
はじめは期待しすぎていたせいか、ああおもしろいな、という程度で見ていた(もっともその前に見たスウェーデン映画の衝撃が強かったものだから)。
しかし赤いスニーカーを履いた青年が恋に破れ、自殺したあとから急激にドラマが深くなっていく。
大丈夫だと青年の母親に胸をはっていた主人公は、窮地に陥り、何事にも自信をなくす。
恋人とも別れ、なにも手につかず、寝巻き裸足のまま、屋上でたばこをふかしている。
この憔悴しきった表情。
そこに恋人があわられ、なにを落ち込んでいるのさ、と小突き、水道の水をぶっかけ、身体をはって励ます。
ここはおれの魂にもガツンと来たね。一緒になって励ましてもらったような気になった。
このシーンを見て監督か脚本は女性ではないのか?とおもった。
なにせいかにも女性のやり方で、男ではこういう発想は書けないのではないのか。
さっぱりとしていて清々しい。
笑いもふんだんにあり、サイコーに楽しめた映画だ。
性に対してもシンプルでオープン。もっとも性はそうであっていいんだろうな。
やりたかったら、やりたいと言えばいい。
主人公の人との接し方がまたいいんだな。
相手は精神病の患者だ。いろんなことを言ってくるし、行動も彼等なりの行動だ。
それに対し突っ張ることはしないで、すべてを受け入れる。この寛大さとあたたかさがいい。熱血漢の組合長だけど、人間味豊かなキャラクターだ。
この映画の根底にはこのあたたかさがつねに流れている。
見ている人はそれに救われる。