■会社帰り、おれがたまに寄る“落ち着く場所”がある。

そこはここでも書いたが、ゆったりと煙草をふかしたり、缶ビールを飲んだり、友人とくっちゃべったり、またはボーっと仕事の疲れを癒したりと、様々な人が思い思いに休息する街のデッドスペースである。

ここに久々に寄ったら少し様子が変わっていた。

おれがよく座るコンクリートの基礎というか、ちょっとした腰掛スペースがあるんだけど、なんと、座れないように歪(いびつ)な石が積んであったのだ。

おそらくタバコのポイ捨てを防ぐ対策とかでここを管理している役所の仕業だろう。

しかしなんのコメントもない。ただ石を積むだけというえげつなさ。

そしてみんな役所の思惑どおりそこを避けている。仕方なしに地べたに座っているおっさんもいる。

おれは躊躇なく積んであるその石を蹴落とし、いつものスペースを作り、そこに座った。

何人かがそれを見たがすぐに目線をそらす。「おまえもそうやったらどうなんだ」と地べたに小さく座っているおっさんにテレパシーを送る。だがやらない。

何もしないただただおとなしい連中に怒りをおぼえる。


みんな何事に対しても従順すぎる。決められたことに対して抵抗しない。考えないで意思を押し殺す。そして陰で文句を言う。

それでいいのか?と訝しくおもう。

話をもどす。その場に行政の人がきて、石をどけたことでおれに文句を言ったとしよう。

そうなってもぜんぜん構わない。

どうして石なんか置くのか?ポイ捨て対策だとしたら他にやる方があるのではないか?とかその人と議論ができるからそうなってもいい。




■これと関連したことで、会社の後輩と話していたときのこと。

もう詳しいことは忘れたが、その後輩が“上の人”から(業務に関することだったかな)、ちょっと理不尽ともいえる依頼を受けていた。

おれ「そんなん断ればいいじゃん」

そいつ「いやー・・・」

おれ「自分の考えくらい主張したっていいだろ」

そいつ「・・・仕事ですから」となぜか笑顔。

おれ「おまえ、会社が人を殺せと命令したらアッサリ殺すのか?!」と突っ込もうかと思ったけど、やめた。

こういうのに何を言っても糠に釘だということは何度も経験ずみ。ただ虚しさが残るだけ。


従順であることが正しいと思っていやがる。

おまえは兵士か?兵士であるならば有無を言わず上官に従わないとならないものらしい(だから兵士は嫌だね)。

大勢に従い、温和な笑顔で常に人あたりがよく、和をことさら重視し、平穏な空気を崩すような意見を言わない、そしてその事なにも疑問を感じない、こういうマジョリティー(大勢)とはおれが望むような当たり前の人間関係は築けない。

だからか最近こういう人たちとの距離は大きくなるばかりだ。困ったことだけど、それも仕方がない。


そんな中でたまにそうじゃないヘンなヤツがいる。おれはそういうヘンなヤツと出会うと嬉しくなる。

大勢のくだらなさを見抜いて、誰にも媚びずに勝手気ままに生きている。

または大勢に敏感に反応するがうまくやっていけなくて(いきたくなくて)反抗的になっている(この場合、どうにかして自分が存在できる場所を探し求めるが、そんな都合のいいオアシスがそうやすやすとこの国にあるわけがない)。


いいね、そういう変な奴等!