タングルウッド音楽祭恒例のフィルムナイト。今回はなんとアンドリス・ネルソンスが前半のプロを振った!通常映画音楽はポップス音楽扱いなのか、ボストン響の音楽監督が振ることはごく稀だ(過去に小澤さんがETを振ったらしい)。更に映画音楽。これはめちゃ期待が高まる。で、実際聴いてみた。ネルソンスは“スパルタカス”、バーナード・ハーマンの“めまい”、そしてJ・ウィリアムズの“タンタン”“ドラキュラ”“ET”から地上の冒険、などである。まず、“タンタン麺”に驚いた。冒頭からテンポが速くキレとメリハリがすごい!劇場感もあり活き活きとしている!ネルソンスはマーラーを振るかの如く本気でこの曲に取り組んでいる。ポップスのオケもまるで軽くない。充実した響きを終始出していた。優れた指揮者の腕とはこういうものか。続く“ET”地上の冒険をメインとした組曲。これもシンフォニックでロマンに満ちていた。ウィリアムズ以外の指揮でこの曲がおもしろいと感じたのは初めて。それに彼のアプローチがしっかりしているから説得力がつよい。ネルソンスは“ET”を観たのだろうか。たぶん観ただろうな、分かっているもの、という演奏。ついでに“スパルタカス”の迫力も凄まじかった。“めまい”はサロネンとロス・フィルの名演もあるが、ネルソンスもそれに負けていない。それに客のノリがいいからね、ここは。ウィリアムズの指揮になると、若干それは変わる(ここが指揮者の違い)。緊張感から解放されいつものポップスオーケストラになるから不思議だ。しかしネルソンスの実力をいやがおうにも知らしめた。彼とボストン響はこの秋来日する。チケットが高額な為おれは手が出せないが、まだ余っているようだ。なにしろ外来オケの値段は高い。でも最高値のベルリンは信じられないスピードで完売。日本ならではの現象だろう。それ以外では空席も目立つ。日本を含む世界的経済不況と無関係ではないだろう。