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■人が非常にいきいきと、人間らしく描かれている。

はじめは期待しすぎていたせいか、ああおもしろいな、という程度で見ていた(もっともその前に見たスウェーデン映画の衝撃が強かったものだから)。

しかし赤いスニーカーを履いた青年が恋に破れ、自殺したあとから急激にドラマが深くなっていく。

大丈夫だと青年の母親に胸をはっていた主人公は、窮地に陥り、何事にも自信をなくす。

恋人とも別れ、なにも手につかず、寝巻き裸足のまま、屋上でたばこをふかしている。

この憔悴しきった表情。

そこに恋人があわられ、なにを落ち込んでいるのさ、と小突き、水道の水をぶっかけ、身体をはって励ます。

ここはおれの魂にもガツンと来たね。一緒になって励ましてもらったような気になった。


このシーンを見て監督か脚本は女性ではないのか?とおもった。

なにせいかにも女性のやり方で、男ではこういう発想は書けないのではないのか。

さっぱりとしていて清々しい。

笑いもふんだんにあり、サイコーに楽しめた映画だ。

性に対してもシンプルでオープン。もっとも性はそうであっていいんだろうな。

やりたかったら、やりたいと言えばいい。


主人公の人との接し方がまたいいんだな。

相手は精神病の患者だ。いろんなことを言ってくるし、行動も彼等なりの行動だ。

それに対し突っ張ることはしないで、すべてを受け入れる。この寛大さとあたたかさがいい。熱血漢の組合長だけど、人間味豊かなキャラクターだ。

この映画の根底にはこのあたたかさがつねに流れている。

見ている人はそれに救われる。