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■これは土曜の朝日新聞“be”に載っていたキャスティングディレクターの奈良橋陽子さんの言葉。

国内外の第一線で精力的に活躍している人の、あの超人的なパワーはいったいどこからくるのか?とずっと疑問におもっていた。

奈良橋さんの言葉はそのナゾを解いてくれた。

どうしてもこれがやりたい!なにがなんでも成し遂げたい!という強烈な気持ちは、その人自身も思ってもみなかった力の源になる。

とやかく考えていられないのだろう。

こうとおもったら即行動にでて、壁にぶちあたりながらも四苦八苦してやっとのことで乗り越える。

それもこれも根底にある強い願望があるからこそ立ち向かっていける。

これこそが驚異的なエネルギーを生むことができる原子だったのだ。

なるほどぁ、そういうことなんだ、と、納得。

まずは思い(想い)。それゆえの行動。考えみれば当たりまえのことかもしれないが、簡単なことではない。

「思い(想い)は人を動かす」だね。

それに、そういう人の表情はほんとうに輝いているものだ。

人間のいちばんの輝きはそういうところだろう。


■ピアニストの仲道郁代さんも同じように輝いている人。

先日の仲道郁代さんのピアノリサイタル。

モーツァルト、ラフマニノフ、スクリャービン、そしてショパン。

前回のサントリーホール公演(2007年11月)に引きつづき多彩なプログラムだ。

そして今回も幸福感あふれる素晴らしいコンサートとなった。


ラフマニノフのピアノ小品ははじめて聴く曲ばかりだったが、どれも感銘をうけた。

幻想小品集のなかの『鐘』は、なにかの重大な運命的な示唆、死の訪れともとれる、荘厳な意味を感じる。ラフマニノフの大きな特性であるダークな側面。

続く舞踏風な“10の前奏曲”よりト短調もいかにもラフマニノフらしい音楽で、たのしい。

この数曲でラフマニノフにかなり興味がでたので、これからの音楽はラフマニノフを中心に聴いていこうとおもう。

数年前に聴いたウラディーミル・ホロヴィッツの弾くラフマニノフが衝撃的なおもしろさだったのでまずはこれを買うとしよう(画像)


後半は、ショパンの24の前奏曲。

こちらも曲の真髄に迫る大変充実した演奏。

CDでは予習も含め何度か聴いてきた曲だけど、こんなにもすさまじくおもしろい音楽だったとは知らなかった。

大好きな“雨だれ”前奏曲は、しっとりと抑制がきいた優演で、中間部も過剰な強調はしないのが好感がもてた。雨つぶが上から降ってやきやしないか?とホール天井をながめてしまった(笑)

つづく16番では堂々とした表現。自然な音楽の流れ・移行がよかった。

最終曲である第24番(ニ短調)の情熱的な曲を、熱く、そして美しく弾いていた。

その演奏の影響で、この曲にもハマって家に帰ってからも聴いた。


仲道さんは本当にすごいピアニストになっている。

アンコールで弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタ『悲愴』第二楽章では、それまでの響きとは違う“ベートーヴェンの響き”に完全になっていた。

情緒的で安らぎに満ちた響きのなかにもベートーヴェンらしい芯の強さを感じる。

仲道さんのベートーヴェンが広く高い評価を獲得していることがよくわかる演奏だ。


彼女の目の前にはまだまだ広大で明るい道がひろがっている。

僕達はそれを見つめていこうとおもう。

仲道さんは音楽を聴きに来てくれる聴衆のことをほんとうに大切におもっている。

それがストレートに伝わる。

舞台でのしぐさ一つ一つにそういう想いがにじみ出ていて、見ている僕達もそれがとてもうれしく微笑ましくなる。

そういうこともひっくるめて、とても幸せなひとときでした。



じゃんじゃん