原始人100万年

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製作・脚本  マイケル・カレラス
監督     ドン・チャフィー                       
キャスト   ジュリー・エーゲ    
       ブライアン・オショネシー
       トニー・ボナー
       ロバート・ジョンほか
       
      1972年  1時間35分

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この作品の原題は「人類が忘れてしまった・・人間達」、すなわち原始人が主人公です。そのような原始人の間にも社会はあり、愛や憎しみが存在しました。ただ、人間のような組織立った言語はまだ未発達でしたので、この映画にもセリフが一切存在しません。全編が冒険とアクションの連続なのです。

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 この作品のプロデューサー マイケル・カレラスはこの映画の6年前に「恐竜100万年」を作り、ラクエル・ウエルチを映画界へ送り出した人です。そのカレラスが自らシナリオを書き制作しました。


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 監督のドン・チャフィーは「恐竜100万年」を演出しカレラスとは名コンビ。この映画の最大の話題は グラマー女優のジュリー・エーゲ。この作品で原始時代の美女ナーラに扮して見事なプロポーションを披露しています。彼女は新しいラクエル・ウエルチの誕生と絶賛されました。

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 「ストーリー」
石器時代、火山にできた洞穴を住処とする種族があった。族長のオールドリーダー、将来の指導者となるべき二人の若いライバル、マクとゼンがいた。ある日火山の地殻変動があり、一族は溶岩や巨大な岩石が落ちてくるのから逃れた。だが族長は死に、そのために主導権を得るためにマクとゼンは戦うこととなった。マクが勝ち、一族はマクの後に従って新たな住処を求めて旅をする。ある日、一族は海岸からやって来た種族と出合い、その種族の娘 ヌーとマクは結婚することとなった。マク一族は肥沃な渓谷を見つけ、そこを新たな住処とした。木の骨組みに動物の川を張った家を造り、農耕を始め、あらたな進歩をするのだった。

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 ヌーは二人の男の子 トウーマクとルールを生んだ。しかしこの二人も成長するにつれ、争う運命にあった。一族にオシの美しい娘が居たが、ある日、略奪の民が娘をさらってしまった。トウーマクは男達を集め、娘を取り返すために略奪者を追った。一族と略奪者の部族は激しい闘いを繰り返したが、最後はルールが略奪者の首領に勝った。ある日、悲しい出来事が起こった。族長のマクが野獣に襲われて死んでしまったのだ。

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 主導権を決めるためにトウーマクとルールは戦わざるをえなかった。二人は長いロープで体を結び、高い岩の上で死闘を繰り返した。最後はトウーマクがルールをうち負かしたが、トウーマクはとどめをささず、ルールを生かした。その後部族はふたつに分裂した。ある時彼等は新しい的に襲われた。奇怪な泥土族だった。彼等は日光を避けるために全身に泥を塗り、頭には粘土で作ったお面をスッポリ被っていた。その風貌に最初は劣勢となっていたトウーマクたちだったが、敵の面を脱がせると彼等は白子だった。彼等は日の光に弱いという弱点があり、それを知られると逃げ去ってしまった。

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 トウーマクと敵対するルールはトウーマクに思いを寄せる娘ナーラを連れだして、トウーマクをおびき出し、断崖の上で娘を火あぶりにしようとしていた。トウーマクとルールの間で最後の闘いが始まった。一歩踏み外せば2000フィート下の谷底へ転落する。二人は必死で戦った。卑怯な手でトウーマクを谷底へ突き落とそうとしたときに現れたのがあのオシの娘だった。
ルールに襲われトウーマクに助けられたことのあるあの娘が、ルールの背に石斧を突き立てたのだった。ルールは谷底へ落ちていった。{END]

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 「恐竜100万年」を作ったマイケル・カルラスはその映画で、恐竜と人間を共存させるという、あまりにもあり得ないスチュエーションを作りだしたので、本作ではできるだけ原始の時代そのままを描こうとし、セリフをも作りませんでした。
他に類を見ないアクションアドベンチャーです。


 映画「紀元前1万年」では、色んな部族が英語を話すことで映画の面白さを損なわないようにしていましたが、セリフが無いという映画も珍しい。ここまで徹した映画でした。