■BS2でやっている黒澤明全集。

先週土曜日は桑畑三十朗(三船敏郎)が大活躍の『用心棒』

BSデジタル映像で観るとかなり臨場感があって、黒澤作品が本来もっている映像の力に近づける。

『用心棒』・・あらためて観るとやっぱりすごい映画だ!

おもしろすぎるのは当たり前だけど、まず、テンポがすごい!!

各シーンにはまったくムダがない。

颯爽としている。

かといって作品構成が欠けることはないから物足りないなんてことはない(編集も監督自身がやっているのでハリウッド作品のような不協和音はない)。

ラストシーン。
「あばよ!」と言って三十朗がスパッと立ち去るとともにエンディング音楽が鳴り“終”の文字。

観客を余計な感情に浸らせない。

ここは鳥肌が立つほどカッコいい。


■黒澤さんは演歌が嫌いだと言っていた。

それは、ジメジメした歌詞とメロディーが苦手だったという(黒澤さんは不器用すぎるほど実直なのだろうか?とも思った)

“過去をそんなに陰々と振り返ってどうすんだ!もっと前を見てしゃんと歩け!”といったところだろう。

黒澤作品にはそんな燐とした姿勢が一貫している。

観るたびに、背筋がピンとし目が覚めるような思いになる。

映画館を出るときはすっかり三十朗になっていて、街を歩いていても浪人になりきっている(笑)


■『用心棒』は徹底的に娯楽に徹している(そのため非難されたりもしたが・・)。

中学のときにはじめて『用心棒』と続編である『椿三十郎』を観たときは文字どおり衝撃だった。

小学校から映画が大好きで、親父に連れられて上野や銀座でいろんな映画を観てきた。

黒澤作品はそれまで観てきた映画のどれよりも格段にスケールがでかく、おもしろかった。

“こんなにおもしろい映画が世の中にあったのか!?しかもここ日本で!”

その後、完全に黒澤作品にのめり込んでいった。

高校のとき部活で映画を撮ったのだけど、ほとんど黒澤さんとヒッチコックのパクリ(笑)

ストーリー展開やカメラの使い方とかいろいろ・・・

遊びみたいな部活だったので、みんなあまりやる気なし。

でも、1本くらいはちゃんと撮りたかったから、なんとか撮った。

出来は、まあ・・・ね^^;


最近は往年の黒澤作品をリメイクする風潮があるのか、もしくは映画界にネタが切れたのかわからないが、同じような時代設定で撮りなおしている(まあ、音楽でいうとベートーヴェン作品を違う指揮者で演奏しているようなことかもしれないが。いやちょっと違うかな。)

観てないからなんとも言えないが、あれほど完成された作品をリメイクする必要がなぜあるのか分からない。

それよりも黒澤作品のリバイバルを上映してほしいものだ。

日本の若い人達は黒澤作品を映画館で観る機会がないので、その真価を知ることが出来ない。

もったいないことだ。

日本人として生まれて良かったと思える1つの経験になるのに。


じゃんじゃん