■新作“アウトレイジビヨンド”がベネチアのコンペに選出されたとのうれしいニュースはつい先日のこと。
10月の日本公開が待ち遠しい。
昨日、前作“アウトレイジ”をDVDでは初めて観た。
劇場では2回観たが、ともにすごい迫力ため身体を硬くしていたけど、DVDだとそれが和らぐため落ち着いて観ることができた。
何度観てもおもしろい。
中盤までは役者にほとんど笑顔はなく激しい怒号の応酬だけど、中盤、椎名桔平が警官を小馬鹿にして笑みがこぼれるシーンがある。
ここから雰囲気が変わる。
“ソナチネ”や“BROTHER”でも見られたいわゆる“たけし流”のゆとり・深みである。
そのゆとりは大友組の他のヤクザにも感染してゆき、ドラマがよりおもしろく変貌する。
たけしさんならではの笑いもぽつぽつ出てくる。
一般的な任侠映画ではこうはならない。
激しさやカッコよさだけで魅せようとするが、そのスタイルはあまり好きじゃない。
たけしさんは「この作品には恐すぎて思わず笑っちゃうところがある」と言っていた。
でも恐すぎて笑うというよりも、もともとたけしさん内部にある“本質”が、お笑いが基盤となっているから、という気がする。
暴力は人間の本質なのでしょう(これはすべての生き物にもいえる)。
暴力を肯定するとか否定するとかという議論には意味がない。
ただし言うまでもなくその扱い方には気をつける必要がある。
人の本質に触れているからか、この映画はおもしろいし、気持ちがすっきりとしてくる。
すっきりとする理由は、ここで描かれているのが嫌味のない暴力だからだ。