
久しぶりに彼の映画を劇場で見た。
出来は申し分ない、というより・・・
面白いですよ!!これは!
大人の男女間でおきる“怖いところ”が存分に描かれているばかりではない。
そういった過程もむろん楽しめるんですが、芸術的要素が盛り込まれているのと、映画的な面白さが非常に味わえるんです。
■監督は“好きなオペラを映像化したかったのかな?”と思った。
バックに流れる音楽はSP時代のオペラのアリア(「椿姫」が作中に出てくるので、ヴェルディか?)。
物語の展開部(ネタバレになるので内容は伏せます)ではオペラ(これもヴェルディか?)の激しい管弦楽と男女の言い争うセリフが流れている。
古典オペラを現代の日常にそのまま置き換えたような印象をもつ(思えばモーツァルトの『ドンジョバンニ』はかなり激しい男女憎悪の物語。)。
「面白いことをやるなー」と関心する。
さらに、主人公クリスはラスコーリニコフにもなる。
ドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいるシーンが伏線となり、この小説である主人公のラスコーリニコフと同じ行動をとってしまう。
アレンらしい粋な展開だ。何だか嬉しくなる。
■映画制作を知りつくしたウディ・アレン監督ならではの本格的なサスペンス映画。
今回、本人は登場していないし、特有のギャグもでてこない。
この作品のテーマは、不倫が織り成す愛欲、憎悪、または生き方の選択といったところ。
舞台はロンドン。監督はアメリカ人。
男女の関係については、欧米は日本よりもオープンな感じはするが基本は同じ。
不倫によって苦しむ人間はたくさんいる。
この映画で見られるように結末は決してハッピーではないのだろう。
しかし、なかには不倫をしてハッピーエンドという実例もあるだろうし、そういう本や映画もあるだろう。
アレンは例によって脚本も担当しているが「やはり不倫は良いことはない」という姿勢をとっている。
これを変に意外性を持たせようとしたりして「不倫も良いものだ。」なんて終わり方は後味が悪くていけない。