
座席には、人っ子一人いない。
貸切か?やったー、とほくそ笑んだ直後、別の親子三人組が入ってきた。ちっ、惜しくも貸切にはならず。でも二家族だけの特別上映になった。
S・スピルバーグ監督最新作の“タンタンの冒険”は日本ではヒットしなかった。
観てみて、なんでこれがヒットしないのかが不思議なおもいがした。だってこれってなかなかおもしろいぜ。
初めのクレジットからかなり凝っている。ジョン・ウィリアムズの軽快な音楽とともに高度で楽しげな映像が展開する。
サントラの出来がいいときは、映画そのもの自体も、出来が良いときなのだ。
スピルバーグ監督作品の音楽ほとんどすべてをウィリアムズが担当しており、“タンタン”の前作インディ4のサントラはあまりおもしろくなかった(ターミナルもキャッチミーイフユーキュアンもあまり良くなかった)。
しかし今回の“タンタン”の音楽は久しぶりにウィリアムズ特有の活劇調が見事に復活しており、それとともに作品もなかなかたいした作品として完成している。
映像は驚異的で、もう一度確認すべく見てみたくなるほど。
ただ作品のメッセージである「どんな困難に打ち負けない強い精神を持つことがなによりも大事なこと」はいまひとつ伝わらなかったのは残念だ。
でも、なるほど、これでは監督をかってでるのが納得できた。
スピルバーグはシリアスやコメディーより、こういう子どもも楽しめる冒険活劇やファンタジーの方が上手い監督だな。