ぼくは大人になれない。 | 誰が名付けたボブ日記

誰が名付けたボブ日記

ボブ日記とは人間の高みに達する為にあえて低俗な事を書いています('ε'*)ボブ自身高貴で可愛いですが、人前でtin×2を晒す覚悟で書いています\(^o^)/










夢の中の僕は


リッカより背が高い


リッカより声が低い


そんな奇跡が起きたならーーー


『俺、リッカのことが好きだ』


ニコッ(笑うリッカ)


そしたら


君は何て言うだろうか


リッカ「聡明(さとあき)」
「私は・・・○×△□ザーーーーーーーーーー(水の音)」






ザーーーーーーーーーーザーーーーーーーーーー(小学生くらいの男の子が食器を洗っている)





明宏(あきひろ)「なーー兄貴」


キュッ(水を止める)


『なに?』


明宏「ヒゲソリっていくらすんの?」


『!!?!』
『何 生えたのお前・・・』


明宏「え」
「って うわぁ!?」



ジーーーーーーッ(明宏の顔を覗きこむ聡明)



明宏「なに!?」


『なんだ』
『まだ生えてないじゃん』


明宏「も、もうすぐ生えるんだよ!!」
「【俺は】!!」
「・・・あっ」
「ごめん兄貴・・・」


『あやまんなって』




ガチャッ(誰かが帰ってきた)




明(あかり)「たっだいまーーーー!!」


『うわ、明!!!』


明「何 うわって・・・」
「兄ちゃん達何か話してた?」


『いや 男同士の話を・・・な!!』


明宏「お おう」


明「フーーーン」
「あっそうだ、じゃーーーーん!!」


『これは駅前たい焼き×3、しめて540円っっ』


明宏「なんてできた妹!!」


『でもあいつ絶対買った時一人で食ってるぞ、顔がツヤツヤしてる』
『この家計が苦しい時になんてムダ遣いを・・・』


明「ねーー聡兄」


『なんだ今忙しいん・・・』


明「聡兄って何歳なの?」
「って友達が」


『・・・・・・』
『友達って昨日スーパーで会った子?』


明「うん」


『何て答えた?』


明「とりあえず11歳って答えたよ」


明宏「は!?」
「お前の兄貴がお前より年下じゃおかしいだろ・・・」


明「あっ!!そっか!!」


聡明・明宏「(バカだこの子)」


明「えーでもさ18歳って言っても信じないでしょ」
「明宏兄ちゃん何て答えてるの?」


明宏「俺はちゃんと説明してる」


明「えーーうそォーー」


『はいはい』
『君たち そろそろ宿題やんなさい』


明「えーーーー」


『あ 明』
『俺のことは弟だって事にしときな』




ザクットントントン(料理を始める聡明)













中学時代ーーーーーー



〈教室に一枚の紙を前に席に座る聡明〉



リッカ「聡明」


『リッカ』



〈紙を見せる聡明〉




《身体測定の再検査について
このたび[林 聡明]の検査結果を受けて・・・・・・・・・・・・》





リッカ「身体測定で再検査って!!」
「まあ中3にもなってそんだけ小さいともう一回調べたくもなるのかしら・・・」
「ププっ」


『うるさいな』
『これから伸びるんだよ・・・』













医者「もう伸びませんね」


『・・・・・・・』


医者「簡単に言うと老化の止まる病気ですね」
「原因は解明されてないんですが」


『・・・・・・』


医者「世界に数人しかいない珍しい病気なんですよ」
「治ったという例は聞きませんねぇ」
「治療法が見つかってませんから」
「というか・・・」
「小学5年生から発症してますが気付かれなかったんですか?」



『・・・・・』
『つまり?』


医者「つまり」
「君の体は30年経とうが70年経とうが」
「小学5年生のままって事です」













明宏「あ・・き」
「・・・・兄貴」
「おーい何してんの?」


『いやぁ・・・』
『今日 鍋なのにポン酢がないんだよ・・・』
『ちょっと買ってくるわ』


明宏「え、なら俺が行こうか?遅いし」


『いや いいよ』


ガラッ(台所に入ってくる明)


明「じゃあついでにリッカちゃん呼んできてよ!家近いし」


『いいけど・・・』
『多分あいつ まだ帰ってきてないと思うぞ』


明「なんで?」


『・・・・デートだから』















病院の帰りーーーーーー



〈一人ブランコに座る聡明〉



"30年経とうが70経とうが小学5年生のままって事です"




リッカ「あれ」
「聡明じゃん」
「何してんの?」


『・・・・・・』
『病院の帰り・・・』


リッカ「病院?フーン」
「あたしはねぇ・・・」
「告白の帰り」
「知らなかったでしょ」
「あたし結構モテるんだよ」


『・・・・・・』


リッカ「ねぇ」
「付き合ってあげよっか」


『・・・・・・』


リッカ「橋本君はねフッちゃった」
「・・・・・・そうだなーー」
「あんたの背があと10センチ伸びたらいいよ」
「なんて」


『・・・・・・・・・・・・』


リッカ「聡明?」


『さっき医者に言われたんだ』


リッカ「えっ」


『俺の背はもう伸びない』
『そういう病気だって!!』
『70歳になっても子供のままだって!!』
『仮に誰かと付き合ったり結婚したとしても誰も俺を夫とは思わない!!』


リッカ「えっ?」
「ちょっと・・・」


『例え子供が生まれたとしても周りは俺を親とは思わない!!』
『・・・俺は!!!』
『誰にもなりきれない』













〈スーパーでポン酢とヒゲソリを買う聡明〉



それから


リッカと同じ高校に入ったがリッカと会うことはなくなった


ほぼ毎日夕食を食べにきていたが


それもなくなった


かわりに


男との噂ばかり聞くようになった



〈帰り道にリッカが男性に絡まれてるのを偶然みかけた聡明〉



リッカ「放してください」


男「いいじゃんLINEくらい~~」


『ねぇ』


〈男を指差す聡明〉


『その人だれ?』
『お母さん』
『早く帰ろうよー』


男・リッカ「!?」


リッカ「はっ」
「あ あら~~さとくんごめんね」
「荷物ありがと~~」


男「!?〔子持ち〕〔若づくり〕〔既婚者〕??」
「バ、ババアかよーーーー!!」














〈二人で帰る〉



リッカ「も~~~」
「ババアじゃないんですけど!!」


『もういいだろ・・・』
『てかさぁ・・・』
『そんな格好でどこ行ってたんだよ』


リッカ「デートだけど?」
「知ってるでしょ?」


『・・・・・・』


リッカ「まぁでも・・・」
「飽きてきたし他の人探そっかなぁ~」


『・・・そういうのやめろよ!!!』


リッカ「何で?」
「何で聡明がそんなこと言うの?」



【そんなの】



【決まってる】



【リッカが好きだから】



【好きだからだ】



【言え】



【好きだから】



【好きだから!!】





『・・・・・・』
『何でもない』


リッカ「・・・いくじなし(ボソッ)」


『え』


リッカ「なーんだ!」
「それより今日なに?」
「夜ご飯あんたの家で食べるわ」


『うわっ・・・図々し!!』
『別にいいけどさ・・・』


リッカ「やったー!」


『あ 600円先払いだかんな』


リッカ「お金取るの!?」




〈仲良く並んで帰る二人〉











少年は成長期の中にいるーーーー。





ーーーーーーーーーーーーーーEND