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カルロス・クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団によるベートーヴェン交響曲第7番のライヴCD(ORFEO)を聴いた(ルービーなしのシラフで!)。
予想はしていたが、嵐のような演奏であった。
カルロスらしく曲の流れを非常に大切にしていてウィーン・フィル盤(DG)よりも歌わせるところはうっとりするような歌わせ方をするし、4楽章すべてがまったくどこも途切れないぞ!というような繋ぎ方をしているような印象をもった。
第2楽章の中間部(イ長調)のクラリネットの美しい部分でそのことが良くわかる。
ウィーン・フィル盤とは一味も二味も違う。ともに負けていない素晴らしい点がある。
(ウィーン・フィル盤の第1楽章の展開部は、僕にとってはこれ以上の演奏はあるわけがない、と思っている)
今回の演奏は1夜のライヴの模様をそのままCD化している(ベームの追悼コンサート)。
よってスタジオ録音のような完璧さがない。実際アンサンブルの乱れや、管楽器奏者のミスなどにも気がつく。しかし、そんなことはどうでもいい。
正確さをとるか芸術的な追求をとるか?どんな演奏者も両方ともおろそかにはしない。
だが、どちらかに比重をおく必要は無意識のうちに行っているかもしれない。
カルロス達は圧倒的な比重で『芸術的な追求』に全力を注いでいるようだ。
岡本太郎の有名な言葉「芸術は、綺麗であってはいけない。心地よくあってはいけない。・・・」あと何だっけ?
音楽や映画に関して迷ったとき、この言葉の意味に立ち返ることがある。
芸術というものは、簡素であって本質的であって内面的。というか、日常を超越した心の動きがあたえられるもの。人生そのものに影響を及ぼすもの(何かまとまらないが)。
そういういろんな気持ちにさせてくれるのがこのCD。
またカルロスは余計な小細工は一切していない。気持ちのいい演奏だ。
カルロスのとんでもない高い要求の実現はオーケストラにとってはかなり大変だろう。
大変というと、なんか“しんどい”ようなマイナスのイメージがあるが、聴いているとオーケストラも自信満々でこの充実した演奏を楽しんでいるのではないか?と思った。すごいオーケストラだ。