エンドクレジットのとき、人々の緊張は溶け映画の世界から現実に戻り、ちらほらと立ち上がる人がいるものだが、この映画はまるでみんなが感動で金縛りにあったかのようだった。
むろんみんなが満足していたか実際はわからないがそういう雰囲気を肌で感じた。めずらしい現象だ。

関東大震災のシーン。
人々はただ逃げるしか手はないのだが、不気味なほどの静けさが支配している。
ああ、そうだ、現実はものものしい効果音や音楽はなく、ただ生き延びるためにもくもくと歩く、先の震災とダブった。

一緒に行った中学の娘もいたく感銘をうけていた。
この作品、宮崎映画では“ととろ”“カリオストロ”と並んでおれにはベスト。

“その時代”をよくぞここまで描いたものだとジブリの力に感嘆した。
主人公のキャラクターは素朴でありながら強い意思と夢がありいい。
病弱で美しいヒロインがスッと立ち去るシーンはぐっと熱いものがこみあげてきた。

抽象的かつポイントを絞って描いているがあれでちょうどいい。
昨今の映画は説明過多で観客に想像させる楽しみを与えないのだから。

海外映画祭の反応が楽しみ。