
有名な批評家の姿も見られた(吉田秀和氏もいたような気が・・)。
さて、演奏。
一言でいうと、とてもエキサイティングでクリアなマーラーだった。
第1楽章の中間部では怒涛の嵐が押し寄せ、何度も鳥肌が立った。この瞬間、ハーディングはとてつもない指揮者だと確信した。第1楽章は決定的で完璧な演奏。ここだけでもまた聴きたいものだ。
ハーディングはアバドとラトルに師事したせいもあって、棒の振り方はアバドにとてもよく似ている。音楽づくりもアバドとラトルを彷彿させるものがあった。
しかし、真似ではない独自さがもちろんある。
これでは世界のオーケストラから招かれるのも頷ける。
本当に素晴らしい才能の持ち主だと思った。それが確認できて嬉しかった。
東京フィルはもちろん大編成で挑んでいるが、透明で濁りのない音色であった。マーラーの作品の意図を最大限表現しようとテンポを通常より変化させている。2楽章の美しさもハッと息を飲むようなシーンがあった。
4楽章「原光」のアルト独唱。音楽的に美しいと感じた。でもここはもっと深いものが欲しかった。歌詞と歌声にギャップがあるように思えた。
東京オペラシンガーズはやはり素晴らしい。1人1人の音量も大きく、充実しきっていた。申し分ない。
ハーディングは、これからどう延びていくのか目が離せない。今は31歳の青年らしく伸び伸びと音楽をつくっている。何も怖いものなんてないように。
■ただ、この日のコンサートは座った席が悪かった。左サイド後方だったのだが、シートが舞台に向っていないうえに段差もないので、となりの頭が邪魔で舞台の半分くらいが見えないのだ。音響はまずまずだったが、これからは考えて座席をとらないといけない。