タイトルを見かけて速攻、購入を決意!今日読んだのはこの本です。
北尾トロ・著『猟師になりたい!』
私も〜〜〜!!と思わず心の中で叫んでいました。
私、猟師になりたかったんです、子どもの頃。シートン動物記が大好きで、ファーブル昆虫記派の友達とケンカなんかもしたっけ……。
シートン動物記には猫や犬やカナリヤに伝書バトなど、人間の飼育下にある動物たちが多数登場します。でも、シートンがハンターのところへ出向いていって、様々な野生動物たちと知恵比べのような狩りに同行する話が大好きなんですよねえ。最たるものがかの有名な『狼王ロボ』でしょう。
美しく気高い狼の王様。その哀しい最期が、幼い私には非常にショックでした。
人間ってなんて勝手なの……!と憤ったものですが、今は猟師の存在の重要性がほんの少しだけど分かります。
国外で言えばシートン動物記、国内で言えば椋鳩十。椋鳩十の作品にもことごとく猟師が登場し、私は動物と人間の熾烈な頭脳戦に心躍らせていました。
そんなこんなで猟師かっこいい!と思ってはいたものの、猟師なんて山で生まれ野で育った生粋の山人のみがなれる職業だといつの間にか知り、夢は夢のままで終わりました。
ところが!!十年あまりの時を経て、今この本に巡り会ったのです!!!
あらすじ!!
「猟師になろうと思う」家族への突然の宣言。中年になってから長野に移住したライターが、猟師になることを決意した!アウトドアに縁がない人生からどうやって猟師になった? 猟銃講習会でいきなり試験、実射経験なしでの銃購入、20代女性猟師との出会い、命を獲ることへの家族の反応……。初シーズン、新米猟師は獲物を仕留められるのか? 多くの先輩から教えを受けつつフントーした1年目の日々を気負わず綴ったレポ。
初めての実践でカワウを撃つ際の緊迫した描写から始まるこの本。
これは……撃ててしまう。
もっと躊躇すると想像していたのだ。いざとなったら手が震え、引き金にかけた指が硬直するようなココロ優しい自分でありたい、というのが本音だった。
この心理がとても印象に残っています。そして二度目以降は、こうした気持ちになることももうなかった、と。人間って慣れてしまう生き物なんですね。書き手である北尾さんが猟という行為に対して、理解しようとし、また経験はなくとも頭で整理していたからでもあると思います。
この真剣味あふれた『まえがき』が終わると、北尾さんが猟師になろうと思ったきっかけ、狩猟免許取得時の苦労、銃の分解・結合の苦労、銃の所持許可を受けるまで、などなど、実に豊富な情報が。
猟師に興味がある、または猟師になりたい!という方にはうってつけの本ではないでしょうか。
今、全国的に猟師が足りていないことにも触れ、猟師を育成する試みについても詳しく書かれています。
「わたしとお父さんが鹿だとします。猟師が来ました。銃を構えます。そうしたら、撃たれるのはわたしですか、お父さんですか」
害獣駆除ならキミです。
本の最後の方、北尾さんと娘さんのこの辺の会話がなんだかじんとしてしまいました。
魚、牛、ウサギ、カモ、シカ。
どこからが、食べ物なのでしょうか。
肉が大好きな私にとっては難しいテーマではあります。ありきたりな言葉ですが、私たちは『いのち』を食べている。命に重いも軽いもないとはよく聞きます。でも、お寿司や焼き肉やトンカツをおいしいと言いながら食べていた人が、ウサギを獲る猟師を見て「かわいそう」と怒ったりします。不思議だと思いませんか?
魚と人間は何が違うのか。他の生き物を食べながら生きている人間は、人間より強い生き物が存在したとしてそれらに食べられても文句は言えないでしょう。なんだかゾッとしてしまいますが、生きるか死ぬかっていうのはそういうことなのかな……と思ったりします。
なんだか話が逸れてきたので、この辺で終わります!ではでは!
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