今日は、
ニック・ブルームフィールド監督作品『ハート・アタッカー』を観ました。
イギリス映画です。
舞台は2005年のイラク。米海兵隊の青年たちは、混乱したイラクの治安を維持する任務に従事していました。自分がいつ、反乱軍の攻撃によって命を落とすか分からない。そんな危険な状況に毎日置かれていた彼らは、次第に極度のストレスを抱え込んでいきます。
ある日イラク近郊のハディサをパトロールしていたとき、反乱軍によって道路に仕掛けられた爆弾が爆発してしまいます。死者1名、重傷者2名。死者となったカスバートは、ラミレス伍長が最も気に掛けていた部下の一人でした。仲間を殺され、怒りと復讐に燃える海兵隊員たち。爆弾を仕掛けた犯人の捜索という大義名分を掲げ、ハディサの住人たちの家屋を次々に襲撃していくのでした…。
主人公は、ラミレス伍長。たくさんの仲間が自分の周りで死んでいき、たくさんの人間を自分の手で殺してしまったという罪の意識に苛まれています。夜も眠れないほど。
登場人物はわりとたくさん出てくるのですが、私はなかなか顔と名前を一致させることができませんでした。どの戦争モノにも言えることなんですけど、シーンごとに顔つきが違いすぎるんですよねー。それに、ヘルメットにグラサン装着なんて、もはや誰が誰だかさっぱりですw結局ラミレス伍長しか覚えられてないという…。それでもストーリーは十分分かりますから、あまり支障はありません。
この映画で描かれたハディサでの米海兵隊による現地住民宅襲撃事件は、『ハディサの虐殺』事件と呼ばれる、2005年に実際に起きた出来事です。どこからどこまでがノンフィクションなのかは分かりません。
映画のラスト、アメリカのニュース番組でこの事件が報じられ、ラミレス伍長を筆頭に4人の兵士が告訴されます。殺人罪です。一人の米海兵隊が殺され、何の罪もない無抵抗な現地の住人を十数名も虐殺したという情報だけをニュースで聞けば、明らかに海兵隊員が悪いと感じると思います。でも、現場の兵士たちは極度のストレスを抱えた状態にあり、反米武装勢力がしかけた爆弾が爆発し、大事な仲間を失ったんです。現場の兵士たちにしか分からない感情があったんじゃないでしょうか。その感情は、私も含め、何の危険もない場所でのほほんとテレビを見ている人なんかには絶対分からないものなんだと思います。
彼らが現地住民を虐殺したのは事実ですから、擁護するつもりはありません。ただ、もしも私たちがあのような状況に陥ったと仮定して、彼らみたいなことは絶対にしないと言い切れないんじゃないかなーと思いました。
それから、イギリス映画なので、米国産戦争映画にありがちなアメリカ万歳!的なシーンはほとんどありません。イギリスという第三者の視点から見たイラク戦争、という雰囲気。なかなか新鮮です!
話は変わりますが、この映画のパッケージとタイトル、ジェレミー・レナー主演『ハート・ロッカー』に酷似しています。
↓『ハート・アタッカー』↓『ハート・ロッカー』
おっそろしいほど似てます…w
『ハート・ロッカー』はアカデミー賞もいっぱい受賞してるし、確かに面白くはあったんですが、個人的には『ハート・アタッカー』の方が好きかなーと。
それに製作されたのは『~・アタッカー』が先です。『~・アタッカー』2007年、『~・ロッカー』2008年。
詳しくは分かりませんが、『~・ロッカー』のアカデミー賞受賞にあやかるような形で『~・アタッカー』のDVD化に乗り出したのかもしれませんね。
でもそれにしたって、こんな良い内容の映画をアカデミー作品のパクリみたいな感じで販売する配給会社は許せません!『~・アタッカー』には『Battle For Haditha』という立派な原題が付いているのに。
ちょっと憤りを感じてますwwパクリにした方が面白いだろ、とでも思ったのか配給会社よ。良い映画だっただけに、余計に残念です…。
個人的に戦争映画は、一回観ただけだとよく理解できないので、もっと修行が必要だなーと思いますねー…。時代背景が分からないと意図が分からないシーンとかもありますし。4月からの授業では世界史が入ってくるので、真剣に勉強します!
それでは、とりあえず一旦終わります~。
![]() 【新品】【DVD】ハート・アタッカー マシュー・ノル |