■エンドクレジットを最後まで観たのはどれくらいぶりだろう。
だいたいクレジットの前半で出ちゃうんだけど、この映画では身動きができなかった。
 
終始圧巻の感動体験、って言うといかにも陳腐な表現だけど、正直まいった。
監督トム・プーパーは映画の舞台のあの時代で実際に生きていた人なんじゃないか?と疑りたくなるほどすさまじくリアルな演出。
役者陣の迫真の演技もあいまって、まちがいなく歴史的なミュージカル映画だ。
 
“レ・ミゼラブル”という作品は題名こそ知っていたが、内容はまったく知らなかった。
キリスト(神)が絶対視されている時代で、常に神が根底で見ているという背景は最近ではいくぶん食傷気味だったけど、この作品にはそれが命になっている。
絶望的な差別社会では多くの市民は極貧を強いられているが、どの人々の眼にも希望を希求する輝きがある。
しかし運命は熾烈で、現実的に人々は苦しみつつ死んでゆく。
この描写がすごい。
西洋画で革命を描いた作品はたくさん残されており、我々は当時の模様の少しは窺うことができる。フーパー監督は映像でこれを見事に見せつける。
 
でもいちばんはあらゆる出演者たちの演技だ。
あんなしっかりした迫真の演技は最近の映画ではなかなか見られるものじゃない。
スタッフを最小限にして“密”に撮ったのか?
ずっと画面に惹きつけられっぱなしだった。
 
ミュージカルの手法に慣れていない人は初めのうちは違和があるだろうが、これがミュージカルなのだ。
 
観た方がいいよ。こんなすごい映画はそうはない。
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