おお~気持ちいい
○○ちゃんに揉んでもらったら楽になるわ~

周りには○○ばあちゃんと名の付くおばあちゃんがたくさんいた

話し上手でもないおばあちゃん

ただ
ただ

いん
いん

と聞くだけのおばあちゃん

まぁるい身体が座る部屋

あたしはいつも
まぁるい身体の横に座る

嫌がられる事も
邪魔にされる事もないので
ここが好きだ

子供同士の
あの残酷な世界より
大人が見せる
無関心な視線より

この場所が
好きだ




まぁるい身体のばあちゃんが

あーしんどー

あたしが見よう見まねでする肩揉み

まぁるいばあちゃんは

おお~気持ちいい
○○ちゃんに揉んでもらったら楽になるわ~

と喜んでくれる
その言葉が嬉しくて

あたしは大人になり

マッサージの仕事に就いた


おお~気持ちいい
○○ちゃんに揉んでもらったら楽になるわ~
そんな言葉を期待して

でも

現実はそんなに甘くなくて

ヘタクソ!
金返せ!
など
言われる事もあった

安いマッサージ店が多く出店し
技術が低下する一方で

あたし達みたいに技術で勝負しているお店はお客さんから

安いところはやっぱりダメやわ~


と言われる事が多かったが

売り上げは落ち潰れてしまった





おお~気持ちいい
◇◇ちゃんに揉んでもらったら楽になるわ~

○○ちゃんって名前ではもう呼ばれず
◇◇ちゃんという与えられた名で呼ばれ

ホテルやら
自宅に呼ばれ
マッサージを施す

今まで覚えてきた技術に加え
性的興奮を与えなきゃならない現場でのマッサージ

もっとあなたと付き合ってた頃にしておくんだったと

お客さんの萎びたモノを握りながらそういう事から逃げてきた自分を後悔した



「気持ちよかったぁ」

そう言った時の目尻の下がり方が
とても
おばあちゃんに似ていたので
思い出してしまった







白い部屋の
白いベッドで横たわる身体

ソワソワとあたしは落ち着かず
早くこの場所から去りたかった


帰ろうよ
おばあちゃん

いっしょに
帰ろうよ


おばあちゃんは横になったまま
首を振った

あたしは涙ぐみもう一度

帰ろうよ
おばあちゃん
お家に

いっしょに
帰ろうよ

と言うと
おばあちゃんは力強く首を振りこう言った


○○ちゃん
おばあちゃん
○○ちゃんと一緒には帰れん

おばあちゃん
もう帰れん


あの桜
来年はよう見れんかもなぁ
ほんで
桜のこと
忘れてしまうかも

でもな

○○ちゃんのこと
忘れんから

おばあちゃん
ずっと


そうだ
○○ちゃん
また
肩揉みしてくれん?


・・・いやだ
・・・いやだ


・・・・・・・
・・・・・・・



そうだ
おばあちゃんが揉んであげる

○○ちゃんに揉んでばかりだから

おばあちゃんの手があたしの肩に触れた瞬間

「いやだ!」

あたしは病室を飛び出した


初めて
おばあちゃんがしてくれようとした
肩揉み





あたしはそれからおばあちゃんの


おお~気持ちいい
○○ちゃんに揉んでもらったら楽になるわ


二度と聞く事は無かった








この前は
工場で働いていて
両手が機械に巻き込まれて
指の第一関節が無くなっちゃっている人だった

お腹や太もものお肉を指として移植して
小ぶりなグローブのようの感じの手

かろうじて 右手の親指だけは残っているので
服の着脱だったり
お財布からお金を出したりっていうことはできる 手


普段の生活では関わる機会のない人
ましてや
性的なことなんて…

その手で
おっぱいを揉まれたり
その指で
乳首をくりくりされたり

向き合って
ぎゅっとされて
手でおちんちんをさすっていたら
「エッチしてるみたいだね」ニコニコしながら言われて

あたしはどう返していいやら困ってモジモジして黙ってしまったけれど
本当はそこでうまく何か言葉を返すのがプロなんだよなぁ

そういった言葉の癒しを求めてきてるお客さんもいる現実に驚いた
みんな
ただ
いやらしさだけを求めているんじゃないって
いやしも求めてきてるんだなって



気持ちいいって
たくさん言ってくれる人



それぞれ
いろんなからだ
いろんな凝り方

気持ちいい場所も
気持ちよくさせるやり方も違う

一人ひとりに合ったマッサージの仕方だったり
接し方だったり
を考えながら

それぞれの気持ちいいと感じるポイントや触り方を探りながら
働いています



あの日揉めなかったあしたから

あの日揉めなかったあたしから


あの日おばあちゃんが揉んでくれようとして
揉ませてあげられなかったあたしの身体は
今頃になって
あたしのこころに揉み返しのような痛みを連れてきました


初めて知った
ロクデナシ

まだ観たことない
ヒロアカ

よかったら
聞いてね(私の曲じゃないけれど)






玉子焼き




ゲロゲーロ






まだかえらん



久しぶりに

触れられた

身体は

まだ

また

連れてくる

忘れていた

忘れていなかった

やさしく

触れられた

腰がくだけた

声がもれる

かたく

そそりたつ

さすり

なんども

なんども

あふれてくるのは

感情

だけでは

なかった











結局

そうだ

まただ

この感情

ずっとだな

消えねぇな

なんだろな

みんな

みんなどうやってんだろ?

どう

向き合ってんだろ?













いじょう幸福感



あっ


まだ



新作は


出来ていません