
これはベネズエラのユースオーケストラの活動を紹介したもの。
ベネズエラといえば南米北部に位置する国で、僕はその国に関する知識はほとんどない。
イメージ的には発展途上国で、ブラジルや中南米のような風景が連想されるくらいだ。
しかし、この国で起きているオーケストラを通しての子どもへの教育は、信じられないくらい熱狂的で感動的だ。
ある1人の男性の呼び掛けから30年を経た現在、非常に多くの子どもたち(幼い子も多い!)がオーケストラで演奏し、音楽を全身で表現している。
しかも編成がとんでもなくデカい!
通常オーケストラの人数は100人程度だが、ベネズエラのユースオケはその何倍もの編成。800人(!)にものぼる場合もあるという。
その映像も圧巻だ。
人数が多いだけでない。
みんなの意気込みが凄いので、オケからでる音は非常に情熱的で、心が揺さぶられる感動的で充実した響きなのだ。
クラウディオ・アバドがこのユースオケを指揮してチャイコフスキー『ロミオとジュリエット』を演奏していたが、聴いた瞬間に感動し、おもわず涙が溢れそうになった。
サイモン・ラトルも最大級の賛辞をおくっている。
彼はこのユースオケでマーラーの『復活』を指揮していたが、演奏終了後のインタヴューで「この演奏をマーラーに聴かせたい。いや、聴いているかな?」とニヤリと笑っていた。
オケのメンバーを見渡すと、未収学年の幼い子どもから高校生くらいまでだろうか。
こんな素晴らしいことがクラシックとは縁遠いと勝手に思っていたベネズエラで実際に起こっていることに驚いた。
それとともに彼等の活き活きとした表情がなんとも素敵だ。
公園でチェロを友達に聴かせていた小学校くらいの男の子の自身にあふれた落ち着いた表情。
バッハを楽々と弾きこなしながら街をあるく少女・・。
これまでこの国では音楽をはじめ、芸術・文化はある一握りの特権階級だけが享受することができた。
一般の国民には行きわたらない。そんな現状を打破しようと一人の男が立ち上がった。はじめはあまりにも少数しか集まらないので運用継続は困難かと思われた。しかし、彼はあきらめず根気強く運営をつづけ、今では国全体にまで広まった。
なんとも素敵なことだ!!
そして、なにより素晴らしいのは、子どもたちが音楽とともに暮らしていて、輝かしい表情をしているということ。
ベネズエラは日本のようにモノに溢れていない。
これは、子どもたちは余計なものに目を奪われることがないということでもある。
必然的にモノがない、モノがあり過ぎないということは、実はいいことも多い。
彼等の未来は明るい!!・・そう思えた。