
■三日前に観たにも係わらず、ずっとこの映画のことが頭から離れない。
電車にのっかっていても眠る前に布団に入っていても、あの主人公のことを考えてしまう。
デリヘルの元締めであるジュンホ(キム・ユンソク)は、どんな危ない局面でもどんどん前にすすむ。
権力にも死の危険すらある暴力にも決して怯まない。まったく怯まない。
ただただ己の道を走ってゆく。あの目はどうだい。
それにきれいごとなどはない。
かなり粗暴なキャラクターであるにも関わらずなぜか惹かれていく。
監督のナ・ホンジンはとんでもない才能をもっている。
これほど“ホンモノ”を感じさせる映画はそうはない。
全編にわたって“ウソ”がなく、自然かつドラマチックに物語はすすむ。
最近公開された“哀しき獣”と同様、ひたすら逃げる!追う!(ここでもハ・ジョンウが逃げ、キム・ユンソクが追う)
脚本もすばらしい。
犯人は早々に警察に身柄を拘束されるが、その後の展開を知るにつれ“そうきたか!”とニヤついてしまった。
泥んこのような脚本、猛獣のような演出。
監督は相当な経験を多く踏んできたのだろう。ジュンホの行動に迷いはない。
もしうすっぺらな監督が撮るとジュンホは主人公として確立しない。
既成概念を覆す強烈な主人公だ。
映画であるための大切な要素のなにもかもがこの作品にはつまっている。
次回作が早く観たい!