■録画しておいた立川談志師匠の『芝浜』をみた。

落語というものはあまり見たことがなかったけど、この『芝浜』には感動した。

『芝浜』は江戸時代の貧しい夫婦の物語。
旦那が無類の酒好きなため、いつでも貧乏から抜け出せずに大変な思いをしているおかみさん。
でもそのうち思わぬ幸運が舞い込んでくるが・・・ま、あとはネタバレになるので(笑)

とてもいいはなしです。
心あたたまる素敵な夫婦愛をえがいており、最後の落ちもサラリと粋だ。


これを談志師匠が演じる。

師匠はもちろん話の筋をおうが、毎回同じようには演じていないようだ。
随所にその場で思いついたアドリブのような台詞回しや鼻歌がはいる。

この余裕が心地いい。

酒好きだが、根はとても人がいい魚売りの男の気骨の強さと、旦那を影からしっかり支える心優しい女房のそれぞれの個性が強烈に浮き彫りにされ、終盤はおおいに感動させられた。

中盤から師匠はじゃんじゃんのってきて、見るものを一瞬たりとも気が抜けない状態にする。

とてもすごい『芝浜』だ。


たまに見たくなると思うので永久保存版になるだろう。


■芸は多少のアドリブがあった方がおもしろい。僕はこう思っている。

むしろ全部その場の思いつきでもいいのだ。

そういう即興性からうまれる芸は、計算抜きでその人物の個性がそのままでる。

頭でじっくり考えることがない分、不完全だけど、おもしろみがそのまま生きているような、そういうことに本当のおもしろさを感じる。

今の芸人さんはネタを練習しつくして、本番ではそれを間違えないようにさらう。

これではまるで俳優さんのようで、どうも堅苦しっくてものたりない想いがする。

台詞も流暢で“カマない”というのが絶対条件になっているような気がするし、もっと肩の力を抜いて演じればもっとおもしろいものができるのに・・

とくに漫才のようなしゃべりのお笑いでは、そんなに練習はしないで、本番で芸をつくりあげるようでもいいと思う。
舞台でなんとなく作品ができあがる。
最終的にはおもいもしなかった結末になったっていい。

そういうのがおもしろいんじゃないかな。


■そういえば、むかしは飲んだときに適当にコンビを組ませて即興の漫才をやったりして遊んだ。

グーパージャンでランダムにコンビを結成して、打合せなしで喋っていく。

でもテーマだけは決めておいて、そこからどんどん外れてもいい。

だいたいのコンビは話の展開が続かないで途中で尻切れトンボになってしまう。

それでもたまに、コンビの相性がいいのか、いい具合に酒が効いているのかわからないが、即興性がいきいきと展開していって本当におもしろい漫才ができるときがあった。



アホな時代の飲み方でした^^;

じゃんじゃん