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■これは根性の映像化だね。よくこの複雑な脚本を書ききって、それを見事に映像化したものだと感心したよ。

クリスティアン・ノーマン監督自らがオリジナル脚本を書いているんだけど、とてもおもしろい世界観だ。

なにせ、他人の夢の中に入り込んで、いろいろな“操作”をするんだからさ。

しかも、夢の中のさらにその夢の中、またその先の夢の中までの話なんだ。

ということは、いくつものシーンが同時進行するわけだから、観ている人は混乱しやすい。

でもそれを混乱させないようにつじつまを合わせて書かなくてはならないから、その構成力はすごいとおもう。

しかもノーマン監督は出来るだけCGに頼らない方針らしいので、現場のスタッフと役者達は相当大変だったことだろうな。

それは画(作品)を観ればわかる。

このシーンの撮影にはかなり苦労したんだろうなって。

たとえば高級ホテルの廊下のシーン。

人が無重力状態やくるくる回転するんだけど、あれは本当に巨大飛行機内にセットを組んで無重力状態を現実に作り出していたんじゃないかな。

それくらいリアルなんだよね。


主演のディカプリオは一作ごとに成長していっている。

前作の『シャター・アイランド』もかなりよかったけど、今作品はもっといい。

観客を映画にぐっと引き込ませる強い演技力を魅せる。

すごい俳優になったものだ。

渡辺謙さんも日本の俳優の域をとっくに超えているね、

国際俳優としてこれほど存在感がある人って今までの日本でいなかったんじゃないかな。

当たり前のことだけど、ハリウッド俳優陣にまったく違和感なく溶けこんでいる。


音楽のハンス・ジマーもよかった。

とくにクライマックスでの音楽は、映画にピッタリとよりそっていて、音楽による映像効果が格段とあがっている。感動的だった。

これはすばらしい成功といえるんじゃないかな。


まあ、とにかくこの映画はおもしろいし、見ごたえが存分にあるし、おれは好きだね。

ただ、アクションが多すぎる。あれほどガチャガチャさせない方が、よりインセプションの世界にじっくり入り込めるのに。


■あと、自分の夢の中で「これは夢の中だ・・・」と気づくことが、子どもの頃によくあった。

この映画でも同じだけど、その夢から脱出するたけには夢の中で死ねばいいんだ。

だから子どもの頃のおれはよく夢の中で自殺していた。

悪い奴等から逃れるために、ホームにすごい勢いで入ってくる電車に飛び込んだり、高い塔から飛び降りたりしてたね。

それはたのしい体験だった。自殺することが楽しいなんて変な話だけど、夢のなかではゲームと一緒。どうせ現実に戻るだけなんだと。

すると確かにハッと目が覚めるんだ。

「ほらな、脱出できたぜ」なんて明け方にほくそ笑んでいたもの(笑)


でも、なぜか大人になるにつれて夢が夢だと気がつかないようになった。

脱出できない。悪夢だと延々とうなされつづけている・・・