御徒町にあるデパートに入ると屋上があることが分かり、行ってみた。

はりここは子どもの頃に何回も両親に連れてきてもらった場所だ。
当時とさして構造が変わっていないからすぐにわかる。

ほろ苦いような思いがわき上がってきた。
当時は無邪気な子どもだったはずだけど、手放しで楽しかったなぁという記憶がよみがえってこない。
それよりどこか胸がしめつけられる想いしか感じられないのは、当時のおれの心境がそうだったからか、または子どもとはそういうものだからという一般的な心理だからなのだろうか。

当時は虫が好きでよく親にせがんだ。
カブトムシもクワガタもここで買ってもらった。
あるとき、タガメの幼虫が500円で売っているのを見つけ、いつも以上のねばりのすえ買ってもらった。
毎朝タガメを見て興奮した。
そのうち幼虫はうまい具合に成虫になった。

しかしある朝、ベランダ飼っていたタガメを見に行ったら水槽の蓋がなぜかあいていた。
悪い予感は的中した。
夜のうちにタガメは自ら蓋を開け飛んで逃げてしまったのだ。

しばらくがっかりしていたのを覚えている。