■昨日の晩はBSで録画しておいたA・ヒッチコック監督の「間違われた男」を観た。
ヒッチ監督作品はほとんどすべて観たが’50年代のこの作品でまだ観ていなかった。
主演はヘンリー・フォンダ。誠実な市民を演じるにはうってつけの俳優だが、設定が38歳(僕と同じ年)というのは無理がある。どう観ても50代にしか見えない。
ともあれこの作品は実話に基づいたものである。強盗の冤罪をきせられた男とその家族のさまを淡々と描く。ヒッチコック監督作品のほとんどは独特のユーモアがあって、緊張のなかにもホッとできるシーンがある(これが返って恐怖感を助長する役割もあるのだが)。しかし、この作品ではそのユーモアがない。じわじわとこの男と家族が追い詰められていく。冒頭で監督自身のコメントがあったように細部へのこだわりが随所にある。刑事に指紋をとられるシーンなどは10本の指すべての指紋押捺が撮られている。しかも淡々と。主人公のフォンダもわけが分からない状況のため無表情となっている。
音楽はヒッチの相棒B・ハーマン。いつものドラマチックな音楽は影を潜め、最小限度の音楽しかない。しかし、その効果は抜群にある。本格的な社会派ドラマだ。ニュープリントのためか映像は極めて美しい。’50年代の白黒映画は本当に美しい。カラーよりも良い。
見ごたえがあって、面白い映画だった。
■これで満足して眠ればいいものを、やはりルービーと音楽が欲しくなる。
夜も遅いのに、クライバー(ベートーヴェン)とヴァント(シューベルト)を聴いてようやく寝た。
今日も寝不足ですわ・・・