■映画館で本編開始前にこれから公開される作品のCMをやりますよね。
あれは非常に楽しみで、けっこう真剣に観ているんです(笑)。
どの作品も“良いとこ取り”みたいに派手なシーンやポイントとなるシーンをパッパと見せる。なかには内容のほとんどを見せてしまい、最後のシーンは劇場で!みたいなCMもある。スパイダーマンはまさにそれで、「こんなに見せたらラストシーンまでは退屈になっちゃうんじゃないか?」と余計な心配をしてしまうものもある。

■先日『武士の一分』を観にいったときのCMではほとんどが同じ路線の作品でいささかうんざりした。
作品名は覚えていないが、日本と韓国の作品だったけど、みんな「余命あと少し、悲しい話で泣かせますよー!」みたいな内容。
最近多いと思いますよ、『泣かせる映画』。

ただ、泣かせる作品にもいろいろある。
悲しくて泣く、うれしくて泣いてしまう、怖くて泣く、つまらなくて泣く(笑)・・などなど
うれしくてつい涙があふれるという作品では『スミス都へ行く』という往年のアメリカ作品が真っ先に浮かんでくる。
これは学生の頃かな、銀座の和光の裏の名画座で観たのだが、感動で思いっきり泣いているところでいきなり終わって、すぐに場内があかるくなるもんだからこれは困った(^^;)。

■昨今の作品はあまりよく見ていないので、なんとも言えないが、製作者の意図が違うような気がするんです。
ただ単に観客を泣かせるのはそれほど難しくない。悲しい話であれば、自分の経験と照らし合わせて悲しみの琴線に触れてつい泣いてしまうことがあるからだ。
単に泣かせる映画という意図ではなく、その主人公の人生の探求というか、もっと深い真実の作品(抽象的な表現だなー)を作ろうという製作者の意図でつくられ、結果的に悲しい映画ができあがるのとでは違う。
今は芸術としての映画よりもその作品が産業として成功するかどうか?という目線で作られる傾向が強い。
こういう制作意図はもろに作品に影響する。
ヒット作に物足らなさを感じるのはここからくるのだろうか・・
むろん、今でも素晴らしい作品はあるし、今後もでてくる。