お元気ですか。
只今ペンシルバニアより。
今日はついて早々にパーティーだったので、
さすがにクタクタです。
下記の話は昨日書き途中だったので、
とりあえず仕上げてアップします。
おやすみなさい~。
昨日の記事(コチラ
)の続きのようなお話です。
お尻(と局部)激痛乗馬を堪能した後は、
何と言ってもお祖母様の美味しい手料理とウオッカですよ。
と言っても私はお酒を飲まないのでウオッカは、
ペロっと舐めただけだが。
お祖母様とは初対面ではないのだが、
ちゃんとお話をしたのは今回が初めて。
英語は片言でしか話せない彼女、
でも私の言っていることは良く理解できているようで、
二人っきりになっても気まずいことなどは一つもなかった。
80歳近くになるけれど、一軒家で一人で暮らし、
楽しく忙しく老後を送っているとおっしゃっていた。
「やあ!」
と、一緒に食事の準備をしていたところで、
元気そうに現れたのはお祖母様のボーイフレンド(だと思う)、
クリスさん(仮名)。
ははぁ、なるほど。
ちゃんとボーイフレンドがいらっしゃる何て素敵。
真っ白のちょび髭にややボサボサとした白髪、
そしてくたびれた大きめの白いシャツにベージュのチノパンは、
どこかアインシュタインを連想させられる風采だ。
と言ってもアインシュタインがそんな格好してたかどうかは知らないが。
頬にキスして挨拶する代わりに、
ゴツゴツの立派な手で私の手をグイっと引き寄せ甲にキスをした。
そして「いつものところ」に腰掛けて、まずはウオッカかけつけ一杯。
彼もポーランド人で英語はお祖母様同様片言。
この街はどうもポーランド人が割りと多く住んでいるようで、
ポーランド系の小さいスーパーもあるらしい。
在住しているポーランド人はほとんどが老人。
というわけでお祖母様は寂しくないと聞く。
なるほど、なるほど。
ところでクリスさんは、とてもお喋り。
彼は最初の「やあ」から、最後の「じゃまた明日」まで、
終始口を開いたままだった。
でも正直、私の理解度は20%。
良く聞いていると実は英語はかなり話せるようなのだが、
ポーランド語とごちゃ混ぜになっていて、
非常に聞き取りにくかった。
しばらくポーランド語だけで話していると、
「あ、ごめんごめん、じゃ英語で説明をしてあげよう。」
と私に気を利かせて英語で話そうとしてくれるのだが、
「これ本当なんだよ。P$#O)#L@#A@#N%&Dで共産主義から逃げてきてP$#O)#L@#A@#N%&D。」
アメリカに移民した頃の話をしているのかな。
「そう何ですか。」
「そうなんだよ。P$#O)#L@#A@#N%&D銃が5丁あってP$#O)#L@#A@#N%&Dバンババン!P$#O)#L@#A@#N%&Dでも僕は生きている。これ本当なんだ。嘘は言ってない。」
非常に興味深い話をしているのは間違いなかったのだが、
どうしても理解できなかったので、
後でミッキーに詳しく聞くことにして、
ここはとりあえず目を丸々とさせて
「へー」「本当ですか。」で行きましょう。
「きのこはこのテーブル一杯に採れる!これ本当なんだ。P$#O)#L@#A@#N%&D毒キノコP$#O)#L@#A@#N%&DターキーP$#O)#L@#A@#N%&DショットガンP$#O)#L@#A@#N%&Dバンババン!神に誓って嘘は言ってない。」
「兄貴はプロのアコーディオン弾きでP$#O)#L@#A@#N%&D彼が死んだ時P$#O)#L@#A@#N%&D僕のアコーディオンP$#O)#L@#A@#N%&D義姉の娘P$#O)#L@#A@#N%&D馬鹿やろうめ!P$#O)#L@#A@#N%&Dこれ本当なんだよ。」
こんな状態が延々と続いた。
お祖母様に「あんた喋り過ぎ」と突っ込まれながらも
かまわずに数々の武勇伝をお話して下さった楽しいクリスさん。
その「バンババン」や「馬鹿やろうめ」が
また本当に飛び上がるくらい大声で言うんだ。
理解できた部分を繋ぎ合わせ、私なりに心の中で纏めていた。
昔々クリスさんは共産主義から命からがら逃れて、
家族と自由を求めてアメリカにやってきた。
で、アメリカできのこ狩りと狩猟をたしなみ、すっかり銃好きになった。
そして今は亡き兄のアコーディオンを巡り、
身内ともめて最後は姪っ子にアコーディオンを取られ、ばかやろう。
他にも色々と話をしていたのだが、
私の心に残ったお話、そしてその解釈はそんなところだった。
ああそう言えば、蛇をバンババンも面白かったな。
熊と対面した話もしていたと思う。
なかなかワイルドなクリスさん。
このクリスさん、本当に滑稽な方、何て言うのは失礼かな。
でも話そうと思えば幾らでも話せる、とても愉快な方。
言っていることは分からなくとも私は充分に楽しめた。
そこで、途端にクリスさんは立ち上がった。
「アコーディオンを弾いてあげる。」
あれ、
彼が車から持ってきたそれは、
年季の入った見事なアコーディオンだった。
どうも姪っ子に取られたアコーディオンはその後、
自分の手元に辿り着いたようだが、
その話はいつどこで聞き逃したのか。
クリスさん軽くウォーミングアップをしてから、
目を閉じ、足でタンタンとリズムを取りながら
可憐にアコーディオンを弾いてくださいました。
。。。。。。。。。。。
アコーディオンってこんな音色でしたっけ。
こんなどこかジャズっぽい不調和音。
考えてみれば、生でアコーディオンを聞いたことがない。
よってあまりアコーディオンがどんな音を奏でるのか、
分かっていない。
決して不快ではないけれど、
右と左から流れ出てくる音色が、微妙にずれているのは、
そういうものなのか、
ただ酔っ払っているからなのか。
「アコーディオンにはウオッカが一番。」
とか
「ウオッカが足りない。」
とか言いながら演奏中に時折ウオッカを口にするクリスさんは、
明らかに酔っ払っていた。
アルゼンチン民謡、ドイツ民謡、タンゴ。
へー何かシンミリと心に沁みるなぁ、
と思ったのは
アコーディオンが奏でるメロディーと音色に対してと言うよりは、
クリスさんが目を閉じて心を込めて弾いていたから。
足踏みしながら、ウォッカを頂きながら、
何だか本当に幸せそうに弾く人だ。
そんなことを考えながら、私はウオッカをペロっと頂いていた。
ああ、確かに。
ウオッカとアコーディオン、何だか合いますね。
目を閉じながら何を回想しているのか、
古き良き歌に思いをはせながら、
その味は故郷の味か、家族の味か、
酔っ払った彼の耳に聞こえている音色はどんなだろう。
ちょっと可笑しくも、ちょっと感動。
そして何だか甘く切なく、
あんなにロマンチックな気持ちにさせられたのは、
どれくらいぶりだったろうか。
昔話とウオッカとアコーディオン
そのハーモニーがその夜は、たまりませんでしたよ。
言葉なんて本当にいらない、そんな夜でしたね、
クリスさん。
追記:
「で、共産主義の話は何て言っていたの?」
と、後でミッキーに尋ねたのだが、
実は
彼にもサッパリクリスさんの言っていることが、
分からなかったらしい。
「でも楽しかったね。」