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■先日、BS2で放映したビリー・ワイルダー監督の『情婦』(1957年アメリカ)をみた。

この作品、今回はじめて観た。

アガサ・クリスティの原作をワイルダーが監督をしたというのが意外であったし、出演者も興味深い。タイロン・パワーとマレーネ・デートリッヒが主演。

さて、この作品はサスペンスであり裁判シーンが半分ほどを占めるスリリングな物語だけど、人間をユーモラスに温かく演出するワイルダー監督なだけに、じつに粋な作品になっている。

深刻なストーリーのわりには明るいし、おかしくて笑ってしまうシーンが多い。

古き良きアメリカ映画・・

50年代までのハリウッド映画はこういう素敵な映画をじゃんじゃんつくっていて、アメリカという国に憧れをもてた時代だった。

デートリッヒの冷徹なドイツ女性役はほんとうに凄い。

上から見下ろす感情が感じられない目線と、堂々とした物腰。あの目で見られたら怖くて震え上がるのではないか?^^;

タイロン・パワーの善良で熱血感の青年ぶり。

しかし、なんといってもロバーツ弁護士役のロートンだ。

彼の存在感はとても多きい。この映画全体に漂うどこか温かい人間関係がこの時代に存在したことを分からせてくれることに貢献している。彼はいろんなユーモラスな表情をして、観るものに心からの安堵感と社会への希望を与える。こんなにも素晴らしい役者が昔のアメリカにはいたのだ。

ワイルダー映画の脇役はどれも魅力的。それぞれが独自の存在感を発揮している。これはとてもおもしろい。

おもしろいといえば、ストーリーも最高におもしろい。そこはさすがにアガサ・クリスティー。最後のどんでん返しも見事にひっかかってしまった^^。

間違いなく、おすすめの一本!



『アガサ・クリスティが自身の短編小説を基に戯曲化した『検察側の証人』の映画化。金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナード(パワー)は、老齢ながらロンドンきっての敏腕弁護士ロバーツ(ロートン)に弁護を依頼。だが“検察側の証人”として法廷に立ったレナードの妻クリスティーネ(ディートリッヒ)から、思いもかけない証言が発せられた……』