往年のミュージカル(特に“巴里のアメリカ人”)を彷彿させる数々のシーン(ストーリーもそう)。ジャズへの熱き想い。この監督の好きなことをめいっぱい表現している作品のようだ。冒頭のハイウェイでのダンスシーンは圧巻。いったいどうやって撮ったのだ?
しかし監督は人間模様については深掘りしない。むしろあっさりしている。そこがいまひとつ感情移入するには達さないはずなのだけど、ラストシーンのあの2人の視線にはぐっとくる。だから監督はそういう瞬間の映画的シーンを撮るのが上手いのだろう。もの足りなさは感じない。そのうちこの青年監督は往年のジャズの巨匠たちの伝記をきっと撮ることだろう。
デミアン・チャゼルは映画界のグスターボ・ドゥダメルである。