
『チャイナタウン』は脚本がたいへん優れた作品、との評判が載っていたので勉強がてら観ることにした。
『E.T.』はオレが中学2年のときにロードショー公開され、東銀座の松竹セントラルに3回も観にいったほど大好きな作品。子ども達と観るには格好だし、久しぶりにちゃんと見直したかった。
『チャイナタウン』主演の若きジャック・ニコルソンは、頑なに信念を貫く正義の役を演じている。
同じく主演した『カッコウの巣の上で』を髣髴させる名キャラクターを見事に演じていた。
ラストシーン。警察すら正義を放棄する廃退した姿を見せつけられる。ニコルソンの「“なまけもの”の街だ‥」というつぶやきは魂の芯までとどく名ゼリフだ。
この脚本にはいくつもの効果的な仕掛けがされていたし、社会背景を巧みにとりこんでいる。うまい。
そうかといって、すごく感銘をうけた!というほどではない。雰囲気についていけない部分があったし(演出だろう)、不明な点が残っているからだ。今週もう一度観てみたい。
『E.T.』はテンポがゆったりに感じた。現代の映画の早過ぎるテンポに慣れすぎてしまっているためだろう。しかし子どもの心情をこんなにもうまく描くことができるのがスピルバーグ監督の良さだろう。
大切なものは大切にしないといつのまにか大切なものではなくなってしまう。
好きな映画のことや音楽のことを分かっているつもりでも、ぜんぜん分かっていない。まったく勉強不足だということを最近痛感している。
大切なものは、放っておいたり、正面から取り組む姿勢を崩してしまうと、その魅力の魔法から解かれてしまうことがあるんだ。
大切なものでありつづけたいと考えているのなら、努力は当然ながら必要なこと。
というわけで、まじめに勉強している。
いろんな知識を吸収し、作品を深くみつめる。
今週はBS2で『クレイマークレイマー』、フェリーニ『8 1/2』、ビスコンティ『山猫』を放映してくれる。
映画のお手本のような名作たち。
『クレイマー、クレイマー』は何度か観ているが、すばらしい作品だ。その他は今回がはじめて。非常に楽しみだ。
本もやたらと読む。
「この渇望感はいったいどうしたんだろう」という不思議な感じのなか、ちょっとでも気になった本をかたっぱしから読んでいる。
図書館でばさばさ借りてきたり、書店でひょいっと買ったり。
先週末本屋さんで、角田光代さん『森に眠る魚』の冒頭をぱらぱら見て、「あ、これは必要な本だ」と感じてひょいっと買った。小川洋子さんの新著も読みだすだろう(なぜか女性作家ばかりだけど特別な意図はない。おもしろいから読んでいる)
『森に眠る魚』には角田さん特有のとても現実的でとても厳しい対人関係が描かれている。
「女性達はそんなことまで気をまわして生きているのか?」と読んでいて息づまる場面がおおい。
主演は幼い子どもをもった若い母親たち。
彼女たちの会話のなかには常に鋭い駆け引きがある。
なんてことない言葉ひとつで深く傷けられたり、いっとき安堵させられたり、かとおもえば思い出したくもない苦い過去を今頃ほじくりかえされたり・・・
そういうことは誰でも日常で経験している。
信頼できる人のいない不安と孤独のなかに、ポツンとりのこされている彼女たち。
その彼女たちはお互いでお互いを支えあっているような、いないような・・
読んでいて、どの人もやたらと“気にしすぎる”し“オープンものを言わない”もしくは“オープンにものを言えない”。それが日本の社会の現実だということも知っている。が、ここに描かれているのはウチの近所の実情よりがんじがらめの人間関係だ。
反対にオレはなんでも相手に思った事を言ってしまう。
腹に貯めておくということはしないし、したくない。
だから時には煙たがられるし、時には話しやすい奴だと言われる。
シナリオを書いている連中は一様に好奇心旺盛で、なんでも突っ込んで知りたいという欲求をもっている。だからみんながんがん突っ込んで話すし聞いてくる。オレもそうだからなのか裏も表もないそういう空間は居心地がいい。
そういえば、川上弘美さんの『風花』。
のゆりはついに自分から動いた。
動かざるをえない所まで追い込まれていた。いったん動き出すとそういう人物はしっかりと固くなる。後戻りはしない。
その後で相手がどうあがいてもどうしようもない。
じゃんじゃん