■昨日の朝、とてもショッキングなシーンに遭遇した。


出勤するのに最寄り駅まで歩いていたとき。

前方に20代前半くらいの女の人がいた。

この人も出勤途中。でもなにかに迷っているようで、その場を考えながらウロウロしている。家に忘れ物でもして取りにもどろうか、といったふう。

おれとその人の距離がだんだん近づいていった。

突然。

その女性は猛然とこっちに走り出してきた。

いや、オレではなく、ちょうど目の前を横切って、建物の脇のほうに。

こう叫んでいた。

「○○さん!!なにしてるんですか!!」

おれはウォークマンでブルックナーを聴きながらいたんだけど、その声にただ事でない逼迫した緊張をかんじた!

その人が走りこんでいった方を見ると、男がぼそっと立っている。

歳は50代前半くらいだろうか。ぱっと見だけど、じつに大人しそうな銀縁メガネをかけたおじさん。

女の人は詰め寄る。「これ以上だと、ケイサツよびますよ!!」

声は興奮と恐怖のため震えている。


この状況から察することは、おれもきっとみなさんと同じ。


女性はこの男につけられていることに悩み、精神的な限界に達していた。

または、メールとか望まない接触を頻繁にやられ続けてきた。そしてあろうことか、遂には家の近くまでやってこられてしまった。

その男の姿が目に入ったとき、恐怖が体中を走り、自分を抑えることができずに、さきほどの行動に。


女性は小柄で派手じゃない。身なりはきちっとして清楚な印象。

その人とこの男の関係は、まったく判るわけもない。


おれはとても気になったが脚をとめずに歩いてしまった。

あのあと、あの人達はどうしたんだろう。

引き返そうか何度か迷った。でも引き返してどうする?なにかできるのか?見ているだけではかえってよくないよな。まさかナイフとか飛び出さないだろうか・・・


このとき、もうひとり別の女に人がすぐ近くにいた。

途中振り返ったらその女の人の姿もない。どうやら彼らのところで立ち止まったらしい。

おそらくこの女の人に加勢しているのだろう。



こういうことが事件に発展することをよく紙面で目にする。

ストーカーとかそういう被害も多いらしい。

それが目の前でそれが起きた。

我を忘れるぐらいの怒りをぶちまけざるを得ないこの女の人は、そうとう精神的にまいっていたはずだ。

男は自分の一方的で身勝手な想いが、彼女を恐怖に陥れ、不幸にしているとは考えないのだろうか。

相手の立場になってモノを考えられない人間がこういう問題をおこすもかもしれない。

ましてや好きとか嫌いとかいう感情は、客観的にモノゴトを見れなくなってしまうから厄介だ。

自分がなにをしているのか、そういうまともな判断ができない。



おれがおもうに、こういう人は知がなさすぎるんだ。

ほかに何もないから歪曲していき変なところで力を入れすぎる。

それが正しいかどうかなんか考えたりしない。

ダメなものはダメなんだ、という基本的なことすら学んでこなかったのだろう。

だから学生のうちから異性のことでもいろんな経験して学ぶ必要はある。

よく事件のコメントで「あのまじめそうな人が・・・」って聞くけど、大人しくまじめな人は、賑やかで不真面目な人と同じくらい大きな感情を持っているんであって、それを隠しているか、出す術を知らない人なだけ。

まじめがいいとは思わない。

いろんな知識を吸収していろんな体験を積んできたヤツが強いし、まともな判断ができるようになる。



それにしてもこんなにも怒りに震える人を見た記憶はない。

その後彼女はうまく事態を収めることに成功したのだろうか。

いまも気になっている。



つづく