TくんはNPOを立ち上げボランティア活動や原発反対運動をしています。

東日本大震災の時は岩手県に移り住んで地域に密着した活動をしていました。

何という行動力でしょう!

彼は今後、世に出る活動家になるかもしれません。

世界で戦える選手を育てることも素晴らしい事ですが、

Tくんのように社会に対して批評だけでなく自ら行動し汗を流す。

そんな彼に出会えた事を、私は誇りに思います。
それから4年の時が過ぎました。

その当時一緒にやっていたTくんの同級生は高校1年生になり、全国大会にも出られるようになっていました。

Tくんはどうしているかなと思っていた時に、偶然に新聞の記事を見つけました。

それは冬の寒い時にメッセージボードを胸に学生が街頭に立っている写真でした。

小学生の時以来なので最初は分かりませんでした。

なんとなく見覚えのある顔つきにピンと来て、記事をよーく読みました。

名前が、何と!?彼Tくんだったのです。

顔つきが高校生らしくなっていましたが、紛れもなくTくんでした。

驚きと嬉しさで胸が一杯になりました。

彼らのメッセージはこうでした。

「投票権はないけれど高校生だって世の中の事は考えています!」

社会や政治についてのメッセージです。

みんなが無関心の時代に、世の中がこうであって欲しいと立ち上がって行動する。

胸が熱くなりました。

Tくんは5年生までの3年間、一所懸命ゴルフに取り組みました。

途中で練習場が変わって遠くなったりもしたのですが、お姉さんのやる気に押されて?

ガンバって通ってくれました。

その練習場は電車では不便なので、お母さんが仕事で送迎ができない時はお休みになります。

それでも来る時は自分と同じ位のキャディバッグを引きずりながら、いつも笑顔で「こん

にちは!」と挨拶してくれました。

1度だけ全国小学生ゴルフ選手権に出たことがあります。

私がキャディをやって彼がプレーヤーです。周囲には親子と思われていたようです。

彼は本当に楽しそうにプレーしていました。

他の子供達が厳しい表情をしながらプレーするのとは対象的に、彼の笑顔は周囲を明るくします。

成績は案の定?下の方でしたが、ゴルフの楽しさを実感させる充実したひとときでした。

お姉さんは運動能力が素晴らしく、本気で取り組めばプロになることも充分可能でした。

残念ながら、中学生になるとバイオリンに興味を持ち、ゴルフの優先順位は下がってしまいました。

私は音楽の才能に関しては分かりませんが、ひとつの事に夢中になることは素晴らしい事です。

そうこうしている間に二人との別れの時が来ました。

二人が自分の人生に何かを見つけて、突き進んでくれるのを見守っていきたいと思いました。

答えは同じでもそこへたどり着く方法はいくつもあるということです。

人生と同じですね。

子供の、なぜ?という純真な気持ちが、あらゆる事を可能にします。

感じたままで、一番本質を突いているのでしょう。

大人になると、しがらみや言い訳で単純なものを複雑にします。

子供は時に残酷で、その反動など予想できません。

Tくんはそんなにゴルフ好きではなかったようで、周囲から進められたり、家族と一緒にいられる

からクラブを振っていました。

最初の1年はプロゴルファーになるのが夢でしたが、現実(他の上手な子供達)を知るにつれて

また、新しいいろいろ事にも興味を持ち始め、夢はどんどん他の事に膨らんでいったようです。

犬のトリマーや手品師だったり、毎週変わっていきました。
彼、T君が私の所へ来たのは小学校2年の8才の時でした。

本当は10才からの受付なので入れないのですが、お姉さん10才と一緒という事で特別に

受け入れました。

可愛くて小さいのでクラブに振られている状態でした。

それでもこんな小さな子が上手に打っているので、周りでは天才?と言われていたかもしれません。

お姉さんは運動能力が素晴らしく、サッカーに夢中になっていました。

学校のサッカー部に所属していて、一度誘われて見にいった事があります。

一人で活躍して点を取っていて、その大会で優勝したような記憶があります。

そんなお姉さんに影響されてか、一緒にゴルフをやっていたようです。

この頃から口が達者で、お姉さんには力では全然敵わないのですが口では負けませんでした。

とても面白い発想をする子でした。