
“カモッラ”というイタリア犯罪組織にどっぷりと浸かり、淡々と、ショッキングに描きだす。
映像は常に組織の中にいるから、見ている者はそこから抜けだせない息苦しさをおぼえる。そこも製作者の狙いだろう。
集金屋のおやじが襲撃に遭いながらも運よく生き延び、地下室から地上に小走りに逃げるシーンがある。
ここだけ我々は一般社会の自由な空気を吸うことが許させる。その他は緊張が抜けないカモッラの一人としているようだ。
いくつかのエピソードに分散したオムニバス形式をとっている。
仕立屋のエピソードはよかった。
結局彼は金の魅力に負けて中国人への裁縫講師として見知らぬ土地へ出向き、組織の禁をやぶる。
中国人の“らしい生活”と古めかしい裁縫工場がリアルでいい。
彼らは産業廃棄物を違法に廃棄し企業から利益をむさぼる。
ビジネスマンに扮していてもどこか怪しさが抜けきらないのが可笑しい。
その若き相棒が、とある老婆から貰った桃を畑に捨て、それをきっかけに突然組織をやめると言い放ち、歩きだす早朝のシーン、ここもかなり印象的だ。
とにかく通常の映画じゃ見られないエピソード満載でおもしろいのだが、どこかまとまりがない。
エンディングのエピソードにしてもありきたりすぎて、しまりがないのが残念といえば残念だった。