作者、フィリップ・K・ディック。何の気なしに手にしたこの本に夢中になった。最近は読書も億劫だ。だからほとんど読まないでいた。それでも何か読んでみたという欲求がはたらき図書館に。図書館はタダだけど汚れている本は読む気がしない。この「時は乱れて」はきれいでパッケージも良い感じ。あとで知ったがディックは“ブレードランナー”や“トータルリコール”の原作者でもあった。どうりで世界感が似ている。しかも彼は読者を惹きつける技術がうまくあっという間に読破してしまった。世界が自分中心に回っていると思い始める主人公。そして徐々に解き明かされる事実の断片。案外こういうのが好きなんだな。おもしろかった。映画の“トータルリコール”の新作の方が原作に忠実に作られているということで借りてきた。見始めてほどなくして、あ、これ前に借りたわ、と。これがたまにある。二度目だけどディックを意識して見ると違って見えてきてそれなりに楽しめる。それにコリン・ファースって俳優もいい。重量感あふれるシュワよりもこの役にむいている。しかし余計なアクションシーンが多くて疲れる。

映画でいえば“イレブン・ミニッツ”も同時に借りて観た。これもおもしろかった。いろんな伏線を張り見る側を挑発する。俳優さんやカメラは洗練されている。音楽の効果もすごい。欧州の映画。なぞを残したままエンディング。この映画はそれでいい。空にうかぶ黒い点とかね。ただし異常な低空飛行の旅客機はその後どうなったのだろうか。