※前のお話はテーマ別【喧嘩・格闘技】でお探しください
ガチャ、ガーーー(送られてきたビデオテープを再生してみたカブト)
「見・・・・」
「・・・・」
「・・・・見た」
クイクイクイ(ボリュームをあげる)
3人の学生が話している様子が隠し撮りされているようだった
「・・・・あの女カブトの女だべ」
「カブトはもう兄さんなんだからカブト兄さんと呼べ」
「〈助けて助けて〉と泣き叫ぶからめちゃ興奮したべ」
「いやいや鼻折られてんのにまだ〈助けて〉と泣き叫ぶのに興奮した」
「人間の生命力を感じた」
「でもよもう俺が○れた時は死んでたんだぜ」
「俺いくとき思いっきり○ってやったもん」
「それがクリティカルヒットしたんだべ」
「でもあの女最後は俺らみたいなヤングと○れたわけだべ」
「喜んでるべ」
「ハッピーエンドでよかったべよ」
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【殺す】
裸にされて気を失うアザたらけの少年の周りで三人の不良が話している
「おいおいやベーべ」
「のび太の野郎やけに強気だと思ったんだよ」
「どうすべ?カブト殺しに来るべ?」
「大和プロレスにもう送っているんだからありえるべ」
「マジでやベーべ」
「どうするべ大ちゃん?」
「やられる前にやるべ」
「俺らでカブト殺るべ」
「カブト、ビデオテープ送ってるからのび太信頼してっぺ」
「のび太に俺らをやるチャンスだと言わせてカブト呼び出すべ」
「でもよプロレスラーだべ俺らだけで勝てっか?」
「馬鹿、プロレスラーだからいいんだべカブト絶対素手で来るべ」
「俺らはカブトが来る事知らないフリしてるべ」
「だからカブトも俺らなめてきてたいした武器持ってないと思ってるべ」
「そう思っているところナイフで刺し殺すべ」
「でもよ一人殺したばかりだべ今はまずいべ」
「だからのび太にカブト来させるようにさせんだっぺよ」
「そうしたらカブトが俺ら殺しにきた事になるべ」
「俺らレスラーに殺されそうになったって言えっぺ」
「そしたら俺らに”正当防衛“成り立つべ」
「あいつはプロレスラー」
「俺らは中学生」
「それに16歳未満は刑事罰に問われないと言ってたべ」
「またテレビや週刊誌は俺らを悪者扱いにするだろうが」
「俺らは法に守られてっぺ」
「レスラー殺って箔をつけっぺ」
約1ヶ月ぶりに阿南は大和プロレスの道場にきた
「おっ!?来たか」
「もうふっきれたか?」
『ニッ』
「阿南お先!戸締まり頼むな」
事件前と同じように阿南は誰よりも練習を長く続けた
事件前と同じいつもの練習メニューを終えると
カバンからマスクを取り出し
カブトのマスクを
机の上に置いて道場を去った
夜の学校・理科室にやって来たカブト
「おっ来たよ来た来た」
「やっぱ本物はでけぇーな」
『俺が誰だかわかっているのか?』
「わかってるわかってるおま○○ちゃんの男だろ」
「〈助けて助けて〉ねぇーさんの男だよな」
『殺す』
「殺すって俺らがお前を殺すんだよ!!」
「お前〔も〕殺すんだよ」
「おまえには殺しても○○○は入れないからよかったな!!!」
「だから殴っても〈ヒーヒー〉言うなよ」
「おま○○ちゃんみたいに!!!」
『殺す』
「完全に冷静さを欠いてるべ!!」
「ビデオの人数と違うのわかってねーべ」
『!?』
カチッ(理科室の電気が消える)
「ここにもう一人いるよ」
「カブトォ!!!」
ガシャンッ!(投げた瓶がカブトの左頭にヒット)
「濃硫酸だ!!!」
ジュウウウウ(カブトの頭と顔からけむりが出る)
「溶けちまえ!!」
「カブトのために濃度を高めておいたぞ!!!」
『ぐぁぁおがぁ!!』
「死ね!!!」
「死ね!!!」
「死ね!!!」
「死ね!!!」
「死ね!!!」
「死ね!!!」
[視界が歪む中、千夏を思い出すカブト]
"体大きいですよね・・・何をされてる方ですか?"
"はい・・・・私でよろしければよろしくお願いします"
「死ね!!!」
「死ね!!!」
[ビデオテープに残った彼らの会話を思い出すカブト]
"でもあの女最後は俺らみたいなヤングと○れたわけだべ"
"喜んでるべ"
"ハッピーエンドでよかったべよ"
『・・・・千夏』
ジャキッ(ナイフを取り出す瓶を投げた少年)
「死ね!!!」
ブォッ(カブトに飛び掛かる少年)
「死ね!!!」
「死ね!!!」
ブゴッ(飛んできた少年を殴るカブト)
「ぐえっ」
ゴッ(吹っ飛ぶ少年)
「!?」
殴られた衝撃で右の目玉が飛び出ていた
「うおっ目ん玉飛び出てるじゃねーかよ!!」
「おいっ俺の目!?」
「どう責任とってくれんっ・・・・」
ゴギ(少年の首に蹴り、首が折れる)
「・・・・・・・・・・・・」
「!?!?!!!」
「大ちゃん殺しやがった!!!」
「人殺しっ!!!」
「お前死刑になるぞ!!!」
『なるだろうな』
グイ(両腕を逆さにして少年の顔を掴む)
『3人も殺すんだから』
ゴガッ(そのまま首を反転させる)
残り一人になった少年は動けなかった
「・・・・あっあぁぁ」
『俺は最低の事をしている・・・・それは自分でも・・・・自覚している』
『でもな』
『どうしてもお前らだけは許せない』
グイ(少年をジャーマンスープレックスの体制に)
ゴッ(大きい音が夜の校舎に響き渡る)
【千夏はこんな事をしても悲しむだけなのは知っている。俺のエゴだけで人を殺した・・・・俺は死刑になるだろう。でもあの世で会っても俺を嫌わないでほしい。千夏に嫌われるのが一番辛い】
頭を溶かしながら学校を去る
【今度は絶対にお前を幸せにするから】
裁判官「開廷します、被告人前へ出てください」
聴衆「あっ」
聴衆「うっ」
そこには頭の左半分が溶け頭髪も無くなり、顔まで醜く腫れ上がったカブトがいた
裁判官「被告人 阿南優太」
「自身の婚約者が暴行を受けた事を逆恨みし被害者、桐生大地・早稲田真一郎・和田自由の3名を殺害した事に間違いはありませんか?」
『ありません』
裁判官「・・・・本当ですか?」
「本当は被害者に硫酸をかけられ殺されるかもしれないという」
「恐怖のあまり誤って殺害してしまったんですよね?」
「弁護人は正当防衛について全くあらそっていないのですがどうなんですか?」
ガヤガヤガヤガヤ(騒ぐ聴衆)
裁判官「未来ある若者を3名も亡くしているのです」
「意思を持って殺害したとなると極刑は免れないかもしれませんよ」
「本当の事を今話してください」
『・・・・・・・・』
『いえ・・・・』
『殺意を持って殺しました』
裁判官「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「被告人、阿南優太を」
「《無期懲役》とする」
ーーーーーーーーーーーーー続く