが生じた人々を描いた作品。1999年に村上春樹が雑誌『新潮』に書き下ろした6編に書き下ろし1編を加えたもので、「UFOが釧路に降りる」のように震災が明らかに描かれているものもあれば、ヒント程度にしか出てこないものもある。いずれも、リアルながらもややファンタジックな展開が混じってくる村上春樹独特の物語世界で、震災が人々にもたらした痛みや虚しさ、あきらめなどが描かれている。
登場するのは、心のうちに震災を抱えながらも、どうにか折り合いをつけて生きていこうとする人々。その姿は、今の私たちとも重なるところが大きく、場合によっては心のかさぶたをカリカリと剥いてしまうようなこともあるかもしれない。だが、肝心なのは、すべての人々が現状に沈み込んだままでいないということ。それぞれの短編の終わりには、冒頭には見えなかったかすかな光のようなものが、確実に描き出されていることを意識しながら各短編を味わいたい。
前向きになれるBOOK(4)
『終末のフール』 伊坂幸太郎
地球滅亡まであと3年の世界で人はいかに生きようと画策するか
舞台となっているのは、あと3年で世界が終わることがわかっている仙台市の住宅地。登場するのは、なんでもなく生きている市井の人。「8年後に小惑星が地球に衝突する」と発表されてから5年。混乱や暴動は過ぎ去り、人々は終末の日までをカウントダウンしながら、思い思いの日々を送るようになっていた。
表題作はじめ、「太陽のシール」、「鋼鉄のウール」など「○○の○ール」と韻を踏んだようなタイトルの短編全8編からなる連作集。短編によって、家族小説、恋愛小説、青春小説と内容が変化しながら、ひとつの世界観を作り上げていく。主人公も、老夫婦だったり若夫婦だったり、少女だったり少年だったり、年齢も性格もバラバラだが、ある作品の脇役や通りすがりが他の作品では主人公になるような伊坂らしい伏線的な遊びも満載だ。
8編全編ともが終末に向かう人の姿を描いているのに、当たり前の日常のように淡々としている。そして、未来はなくとも喜怒哀楽すべての感情を持ち、持て余し、愛しんでいる人々。昔を思い出したり、これからの日々を画策したり、地球が滅びるその瞬間まで、誰もが着実に新たな一日をすごすことになるのだ。
この作品に満ちているのは、明日への希望ではない。だが、夜が明ければ、また明日が来る。そして、私たちは、明日を生きることになる。目の前にある一日をどういった気持ちで生きるか。心持ちの大切さが問われている気がする。
前向きになれるBOOK(5)
『一瞬の風になれ 1~3』 佐藤多佳子
渾身の思いで短距離を走る感覚を疑似体験させてくれる陸上小説
陸上競技にかける高校生を描いた長編小説で、2007年に本屋大賞と吉川英治文学新人賞を受賞し、フジテレビ系のドラマ化でも話題となった。少年野球にかける青春を描いた『バッテリー』(あさのあつこ)、水泳の飛び込み競技を描いた『DIVE!』(森絵都)などとともに、現代の青春スポーツ小説として圧倒的に高い支持を得ている。
主人公の神谷新二には、サッカーU16日本代表候補に選ばれた兄の健一がいる。小学校時代からの親友である一ノ瀬連もまた優れたアスリートで、中学では陸上の記録保持者だ。高校に進学した新二は、体育の授業で行われた50メートル走をきっかけに、連とともに陸上部に入ることにするのだが…。
陸上初心者の新二に重ねて、読者を陸上の世界に連れ込む描写は見事。また、各種陸上競技の躍動感が、圧倒的なスピードと熱を持って伝わってくる。トラックに立たずとも、新二や他の選手とともに風を感じられると錯覚しそうになるほど。また、会話や口語もリアルで、高校時代特有の明るさやお気楽さ、社会や大人に対する期待と失望が細やかに表現されている。人物がみなイキイキとしているのも魅力的。
新二がもともと肉体的に恵まれていたことは間違いない。だが、それ以上に、努力し、協力し、不安も感じ、恋もする新二の日々は、熱くも爽快感に満ちた青春の日々を私たちに思い起こさせてくれる。深呼吸をして、もう一度スタートラインに立てるかな、と。
前向きになれるBOOK(6)
『モモ』 ミヒャエル・エンデ
生活をする上で本当に大切なのは時間なのかお金なのか、それとも…?
「名前は聞いたことがあるなあ」という人も多いであろう不朽の名作。ドイツの児童文学家・ミヒャエル・エンデの長編小説である。なおエンデは児童文学家として知られるほか、経済にも造詣の深い哲学者としても有名。
『モモ』は、町はずれの円形劇場あとに住み着いた不思議な少女。「人の話を聞く」という特技があるモモの元に町の人々が訪れるようになるのだが、言葉巧みに人々から時間を盗んでいく「時間どろぼう」が町に現れるようになり…。
時間の大切さや使い方について再認識させられるとして人気の『モモ』。「時間倹約」を説いて回る灰色の紳士の言葉と計算に、大人は乗せられてしまう。必死に時間を節約するあまり大切なものを失ってしまう人々の姿が現代社会への風刺であることは早くから指摘されていた。「効果効率」を求める雑誌の特集や実用書が多く見かけられる現代の日本社会においても、その風刺はまったく古びることなく当てはまる。
だがエンデが本当に伝えたかったのは、作中に描かれている「時間」を「貨幣」に置き換えて考えることだとも言われている。「時間」と「お金」、どちらも私たちが日常の中で当たり前のように消費し、頼っているものだ。だが、それらは本当に、生活を構築する上で最重要視するべきものなのだろうか?
押し付けられた価値観に流されずに戦う『モモ』の姿から、「私たちは本当に大切にするべきものが何なのか」を考えるチャンスを与えられる。
(文/土田 みき、平山 ゆりの)
【関連記事】
【NEXT BREAKERS】三吉彩花~「なっちゃん」7代目抜てきの14歳
セックスフレンド、超ミニスカ・セーラー服…1人でコッソリ見たい映画!? 『抱きたいカンケイ』『エンジェル ウォーズ』ほか
ラストは原作とは異なる展開! 『八日目の蝉』で泣く
「まねきねこダックの歌」などCMソングを70本以上歌うシンガーは?
新生シネカノンがスタート 東アジアも視野に事業を展開
※この記事の著作権は、ヤフー株式会社または配信元に帰属します。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110502-00000005-trendy-ent
《数量限定》☆愛され美髪GET☆トライアル1,050円送料無料でお試し

《送料無料》ワンデーアキュビューが超特価!コンタクトの通販【レンズアップル】

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪


せっかくの長期休暇! とはいえ、震災からの不安感で出かける余裕なんてない、自宅でゆっくりすごそうと決めている人が多いのでは。傷つきくたびれてしまったココロの復興には、ちょっと現実から離れてみるのがオススメ。「心を静める」「前向きになる」とい...
せっかくの長期休暇! とはいえ、震災からの不安感で出かける余裕なんてない、自宅でゆっくりすごそうと決めている人が多いのでは。傷つきくたびれてしまったココロの復興には、ちょっと現実から離れてみるのがオススメ。「心を静める」「前向きになる」という2つの観点から選んだ、とっておきの11冊を紹介します。
【詳細画像または表】
(文/土田みき 平山ゆりの)
▼心を静める編
東日本大震災から2カ月。自分が被災したわけでなくても心がざわざわしている、という声を聞きます。そんな落ち着かない気持ちを安らかにしてくれる、5冊を選んでみました。
心を静めるBOOK(1)
『谷川俊太郎詩選集 1』 谷川俊太郎
みんなになじみ深いあの詩も収録平易な言葉遣いが心しみる詩選集
現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎の作品を、年代を追って選りすぐった名詩選の第1弾。1952年の処女詩集『二十億光年の孤独』から1974年の『空に小鳥がいなくなった日』までの17冊から、100以上が収められている。出版当時の「あとがき」が転記されているものもあり、谷川俊太郎という一詩人の変遷も味わえる。
谷川俊太郎の持ち味である分かりやすい言葉づかいに加え、若さや勢いに満ちた詩も多い。「カムチャツカの若者が/きりんの夢を見ているとき/メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている」と世界各地の朝の情景をつなげて地球家族をうたった『朝のリレー』や「生きているということ/いま生きているということ/それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ」と当たり前に感じていることすべてが命の証で喜びであることを具体的に切り取った『生きる』など、有名な作品も多数ある。一単語ごとの意味をかみしめるような作品もあれば、言葉の重なりや音を楽しむ作品もある。言葉遊び的な「かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた」などは、谷川俊太郎の詩と知らずに口にしたり耳にしたりしている人もいるだろう。
鋭く深い内省の末に紡がれた言葉は、ときに怒りにとがり、喜びや悲しみにあふれ、憂いに満ちて響いてくる。詩人の思いは、実に多彩で多面的。あなたが言葉にしきれずにためてしまっている心のもやもやに、そっと寄り添う1編が見つかるかもしれない。
心を静めるBOOK(2)
『太陽のパスタ、豆のスープ』 宮下奈都
何をしたらいいのかわからない時、まずはやりたいことリストを作ろう
婚約していた相手から別れを切り出された明日羽は、日常をどうすごしていいのかわからないほどの落ち込みを見せる。そこに救いの手を差し伸べたのは、自由奔放な叔母。「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん。」と、リスト作りを明日羽に提案するのだ。
明日羽にとっては、この「やりたいこと」リストを作るのがまた一苦労。ずどーんと沈みきっている気持ちは、なかなかやりたかったことや昔からの夢を思い出せない。だが、どうにかこうにかリストを埋めて、叔母に振り回されながら毎日を送っているうちに、明日羽は次第に立ち直っていき…。
日常のいとおしさを描く名手として昨年『スコーレNO.4』の文庫がヒットした著者による、長編小説。若き女性の機微を、日常のきらめきも豊かに描き出している。どんなに気持ちが沈んでも、主人公は会社員としての生活を送り続けなければいけない。そして、家と会社の往復では見出せなかった活路を、リストを作り、見直し、周囲に目を向けることで切り開いていく。
失意のどん底にあることを自覚している時は、次の目標を簡単には定められないものだ。なにかと結論をあせりがちになる私たちに対し、「そんなに急に立ち直ろうとしなくていいよ」と、優しく包んでくれる本書。どこを向けばいいのかわからなくても、まずは自分の気持ちを確かめることからはじめればいいのだろう。
心を静めるBOOK(3)
『ふがいない僕は空を見た』 窪美澄
命を授かることの背景にあるのは尊さと世俗的な薄汚さと、それから
デビュー作ながらも2011年本屋大賞2位に浮上したことで、一気に注目を高めた連作小説。発売直後から、本好きや書店員の間ではかなり話題になっていた作品である。第1話『ミクマリ』は、助産院を営む母の元に育つ斉藤卓巳の物語。学校で告白されることもある男子高生・卓巳は、コスプレしながら卓巳を待つ団地妻・あんずのことばかり考えて日々を過ごす。卓巳の頭を占めるのは、あんずなのか、あんずとの情事なのか?
『ミクマリ』は、「女性が読んでもナチュラルに感じられる、エロティックな小説」を生み出す公募系新人賞「女による女のためのR-18文学賞」の第8回大賞受賞作。それだけに、カラっとしながらも艶っぽい筆致で描かれている。
第2話『世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸』は、一転、“あんず”夫妻が描かれる。第1話では情事の代名詞だったあんずが、リアルな存在として不妊治療という夫婦の問題を語るのだ。第3話『2035年のオーガズム』で卓巳に告白した同級生に視点が移り、第4話『セイタカアワダチソウの空』ではさらに卓巳の親友・良太が大学進学と同性愛について想いをめぐらす。
全編に共通するのは、性と生のテーマ。巧みな筆運びで性を描写して命の尊さと凡庸さを両立させるだけでなく、最終話「花粉・受粉」で卓巳の母が語り手として全体を締めくくる構成も見事。人生が思うようにいかないのは、生まれる前も生まれてからも変わらないのかもしれない。与えられたこの命を、どういった形でもいいからまっとうしたいと思わされる。
心を静めるBOOK(4)
『悼む人』 天童荒太
死する者に対して、どのような想いを持ち続ければいいのか
他人の死亡現場に足を運び、亡き人を悼む青年を描いた長編小説。その存在に触れた新聞記者、主人公の母で余命わずかの女性、夫を殺害した現場で主人公と出会って旅をともにする女性という3者を通して、青年の実態が浮き彫りにされていく。
坂築静人は新聞や雑誌の死亡記事などを参考に全国各地を訪れる、通称「悼む人」。誰かが亡くなった周辺で死者の生前を聞き込みし、死者が善人であれ悪人であれ、聞いたエピソードから「死者が愛され、感謝された」話だけを基に「○○さんのことを心に刻みます」と頭を垂れるのだ。
静人自身の視点からは何も語られず、その言動や関係者各人の思考を通じて、静人の行いや素性が明かされていく。物語が進むに連れ、静人の全国行脚には宗教的な理由などもなく、「誰かが死者のことを覚えていなくてはいけない」という個人的で強い思いが根底に潜むことがわかっていく。
執筆に7年間の歳月を費やし、著者に直木賞受賞をもたらした快作。「悼む人」という特殊な設定に加え、緻密なディテールには読み手の心に深く刺さる小さなトゲがいくつも含まれている。また他人の死と真摯に向き合う主人公や生をまっとうしようとする母の姿を通して、死を感じさせられ、生を考えさせられる。
主人公・坂築静人がどう死者と接し、自身と向き合っているかを日記形式で描いた『静人日記』も後日発売された。2冊あわせて読むと、「悼む人」をより深く理解できるだろう。
心を静めるBOOK(5)
『ともしびマーケット』 朝倉かすみ
老若男女が集まるスーパーには人の数だけ人生の物語が集まる
「ともしびマーケット鳥居前店」というスーパーを軸にした群像劇。いつもネスカフェの大瓶を抱きしめて店内をうろつく初老の女性を、新婚女性の視点を通じて描いた第1話「いい日」からはじまる全9話の連作短編集。あとがきによると、まだ新人賞を取っただけで本を出せていなかった著者に編集者がトレーニングのように書かせた連作短編がもとになった作品だそうだ。『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞した2009年に、受賞後第一作として発売されて注目を集めた。
第2話「冬至」は、精肉コーナーで働くパートの女性が主人公。44歳、アパートに一人暮らし。周囲の目につまらなく映るその人生は、本人としては満ち足りていて…。第3話「平河」は、第2話に脇役として登場した男性が買い物をしているところから話が始まる。第4話、第5話とその後も視点は移り、それぞれの人生や暮らしがあたたかな視点で描かれていく。やるせなさや厳しさもある日々を描く中で、場合によっては「ともしびマーケット」は少ししか登場しないことも。そして最終話で、数々の登場人物が「ともしびマーケット」で会することになるが…。
さまざまな生き方を彩りよく描き、それぞれの人生が少しずつ重なる構成は美しい。最終話で集束させる展開は是非が分かれるところだが、「どんな人生にもムダはないのかな」と読み手に思わせ、ほっとひと息入れさせてくれる物語であることに違いはない。
▼前向きになる編
「がんばって前を向いていこう!」と言うは易し。どんなにポジティブになろうとしても、気分が上がらないときは当然あります。背中を押してくれる小さなヒントになるような、6冊を紹介します。
前向きになれるBOOK(1)
『天地明察』 冲方丁
江戸時代、挫折を何度も繰り返し前代未聞のプロジェクトに挑んだ男
日本独自の暦「大和暦」を作った、実在する偉人・渋川春海の生涯を描いた『天地明察』。合戦もない時代小説なのに心を揺さぶるエンタテインメント小説として高く評価され、2010年の本屋大賞を受賞、同年吉川英治文学新人賞に輝き、2012年には滝田洋二郎監督による実写映画化も決まっている。
時は江戸時代初期。徳川将軍の御前で碁を打つ公務を務める、碁打ちの家系に生まれた安井算哲は、変わり映えのない毎日を持て余していた。一方で、算術の趣味を持つ彼は、公務以外では「渋川春海」と名乗るように。やがて、晴海の持つ数学者としての才能が評価され、老中の酒井雅楽頭(うたのかみ)忠清から、北極星の位置から日本各地の緯度を計測する「北極出地」の命を受ける。そして、その結果を基に、当時誤差を生んでいた「授時暦」に代わる、国産の暦「大和歴」を作る壮大なミッションに立ち向かうことになる。その成果が出るまで、実に22年――。
2010年の超話題作だったので、既読の方も多いだろう。だが、そんな人にも“今ぜひ!”と再読をお薦めしたい。主人公・渋川春海が魅力的なのは、失敗を何度も何度も繰り返していくところに尽きる。和算の偉人・関孝和に出題した算法の設問が欠陥問題だったことから、改暦事業に従事してからの大勝負で予報を外すまで、これほど失敗する主人公も珍しいのではないかと笑えてくるほど挫折だらけだ。だが、晴海はこの何度も重ねる失敗と、支えてくれる周りの人々によって人間を磨き成長していく。そして、晩年になって大きな成果を出す。
生きていれば、時には理不尽な問題に遭い、落ち込むこともある。というか、ほとんどの人が成功より失敗の方が多い。本気で挑んだ失敗は大きな価値があるのだ、と主人公の生きざまがすべてを肯定してくれるはずだ。
前向きになれるBOOK(2)
『三陸海岸大津波』 吉村昭
過去の経験から改めていま、私たちが学び取れるものとは
東日本大震災を機に注目を集めるようになった既刊本がある。中でも『三陸海岸大津波』は、4月15日~21日を対象とした日販の週間ベストセラー(文庫)で圏外から12位と急激に売り上げを伸ばした。
『三陸海岸大津波』は、1896年、1933年、1960年と三陸沿岸を襲った3回の大津波について記した記録小説。描き手は、史実に対する緻密な調査や主観を省いた描き方で「記録小説の名手」として知られる歴史小説家だ。
まえがきで「津波のすさまじさにふれることはできたと思っている」と記された本書が刊行されたのは、40年以上前の1970年。著者が三陸沿岸の津波に関心を抱いたのは、小説の舞台とした地であり、自身が旅するのを好んだ先であることから、耳にした津波話が心に残ったからだという。
各地のエピソードや報告記録、人々の実体験や小学生の作文などが豊富に引用されているだけでなく、当時の国や地域の経済状態なども明確に記されている。読み手も環境を踏まえながら、客観的に津波の被害を受け止めることができる。衝撃的なのは、1896年の津波で岩手県の一部に50メートル近くもはいあがった大津波がすでに観測されていたこと。
厳しい環境で生き延びる人々の姿が、しっかりと刻まれた本書。だが度重なる天災にも負けず、三陸の人々は何度も復興を果たしてきた。その事実から、私たちはただ前を向いて進むしかない現実を突きつけられるのだ。
前向きになれるBOOK(3)
『神の子どもたちはみな踊る』 村上春樹
阪神淡路大震災後の人々を描いた村上春樹初の連作短編集
「五日のあいだ彼女は、すべての時間をテレビの前で過ごした。銀行や病院のビルが崩れ、商店街が炎に焼かれ、鉄道や高速道路が切断された風景を、ただ黙ってにらんでいた。」と、はじまる第1編「UFOが釧路に降りる」。5日間とまで言わずとも、今回の東日本大震災でも、多くの日本人が似たような経験をした。
『神の子どもたちはみな踊る』は表題作を含めた7編からなる連作短編集で、阪神淡路大震災の影響で人生に歪みが生じた人々を描いた作品。1999年に村上春樹が雑誌『新潮』に書き下ろした6編に書き下ろし1編を加えたもので、「UFOが釧路に降りる」のように震災が明らかに描かれているものもあれば、ヒント程度にしか出てこないものもある。いずれも、リアルながらもややファンタジックな展開が混じってくる村上春樹独特の物語世界で、震災が人々にもたらした痛みや虚しさ、あきらめなどが描かれている。
登場するのは、心のうちに震災を抱えながらも、どうにか折り合いをつけて生きていこうとする人々。その姿は、今の私たちとも重なるところが大きく、場合によっては心のかさぶたをカリカリと剥いてしまうようなこともあるかもしれない。だが、肝心なのは、すべての人々が現状に沈み込んだままでいないということ。それぞれの短編の終わりには、冒頭には見えなかったかすかな光のようなものが、確実に描き出されていることを意識しながら各短編を味わいたい。
前向きになれるBOOK(4)
『終末のフール』 伊坂幸太郎
地球滅亡まであと3年の世界で人はいかに生きようと画策するか
舞台となっているのは、あと3年で世界が終わることがわかっている仙台市の住宅地。登場するのは、なんでもなく生きている市井の人。「8年後に小惑星が地球に衝突する」と発表されてから5年。混乱や暴動は過ぎ去り、人々は終末の日までをカウントダウンしながら、思い思いの日々を送るようになっていた。
表題作はじめ、「太陽のシール」、「鋼鉄のウール」など「○○の○ール」と韻を踏んだようなタイトルの短編全8編からなる連作集。短編によって、家族小説、恋愛小説、青春小説と内容が変化しながら、ひとつの世界観を作り上げていく。主人公も、老夫婦だったり若夫婦だったり、少女だったり少年だったり、年齢も性格もバラバラだが、ある作品の脇役や通りすがりが他の作品では主人公になるような伊坂らしい伏線的な遊びも満載だ。
8編全編ともが終末に向かう人の姿を描いているのに、当たり前の日常のように淡々としている。そして、未来はなくとも喜怒哀楽すべての感情を持ち、持て余し、愛しんでいる人々。昔を思い出したり、これからの日々を画策したり、地球が滅びるその瞬間まで、誰もが着実に新たな一日をすごすことになるのだ。
この作品に満ちているのは、明日への希望ではない。だが、夜が明ければ、また明日が来る。そして、私たちは、明日を生きることになる。目の前にある一日をどういった気持ちで生きるか。心持ちの大切さが問われている気がする。
前向きになれるBOOK(5)
『一瞬の風になれ 1~3』 佐藤多佳子
渾身の思いで短距離を走る感覚を疑似体験させてくれる陸上小説
陸上競技にかける高校生を描いた長編小説で、2007年に本屋大賞と吉川英治文学新人賞を受賞し、フジテレビ系のドラマ化でも話題となった。少年野球にかける青春を描いた『バッテリー』(あさのあつこ)、水泳の飛び込み競技を描いた『DIVE!』(森絵都)などとともに、現代の青春スポーツ小説として圧倒的に高い支持を得ている。
主人公の神谷新二には、サッカーU16日本代表候補に選ばれた兄の健一がいる。小学校時代からの親友である一ノ瀬連もまた優れたアスリートで、中学では陸上の記録保持者だ。高校に進学した新二は、体育の授業で行われた50メートル走をきっかけに、連とともに陸上部に入ることにするのだが…。
陸上初心者の新二に重ねて、読者を陸上の世界に連れ込む描写は見事。また、各種陸上競技の躍動感が、圧倒的なスピードと熱を持って伝わってくる。トラックに立たずとも、新二や他の選手とともに風を感じられると錯覚しそうになるほど。また、会話や口語もリアルで、高校時代特有の明るさやお気楽さ、社会や大人に対する期待と失望が細やかに表現されている。人物がみなイキイキとしているのも魅力的。
新二がもともと肉体的に恵まれていたことは間違いない。だが、それ以上に、努力し、協力し、不安も感じ、恋もする新二の日々は、熱くも爽快感に満ちた青春の日々を私たちに思い起こさせてくれる。深呼吸をして、もう一度スタートラインに立てるかな、と。
前向きになれるBOOK(6)
『モモ』 ミヒャエル・エンデ
生活をする上で本当に大切なのは時間なのかお金なのか、それとも…?
「名前は聞いたことがあるなあ」という人も多いであろう不朽の名作。ドイツの児童文学家・ミヒャエル・エンデの長編小説である。なおエンデは児童文学家として知られるほか、経済にも造詣の深い哲学者としても有名。
『モモ』は、町はずれの円形劇場あとに住み着いた不思議な少女。「人の話を聞く」という特技があるモモの元に町の人々が訪れるようになるのだが、言葉巧みに人々から時間を盗んでいく「時間どろぼう」が町に現れるようになり…。
時間の大切さや使い方について再認識させられるとして人気の『モモ』。「時間倹約」を説いて回る灰色の紳士の言葉と計算に、大人は乗せられてしまう。必死に時間を節約するあまり大切なものを失ってしまう人々の姿が現代社会への風刺であることは早くから指摘されていた。「効果効率」を求める雑誌の特集や実用書が多く見かけられる現代の日本社会においても、その風刺はまったく古びることなく当てはまる。
だがエンデが本当に伝えたかったのは、作中に描かれている「時間」を「貨幣」に置き換えて考えることだとも言われている。「時間」と「お金」、どちらも私たちが日常の中で当たり前のように消費し、頼っているものだ。だが、それらは本当に、生活を構築する上で最重要視するべきものなのだろうか?
押し付けられた価値観に流されずに戦う『モモ』の姿から、「私たちは本当に大切にするべきものが何なのか」を考えるチャンスを与えられる。
(文/土田 みき、平山 ゆりの)
【関連記事】
【NEXT BREAKERS】三吉彩花~「なっちゃん」7代目抜てきの14歳
セックスフレンド、超ミニスカ・セーラー服…1人でコッソリ見たい映画!? 『抱きたいカンケイ』『エンジェル ウォーズ』ほか
ラストは原作とは異なる展開! 『八日目の蝉』で泣く
「まねきねこダックの歌」などCMソングを70本以上歌うシンガーは?
新生シネカノンがスタート 東アジアも視野に事業を展開
※この記事の著作権は、ヤフー株式会社または配信元に帰属します。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110502-00000005-trendy-ent
《数量限定》☆愛され美髪GET☆トライアル1,050円送料無料でお試し

《送料無料》ワンデーアキュビューが超特価!コンタクトの通販【レンズアップル】

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪

