■良いも、不思議もあったコンサートであった。

前半のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。

1楽章はかなりの緩急と強弱(特に弱)をつけた演奏で、どうしてもそれがしっくりこず、頭を傾げていた。

ヒラリー・ハーンは真っ赤な美しいドレスで登場。

若くして堂々と貫禄たっぷりに弾く。ヴァイオリンの音は重量感と存在感が存分にあってたいしたものだなぁ、と聴いていた。

しかし、解釈があわなかった。

あのテンポと弱音は終始消化できずにいたので、聴いているのが辛くなってきた。

残念ながら、オケもここではいたってフツーにしか聴こえなかった。

実力のある指揮者と欧州名門オケだからさすがだ!といった期待感がうすれていき。もしかしたらそれは在京オケも最近は実力があがってきて、その差がなくなってきただけなのだろうか、と考えたりしていた。

でもここまでクールなチャイコフスキーはやはりいただけない。

終焉後はぽつりぽつり拍手をしたけど、会場全体は大きな拍手につつまれた。

1階中央に座っていた吉田秀和氏も盛大に拍手をおくっていた。

おれとまったく違う反応がおもしろかった。

それでも、アンコールに弾いたイザイとバッハはよかった。

特にバッハ。これぞヒラリー・ハーンと思わせてくれる快演!

じつにのびのびとしっかりした内容で満足した。

また改めて彼女のヴァイオリンは聴いてみたい。


さて、後半のシベリウス。

これはすばらしかった。

特に第2、第4楽章。

2楽章の終盤の充実度といったらない!

すばらしいシベリウスですっかり感動した。

終楽章の早めのテンポもちょうどいいくらい。あれはもたつくと胃もたれをおこしかねない。

それにしてもいい曲だ。

シベリウスの感情がストレートに出ていて、すっかり酔いしれた。

サロネンの指揮は最近の指揮者の傾向にあるように、メリハリをつける。

これが協奏曲のときは不自然な仕掛けに聞こえたのだけど、シベリウスではそんな違和感がなく、実に効果的に響いていた。

さすが、同郷だ。

でも、欲を言ってしまえば、もっと味が濃いのがよかった。

もっと味が濃くてゆったりとたっぷりと音楽にひたりたいとおもった。

時代のせいか。現代の演奏ではなかなかそれは望めない。

でも、音楽は、もっと余裕があって、いい意味で隙間があった方がおれは好きだ。

そのせいか、クリュイタンスやプレートルの昔の録音に惹かれるんだよね。


とはいってもサントリーホールを出た後は幸せな気分に満ちていた。

これだからコンサートはやめられない。


とむさん、今回もどうもありがとうね^^


じゃんじゃん