■本当に望むものというのは、ネットのなかにはない。

よく考えればあるはずがないのだ。

そんなカンタンに欲しいものが手に入るような都合のいい仕組みにこの世の中がなっているわけがない。

ネットの掲載広告はだんだん派手になってきて、いやがおうでも強制的に目に止めるようになってきやがって、うっとおしいったらない。

だから近頃ネットをあまり見なくなった。必要最低限なことだけで、あとは避けている。

ブログもこんな具合しか参加しなくなったし、否定的なことしか言わないジジぃみたいだな(笑)



■でも本には積極的。

買うも借りるもするけど、カンタンに読めるのは立ち読みですます。

けっこう早く読めるようになったから新書やエッセイはその場ですましちゃう。

読みたい本はまだまだ尽きることはないから、本の世界はいいね。


最近の電子書籍については時代の流れだかなんだか知らないが、あれには否定的だな。

絵なんかわざわざ動かさなくていいよ。

読むもののイマジネーションの邪魔になるだけだもの。

実際に電器屋とか行けばこれは試せるんだろうから、今度それで見てみるけど、どうだかね。

「これはいい!」なんて書いたりして。

そんなすぐにコロコロ考えが変わったら、どっかの国の政治家だよな。


■それと、黒澤明監督の『生きものの記録』を京橋のフィルムセンターで友達と観たんだ(今年は生誕100年のメモリアルイヤー)。

やはり映画はスクリーンで観ないと本当には解らない。特に黒澤さんのはそうだ。

原水爆によって近いうち地球上の人類は死滅してしまう、というおそろしい妄想にとらわれた男(三船さん)の話。

エネルギッシュで破天荒な行動で家族や親類を混乱に陥れ、裁判沙汰にまでこじれるが、この男、まったく気力が落ちない。

地場の大工場の創業者であるがゆえんの、気迫だろうが、まったくもってたくましい。

この男がある失敗をして、それまでの生きる全エネルギーを削ぎ落としてしまう。

ある日、志村喬扮する弁護人が都電の中でその男をみかける。

惨めに打ちひしがれたその表情はまるで別人でショックだ。

それまでの気難しい顔であたりをにらみつけていた鋭い目は、すっかりしょげかえってまったく生気がない。

この顔の落差!これが強烈に印象に残る。


画は全編黒澤さんらしくいかにも力強い。

黒澤映画の中ではあまり注目されていない作品だけど、かなり好きだね。