■BS2にて放映した『夏の嵐』(1954年イタリア)を観た。
といっても時間の都合上、半分しか観られていないが。

それでも、いろんなことを考えさせられる作品だ。
この物語の時代設定は1850年代だったかな?イタリアがオーストリアに併合(占領かな?)させられていた時代。
そんな時代があったことも僕は知らなかった。

登場するイタリア人は祖国のために命がけで威信をかけて戦う。
高い精神性を感じる。
危険と知りながらも、国と己の威信のために戦うという生き方。
今の私達にはない精神だ。
それに登場する女性の品の高いこと。
本当に美しいのだ。
見せかけの品の良さでなく、内面から湧き出る品のよさ。

やはり人間は内面だと感じた。

■この監督はクラシック音楽を多用している。
この作品でもオペラ座が重要な位置を占めているし、バックミュージックはなんとブルックナーの交響曲第7番!
後日放送する『ヴェニスに死す』ではマーラー交響曲第5番のアダージョが登場。
(この作品でマーラーのこの曲は世に広く知られるようになる)

それに、オペラのシーンが面白い。
当時はまだ電気が発明されていない時代設定だから、劇場内はライトではなくロウソクの炎で明かりをとっているのだ!
ホールのシャンデリアには無数のロウソクが立てられている。(あれって客席に熱いロウが落ちたりしないのだろうか?)
オケの連中もロウソクの明かりでスコアを読む。
あれだけロウソクがあれば、さぞかし劇場内は煙くて、ロウの燃える匂いが充満していたことだろう。
モーツァルトもベートーヴェンもそういう時代に生きて、そういう劇場で上演されるのをイメージして曲を書いた。
そんだけ煙が身近にあれば禁煙など誰も言わない時代。
二酸化炭素の排出など問題にならす、人と自然のバランスがとれていた時代。

そういうところで音楽を聴いてみたい。

■今はなんでも綺麗で過ごしやすいのだが、ときおり綺麗過ぎて居心地の悪さを感じる場合もある。
先日行った有楽町ガード下の居酒屋の焼き鳥の煙が充満しているあの場所。
なぜか、居心地の良さと、人間的な温かみを感じた。

あの煙が漂う社会は、様々な濃厚な人間ドラマが生まれる土壌なのかもしれない。

以後のヴィスコンティ作品が楽しみだ。