
どうしても観ておきたかった北野武さんの新作『監督・ばんざい!』だ(今週かぎりで終了してしまうらしい)。
観客は僕を含めて3人。なかりの大人気だね。
それにしても、いやー、すごいね、これは・・そして、参りました。
最後は頭が痛くなってきたよ^^;
こんなにやりたい放題できる映画監督はタケシさんくらいじゃないでしょうかね。さすがですよ。
興行収入のことなんかほとんど意識していないような自由方便な姿勢。
でも、最高におかしかったわ^^
1人でげらげら大笑いしてたもの(笑)
古びたラーメン屋でのプロレス、江守徹さんのアホな演説シーンやら、本当にくだらなすぎて大爆笑!
よくあそこまでやるもんだよ。
これは、同監督の『みんなやってるかー!』に匹敵するくらいのめちゃくちゃな内容。
前半は比較的わかりやすく、「これは、なかなか名作じゃないの」などと余裕をもって楽しんでいたら、後半はとんでもなかった・・途中から構成も変わってきて、本当になんだかわからない。
左脳の前方が痛くなってきたもの^^;
これは、ちゃんと「映画を観よう!」などと思って観てはいけないね(笑)
しかし、この作品を撮る監督の心情は少しわかる。
その1つに、今の日本映画やハリウッド映画のポリシーがなく、わざとらしい映画事情に、どうにも我慢がならないのかもしれない。
「これをやれば観客が入る!」という市場調査をして戦略を練ってそれぞれの担当が分業で作る(編集ですら!)ようなのは、単なるテーマパーク的な金儲け産業でしかなくて、本当の映画とはほど遠い。
興行収入優先に考えて映画をつくる人は結局は観客に媚びてしまうので、そういう姿勢で撮った映画はどこか押し付けがましいし、嘘っぽい。『フィルムメーカー』とは別人なのだろう。
これは経済とか産業と同じで、流行をいち早く取り入れて、人気俳優を起用し、大々的にCMでも流す手法。映画とはこういうものじゃないはずだった。
むしろ、そういうこととは正反対に位置するもので、世の中に警鐘をならす役割でもあったのだ。
別に観客のことをそんなに意識する必要なんかない。自分の感じた気持ちをそのまま映像化すればいい。優れた作品は実にシンプルなのだ(ベートーヴェンだってモーツァルトだって自己の芸術性を追及したにすぎない)。
いや、観客のことをもっと真剣に考えれば、今の主流の映画つくりはもっと違ったはずだ。タケシさんこそ観客のことを最も考えているといえるかもしれない。
■本編がはじまる前に今年のカンヌ国際映画祭で上映された短編を上映した。
これも粋な作品で、素敵な短編。にやにやしながら観ていた。それに映像がタケシさんらしくなく(失礼!)ファンタジックな美しさだったのが印象的。
■タケシさんの作品を観たあとは、世の中の虚像が見えてしまうというか、普段は見過ごしてしまうウソが見える、そんな感覚になれる。
きれいごとばかりを口にして、その内面では何も考えていないような人達・・
世の中にあふれる情報に流されて、それが正しいと信じきっている盲目な人達・・
「もっと目を覚まして、ちゃんと世界を見てみろ!」と言われているようだ。
タケシさんは「映画を愛している」なんていう奴はろくでもない!と言うが、彼ほど映画のことを真剣にとらえている人はなかなかいないのではないかと思う(本人は照れて思ってもなかなか言わないが)
彼の作品から直にその想いは伝わる。
しかし、『監督・ばんざい!』、これはヒットしませんなー^^;