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昨日、サントリーホールでヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏を聴いた。
このオーケストラを生で聴くのはこれがはじめて、指揮者のヤンソンスも同じくはじめて。
プログラムは、ワーグナー歌劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死、ストラヴィンスキー火の鳥(1919)そしてショスタコーヴィッチ交響曲第5番
重厚なプログラムだ。こんなにメインディッシュばかりようなコンサートもめずらしい。
今回のツアーにはソリストで五嶋みどりもいて、好きなシベリウスのヴァイオリン協奏曲も演目にあったが、オーケストラをたっぷり聴きたくて、この日のコンサートを選んだ。
演奏は、ヤンソンスの要求にオケがしっかりと応える形で、ものすごくエネルギッシュでスリリング。
しかし、じっくりと歌う所は歌う。
機能的なオーケストラだ。
テンポをその音楽の性質にしたがって、自由に変化させるのだ。これはチョン・ミュンフンと同じような指揮だなぁという印象をもった。
曲のどの部分からも生き生きとその持つ意味を引き出すような音楽作りで、終始引き込まれっぱなしであった。
最も聴きたかったショスタコの第5番、その第3楽章。
作曲家はどんな思いでこの曲を書いたのだろう(共産主義時代の真っ只中にいたショスタコーヴィッチはかなり抑圧された生活を強いられていたと聞く)。ハープが奏でる旋律の美しく寂しいこと、いつもでも心に残る。弦楽器の深く意味深い演奏。そんなことを想いながら聴いていた。
オーケストラは予想以上に素晴らしく、木管楽器がこんなにも美しく響いたことは記憶にないくらいだ。
特にオーボエとクラリネット。
本当に素晴らしかった。聴き入ってしまう。楽器と一体化しているような錯覚をもった。
このオーケストラの演奏を毎週聴きたいと思った。バイエルンの人たちはこのようなオーケストラを持っていて羨ましいかぎりだ。
弦はドイツのオケらしく重厚である。しかし、透明感(特にppのときに)もあって非常にバランスがとられている。ウィーン・フィルとは当然異なるが、これはこれで理想的な音色だ。
今まで頻繁に行っていたウィーン・フィルやベルリン・フィルとは違って、余計な緊張感がないのも良い。音楽に純粋に浸れるのだ。余計な力が聴く側にも入らない。
かといってウィーンやベルリンを否定する気はまったくない、彼らの音楽に対する姿勢は知っている。
今回のヤンソンスとバイエルンはなんだか良好な関係を象徴しているような和気あいあいとした雰囲気も感じられた。
彼らの再来日が待ち遠しい。